千切りキャベツがうまい山小屋 ~ 八峰キレット小屋
2014年7月、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳~五竜岳~唐松岳を縦走しました。扇沢の柏原新道をいっきに登り初日は種池山荘泊。翌日は、爺ケ岳から鹿島槍ヶ岳の頂上に立ち、八峰キレット小屋を目指しました。多くの登山者は鹿島槍ヶ岳往復のコースで、その先の八峰キレットに向かう方はほんのわずかでした。キレットという言葉だけあってかなり厳しい岩稜帯を下って行きます。緊張の連続の中、鹿島槍ヶ岳から1時間30分、ようやく狭い鞍部に建つ八峰キレット小屋に着きました。
ごく普通の山小屋でしたが、夕食の千切りキャベツには圧倒されました。一般的には付け合せ程度ですが、ここでは完全に主役といった形でメインのハンバーグが霞んでしまうほどです。シャキシャキとした歯ごたえはなんとも言えません。数日間の山旅にとっては野菜不足が懸念される中、なによりのごちそうでした!その他にも新鮮なきゅうりやトマト、ポテトサラダが副菜として付いています。私の今までの山小屋泊の夕食で、この千切りキャベツを中心とした野菜の美味しさはトップクラスです。もしこの方面に行かれる方は、ぜひ八峰キレット小屋に泊まってこの野菜たっぷりの夕食をご賞味ください。
写真左:鹿島槍ヶ岳吊り尾根から眼下に見る八峰キレット小屋 写真右:狭い鞍部に建つ八峰キレット小屋
お皿の上に新鮮なシャキシャキキャベツがてんこ盛りです!きゅうりやトマト、ポテトサラダもたっぷり添えられていました。
標高2470mの両側が切れ落ちた鞍部に建つ山小屋の食料は、ヘリコプターなどの輸送はできないでしょう。すべての食材は人の力によって運ばれくると思うと、この山小屋に限らず感謝ですね。
行列のできる山小屋? ~ 鍋焼きうどんの鍋割山荘
2014年5月、丹沢主脈縦走の山旅に行ってきました。大倉尾根から出発して蛭ケ岳山荘に宿泊。往路は塔ノ岳まで戻り鍋割山経由で下山してきました。なぜ鍋割山経由かと言うと実は、鍋割山山頂に建つ鍋割山荘の名物鍋焼きうどんを食べる目的でした。 以前、TV番組でも行列のできる山小屋として紹介されました。当日、10時20分に山小屋に着き、ちょっと早い昼食でしたが、すでに小屋周辺は登山者でいっぱい。急いで小屋に入って注文しましたが、先客が5名ほど待っていました。見た目は、一般的なうどん屋さんや定食屋さんで食べられる鍋焼きうどんと同じです。 標高1272mの山頂からの新緑の景色を眺め、更に目の前の富士山を眺望しながら食す鍋焼きうどんは最高でした!気温は高く汗ばむ気候の中でも温かい食事は、疲れた身体を癒してくれます。なぜかホッとする気持ちですね。
土曜日ということもあって下山の登山道は、鍋割山(それとも鍋焼きうどん?)を目指して来る登山者で数珠つなぎです。そうした登山者からは鍋焼きうどんの言葉が飛び交っています。「早く食べたい~、頑張ろう~」なんて言いながら自分を励まし登って来ます。 登って来るおばちゃま達のパーティに「もうすぐそこですよ。鍋焼きうどん並んでましたよ」なんて冗談半分(実際に並んでました)の声をかけると「キャー急がなくっちゃ!」と言いながら足を速めていました。 一杯1000円の価格ですが、標高の高さ・味・景色を含めれば安いものです。下山途中に山小屋を目指す歩荷さんとすれ違いました。数十kgの荷物を汗だくになって登る姿を振り返りながら鍋割山を後にしました。
鍋割山頂上からの富士山。頂上に建つ鍋割山荘周辺は広い草地でなっています。
小屋入口には、鍋焼きうどんののぼり旗がはためいています。小屋内は狭いので皆さんお盆にのせて景色を眺めながら食事をします。七味とうがらしは大量にありました。外で食べるので一人一個付けてくれます。
「山と山小屋」つづく