東京新聞「読者のミカタ」
読者の目線に立った報道姿勢
先週、東京新聞の読者交流会に参加してきました。
こうした新聞読者の交流会は、東京新聞以外の新聞社もあるかと思いますが、実際に編集されている方々や読者同士との交流は初めての経験でした。
私は以前、朝日新聞や毎日新聞を購読していました。又、働いていた頃は日経新聞を併読していた時期もありました。
今まで購読していた他紙から東京新聞に替えたキッカケは、東京新聞社会部記者の望月衣塑子さんの「新聞記者」を読んだことからでした。
この経緯については、以前ブログにも掲載した『書籍「新聞記者」』にアップしていますのでご覧になってください。
私たちが毎日のように目にするメディアの報道(新聞、TV、週刊誌、ネットなど)は、どのような立場で訴えたり、記事を書いているのでしょうか。それはありのままの真実を正確に報道するのは当然のことですが、そこには国民や読者にとって有益なことなのかを判断し、その方向性を示す役割があると思っています。
東京新聞以外の他紙でも「読者の声・意見」という欄があります。そこには時に驚くほど的を得た鋭い意見・考えがあったりします。それは、一部の権力や組織・団体への忖度が一切ない率直な声として納得するものがあります。
メディアの報道は新聞に限らずそうあってほしいと願います。
東京新聞本社と交流会風景
東京新聞の「読者のミカタ」とは、2つの意味があります。
一つは「読者の味方」、もう一つは「読者の見方」です。新聞社側は常に読者の味方に立った報道や記事を掲載し訴える。又、読者は様々な意見・考えがあり、それらを尊重し合いながら紙面に役立てていくことのようです。
そういう意味では、新聞社と読者が身近な関係になり、お互いが高め合っていく点で素晴らしい企画だと思います。
今回のイベントでは、「好きな記事・コーナー」、「こうしたらもっと良い新聞になる」アイデア、能登半島地震に対して、新聞の作り手と読者ができることなど意見交流しました。
30人ほどの読者が参加し、グループに分かれ新聞社の方を交えてディスカッションしました。
こうしたイベントに参加された読者は、やはり皆さん問題意識を持たれた方々ばかりで逆に教えられるお話も多々あり良い体験でした。
翌日の朝刊一面。「読者のミカタ」交流会の記事
私は東京新聞の好きな点として、「空気は、読まない」というキャッチフレーズのことを話しました。
これは前述した望月衣塑子さんの著書「新聞記者」にもあったように忖度しない姿勢です。
私たち読者や国民が知りえていないことを追求して ”実際に何が起きているのか” ”何が真実なのか” を正確に報道していくことがジャーナリズムの役割だと思うからです。
この「空気は、読まない」という言葉には、以前TV朝日の「ニュースステーション」で司会者古舘伊知郎さんの降板あいさつの中に共通するメッセージがありました。
「空気を読むから一方向にどうしても読んで流されてしまう雰囲気に対して、水を差すという言動が必要」
この「水を差す」という行為も、あえて「空気は、読まない」から出てくる報道姿勢だと思います。
”見方を変えてみれば、違う考え方が出てくる” ものがあり、それをしっかり指摘することが大事だという教えなんでしょう。
私たちの日常生活の中にも様々な場面で一方向に流されてしまう傾向があります。そんな時、「ちょっと待てよ」と再考し、考え直すことで新たな発見があります。
そうした報道姿勢が東京新聞にはあると思っています。
東京新聞への要望として、私は「税のあり方の特集」についてお話しました。
私たちの生活全般は、よく考えてみると税金と切っても切れない関係にあります。毎日の買物にかかる消費税、車を使えば重量税やガソリン税、住宅は固定資産税・・・。
ブログ:「暮らしと税を考える」
又、先日「公的年金等の源泉徴収票」が届きましたが、そこには源泉徴収税、介護保険料、国民健康保険料が明記されていました。これを見れば溜息が出るものです。
納税は国民の義務ですから、それについてはウンヌンしませんが、問題は「税の使い方」です。
国の歳出予算が本当にこれでいいの?、無駄なところに税金が使われていませんか?、こうした疑問は私だけではないと思います。
私たち国民には大よその歳出予算はわかるとしても、細かなものまではわかりません。そういう費目や金額を取材の力でぜひ明らかにしてほしいと思っています。
今回の能登半島地震でも被災された方々に対し国としてしっかり対応してほしいものです。そのための税金は惜しみなく使ってもらいたいです。
1/7付東京新聞の「本音のコラム」欄に前川喜平氏の ”天災と人災と戦災” の表題で寄稿がありました。
「人間が起こす戦争は人間が防ぐことができる。防げる戦争への準備ではなく、防げない天災への対策にこそ税金は使うべきなのだ」
確かにそのとおりだと思います。
私たちの大切な税金は、国民が安心して生活できるために使うものだと思います。そのために政治があり、税の再分配は国の重要な仕事として位置付けられているのです。
東京新聞の連載小説に和田竜の「最後の一色」があります。
カミサンは毎日この連載を楽しみに読んでいます。それが高じてその頁の切り抜きを始めました。今ではノート一冊分になりました。
小説「最後の一色」の切り抜きノート
東京新聞本社のラウンジに「最後の一色」のコーナーがありました。
交流会の後は、新聞が実際に作られている編集フロアを見学しました。
政治部、社会部、文化部、スポーツ部、写真部、こちら特報部など各部をまわりお話を聞くことができました。
今までこのブログでは、東京新聞をはじめ各紙の報道や記事について、自身の考えや意見を述べてきました。又、参考資料として掲載したこともありました。
新聞やテレビなどのマスメディアは、読者をはじめ国民に大きな影響力を持っています。
私たち庶民が知りえない情報をいち早く正確に報道する役割を持っていると同時に、時として読者や国民の声を代弁することも大切な役割があると思います。
そういう意味でこれからも継続してメディアの報道や記事に意見、考えを述べていきたいと思っています。
こんにちは。
一月から大変興味深い内容ですね。
特に東京新聞と読者の集いが催されたとは
素晴らしいですね。
東京新聞の「空気を読まない」姿勢はジャーナリズムの基本だと
個人的に思っています。
ローズさん
こんにちは
今回の読者交流会は、昨年12月新聞紙上に掲載された案内を見て応募しました。
初めての新聞社訪問でしたが、編集委員はじめ皆さん腰が低く、読者の意見や考えにしっかり耳を傾けていた姿勢がとても印象的でした。
各新聞には読者投稿欄があります。私も投稿したことがあり過去3回掲載されました。
この時、新聞社から直接電話があり、原稿の確認や一部修正(字数など)のやりとりをしました。丁寧な受け答えにとても好感が持てました。
ローズさんがおっしゃるように、「空気は、読まない」はジャーナリズムの基本だと思います。
新聞に限らずテレビ報道もそうあるべきだと思っています。
コメントありがとうございました。