後立山連峰縦走の山旅 7月22日~25日
鹿島槍ヶ岳頂上(2889m)から望む立山連峰と剱岳
歩行距離25Km、4日間の縦走登山
登山には、ひとつの頂を目指すものと、峰から峰へと稜線をつなぎ歩く縦走があります。後者の縦走登山の魅力は、長い時間眺望を楽しむことができること、ハイ松や岩稜地帯、切れ落ちた登山道などのバリエーションを味わうことができます。 今回の山旅では、後立山の一般的な縦走路として扇沢の柏原新道をいっきに稜線まで登り、爺ケ岳南峰~中央峰~布引岳~鹿島槍ヶ岳南峰~五竜岳~大黒岳~唐松岳までの25Km、標高差1500m、所要時間26時間でした。
梅雨明けを待って晴れ日と平日にやって来るのはやはりシニア族でした。初日の宿泊地の種池山荘では、ほとんどが熟年ハイカーで皆さん考えることは同じなんですね。又、今回の縦走路は中級以上のコースですが、熟年女性同士のパーティや単独の方が多く見られたのが印象的でした。登り方やペースを見る限り男性よりも逞しさがありました。どこに行っても女性は強いですね。
標高2450mの稜線に建つ種池山荘は、まさにアルプスの雰囲気を持った山小屋です。山荘のゲレンデからは目の前に針ノ木岳(写真右、中央)が眺望できます。日本三大雪渓のひとつ針ノ木雪渓もはっきり見えます。この雪渓を登って頂きに立ち右側の稜線づたいに種池山荘まで来る後立山南部縦走コースも人気があります。 黒部ダムから黒部湖に向かって左前方にそびえ立つ山がこの針ノ木岳 です。
爺ケ岳(2660m)頂上から見た鹿島槍ヶ岳。この稜線をたどって登って行きます。 南方面には槍穂高連峰も遠望できます。
布引岳手前まで来ると二つの峰(双耳峰)もはっきとしてきます。稜線沿いにはキバナシャクナゲが咲いています。
この時期、高山植物の代表的なチングルマやチシマギキョウが咲き誇っています。
布引岳から鹿島槍ヶ岳までもう一息、稜線沿いに約1時間最後の急登です。
鹿島槍ヶ岳(2889m)頂上! 立山連峰と剱岳が一望!
後立山連峰が北に向かって一直線に連なっています(写真左) 明日、この峰を縦走すると思うとワクワクしてきちゃいます。南に目を向ければ今まで登って来た爺ケ岳南峰、中央峰、布引岳の稜線が一望できます。
鹿島槍ヶ岳北峰(2842m) 北峰手前の分岐から左側に下り、眼下に見えるキレット小屋を目指します。
いよいよ核心部「八峰キレット」へ
単独登山の楽しみのひとつは、山小屋で知り合った登山者の方々との山談義です。今回も種池山荘で同室だった67歳のベテランハイカーのSさんと意気投合しました。福岡県から電車で12時間かけて来たそうです。山岳情報の交換、今までの登山歴と経験談、地図を広げてのルート確認など話題は尽きません。Sさんとは同じルートだったので、この核心部から行動を共にしました。
先行していただいたSさん(写真左) この岩稜帯を黄色のペンキマークを目印に下ってきました(写真右)
写真左の岩壁を下ってきましたが、下りてホットした時、左側を見たら岩稜が切れ落ちていてビックリ!(写真右)
鹿島槍ヶ岳北峰の分岐から1時間30分緊張の連続でした。直線距離1.8Km、標高差425mをいっきに下る八峰キレットは、スリルと岩稜地帯の登山の醍醐味を味わうには充分でした。途中から霧が出て視界が悪くなりましたが、晴れていればもっと楽しめたのではないかと思います。 キレット小屋到着14時。種池山荘を早朝5時40分に出発してから8時間20分。疲れましたが達成感のある1日でした。
明日は、五竜岳を目指します。※(2)に続く