これからの社会保障を考える
私たちの世代から意識を変える・・・
今年に入りブログアップの回数が激減してきました。
ブログを始めてから11年経ち、ブログタイトルの「登山・山歩き、夫婦くるま旅」のお話も徐々に少なくなってきました。
これも歳を重ねる度に生活のスタイルが変化してきたことからなのでしょう。
今回の「60歳からの現実(リアル)」シリーズも42話になり、今年69歳になる私にとっては、このシリーズも60代最終段階に入りました。多分来年からは「70歳からの現実」に変わり、また改めてその想いをつづることになるでしょう。
先日、東京新聞の読者欄に親の介護施設入居のお話が掲載されていました。
3年間同居した母は、昨年の7月に施設に入所しました。お互いに限界を感じ、優しくできなくなったから、考えた末、入所を決めました。コロナ禍も落ち着き、外出可能な施設なので、月に2回、母と外出をしています。
主人の運転でドライブして、家で食事をして夕方、施設に送ります。ただ、帰る頃に「そろそろ行こうか」と母に伝えると、「どこに行くの?」と不思議そうな顔をしてこちらを見ます。その瞬間が、私と姉はとてもつらいです・・・、施設に送り母を連れて帰れない寂しさと申し訳ない気持ちで、胸がいっぱいになります。母の後ろ姿を見ながら「また来るからね」とつぶやき、今度は何を一緒に食べようかと考えを巡らしています。
この投稿文を読んで、私も実母と義父母の今は亡き3人の施設入居時のことを思い出しました。
まさにこの投稿文とまったく同じ気持ちでした。それぞれ施設(特養、サ高住、グループホーム)は異なりましたが、別れ際に「さようなら」とは絶対に口にせず、「また来るからね」と笑顔で手を振りました。
「また来るからね」という挨拶は、親も子もまた近いうちに再会があることを確約します。施設に入居したけれども ”いつでも会えるという安心感” があり、いつまでも続くような気持にもなりました。
私たちの世代(60~70代)は、親の介護と同時に私たち自身の近い将来を考える年代でもあります。
「介護の社会化」と言われるようになって25年経ちました。その介護制度は今はどうなんでしょうか?
最近、政府は「地域共生社会」と称し「社会保障に頼らず地域の助け合いで困難解決を」といいます。
しかし、現実はどうでしょうか。在宅医療や在宅介護現場では何も解決しないことは明らかになっています。
私の知人(72歳女性)に現在ケアマネジャーをしている人がいます。先日、彼女はこんな話をしていました。
「コロナ以降の介護の現場は酷い状況になってきている。訪問介護(ホームヘルパー)や通所介護(デイサービス)は人手不足で深刻な利用抑制が起こり、介護事業所が大幅な減収に見舞われている。もともと介護現場では、職員の低処遇、長時間労働、人手不足が問題となっている。こうした中で、例えば一人で毎日7~8軒の訪問介護で過重労働はいっそう過酷なものになってきている」と。
以前にもブログで父母が入居していた施設の現場について記したことがありました。父母の面会に行った時、担当者が時々変わっていることに気づきました。これは、介護施設で働く人の低処遇から離職率が高いことなんでしょう。
なぜ、このような状況になってきたのか?
このことはブログのカテゴリー「政治・経済と暮らし」や「セミナー・講演」「親の介護」などでも記してきたので、ここでは省略しますが、今の政治に問題があるからです。
医療・介護・年金・福祉など社会保障の改悪が続くなか、石破自公政権は最近の高額療養費の負担上限引き上げの「凍結」という異例の事態に追い込まれたことをみてもよくわかります。
登山仲間たちとの懇親会で・・・
会社時代の登山仲間たちとの交流は今でも続いています。
ここ数年、北アルプスなどの高峰への登山は影を潜め、最近では低山ハイキングに変わりつつあります。
十数年続いた仲間たちは平均年齢70歳を越えました。やはり年齢と共に登山スタイルも変化してきています。
そんな仲間たちと先日奥多摩の常宿で懇親会がありました。
この世代のオヤジたちが集まれば、多分どの ”親父たちの懇親会” でも同じように会社や仕事のこと、自分の健康、孫の話など共通の話題ではないでしょうか。
それでも登山という趣味の話はあるものの少しづつ薄れてきた感じがします。
そんな中、今回はどういうわけか ”自分自身の将来” についての話になりました。
仲間の多くは退職後継続雇用で働き、さらに70歳を過ぎてからも何らかの仕事につき働き続けています。彼らに聞くと75歳までは働くと話していました。
完全リタイアしたのは私も含め3人程度です。そんなリタイア組の年長者から「年金もそこそこあるし、そこまで働かなくても生活できるんじゃないの?」と問いかけました。
そんな彼は登山をはじめアウトドアを趣味に持ち、日頃スポーツジムに通う毎日を過ごして退職後の人生を謳歌している人でもあります。
70歳を過ぎて近くの介護施設の食堂でフルタイム週5日働いている仲間が、「働くことで毎日の生活リズムが保たれ、健康的な身体の維持ができるから」と返答していました。
70歳を超えても働き続ける人は多くなってきていると聞きます。経済的に余裕がないことからという理由もあるでしょうが、彼のように生活リズムや健康維持が保たれるという理由もあるんですね。
これは人それぞれの価値観ですから何とも言いえません。様々な生き方があるということなんでしょう。
私たちの年代(60~70代)は親の介護にたずさわる世代です。
登山仲間たちも少なからず何らかのかたちで親の介護に関わっています。私たちの親の代は、子が親のめんどうや介護をすることが慣習でした。そして、実際に親の介護にたずさわるのは一般的に嫁の仕事といわれてきました。
前述したように「介護の社会化」と言われて介護保険制度が出来てから25年ほど経ちます。そんな社会の中で生活してきた私たちの世代は、 ”嫁の仕事” という意識は少なからずまだあるものの、やはり自分自身が積極的に関わらなければならないという意識は高くなっているように思えます。
それは、終活という意識、子に負担をかけないようにしようという意識は、今回の懇親会でも共通したものでした。
私たちの世代からこうした意識を変えることは必要なことだと改めて感じました。
我々の世代が変わらなければ、また同じように子や嫁に負担をかけてしまいます。
ただ、前述した知人のケアマネジャーの話のように、現場では介護報酬の引き下げによる訪問介護の廃止・倒産が相次ぎ、職員不足による介護施設の閉鎖、看護師不足による病棟閉鎖などが頻発し、現実はとても不安定な状況にあることを認識しなければならないと思います。
そうした現状を踏まえて今の政治や社会保障制度というものを考える必要があると感じます。
夕方6時から始まった懇親会は、なんと深夜12時を過ぎるまで続きました。いつもは酔いつぶれたように自然解散しますが、今回はこれからの過ごし方について語り合った場でもありました。
私たち夫婦は、どちらかが日々の生活に不自由をきたす前に施設に入居しようと話し合っています。
子が面会に来た時の帰り際に「また来るからね」と言われるかもしれません。そうであってほしいと思います。
すーさんお久しぶりです。
今年は60代最後の年なのですね。
今回も無視できない興味深い話題です。
実は昨年11月から私は通所リハビリに週に一回通っています。
両股関節の置換手術後、下肢の強張り、右膝半月板断裂により
歩行に少し支障があるためです。
子供のいない私たち夫婦は今の場所で自立しながら生活するのも
多分10年が限度と考えています。
そろそろ終の棲家、どんな形態の施設を選んだらよいか
情報を集めています。
話があちこちしますが、右膝半月板断裂は今年初めに再生医療APSを
受けましたが・・・どうやら効果は一か月半くらいだったようです。
そのため歩行に少し難儀しています。
半月板を温存しながら修復手術を内視鏡でする病院を見つけましたので
早めに受けるつもりです。
>最近、政府は「地域共生社会」と称し「社会保障に頼らず地域の助け合い
>で困難解決を」といいます。
こちらでは「お達者クラブ」とか言って地域の人が集まって月に2回
活動をしています。
女性のみ60代後半から80代まで26名ですから活動費として
10万円以上出るようです。他の障がい者のサークルなどはどんどん
補助を削られているのに・・・こんなに予算を付けていいのでしょうか。
怒りがわきます。
直近の話は介護保険についてでした。次回は「詐欺」被害にあわないための
知恵を包括センターの人が話してくれるそうです。
いろいろ書きたいことはありますが、長くなりますのでこのへんで。
一つ嬉しいことは我が家によい後見人が見つかったようです。
ローズさん
お久しぶりですね。
今年に入りブログアップが滞っていたので、こうしたコメントも久しぶりに受けました。
通所リハビリに通われているんですか。私たちの年代になると身体の不安がやはり大きくなってきますね。妻やご近所の方々も同じようにどこからしら身体に不安を抱えるようになってきています。
私自身の場合はまだ大丈夫ですが、今回の登山仲間のメンバーも自身の身体の不具合の話が出ていました。
「お達者クラブ」という集まりがあるんですか。私の地域でも包括センターが主催する似たような活動があります。妻も時々参加していて、手話を教えたりしています。
そうした活動費に10万円以上出ているんですか?、驚きです。
またこうしたお話ができるのを楽しみにしています。
お身体をお大事にしてください。
コメントありがとうございました。