「郷愁の街角ラーメン」編 第4話

元祖「つけそば」の名店へ

また食べたくなる味とは?

 

またまたラーメン好きオヤジは、都内の街角ラーメン店を食べ歩いてきました。
TV放送の「郷愁の街角ラーメン」で紹介されるお店には共通点があります。それは、”昔ながらの中華そば” と ”また食べたくなる” といった「味」をしっかり持っていることです。
この「味」とはいったい何なのか?

最近では創意工夫を凝らしたラーメン店が続々と出店しています。
そんなこだわりのあるお店に何店舗か訪れたことがあります。ラーメン愛好者にとってはやはり気になりますから。
しかし、満足する味には出会えませんでした。
こだわりと言えば、高級食材を使っての出汁・スープがあります。又、麺に添える豪華な具もそうでしょう。当然価格は軽く1000円を超える値段になります。
それはそれで一つの完成したラーメンで他店舗との差別化を狙ったものなんでしょう。もちろんそうしたラーメンは美味しくいただけます。
ただ、何か物足りなさを感じます。これだけ高級食材を使って「どうだこのラーメンは旨いだろう!」と言わんばかりにその主張が高すぎることから、逆に庶民の食べ物としてどうなんだろう?という思いがあります。

そうした感覚は果たして何だろうか?

昔の人はいいこと(言葉)を残してくれました。それは「塩梅(あんばい)」なんですね。
ご存じのとおり、塩梅は料理の味つけの具合や加減を意味します。「ちょうど良い塩梅だね」というのは一番満足できる味だと思います。同時にまた食べたくなる味ではないでしょうか。
高級食材や様々な動物系・魚介系材料を使って過度な出汁や味つけが果たして良いものか?、美味しいのか?、飽きがこないのか?といった疑問が膨らんできます。
結果、「一回食べればもういいかな」と思ったりします。
こうした味覚は人それぞれですから何とも言えませんが・・・。

もう一つは、そうした味つけに他者とは異なる「技」があるように思えます。
言葉ではうまく言い表わせませんが、上記の「塩梅」も含めてごく一般的に使われている出汁をとる材料(高級ではない)や調味料(化学調味料ではない)の種類や量、煮だし具合の最も適正な時間など。
こうした調理の ”最高点の位置(味つけ)” にもっていく技があるように感じます。これが微妙に違うとごく普通の味になってしまうような?

私はプロの調理人ではないので偉そうなことは何も言えません。ただ、こうした味を引き出すのは、例えば多くの材料を使って「足す」ことが果たしていい味になるのか?といったことを聞いたことがあります。逆に「引く」ことの方が難しいということなんでしょう。それが究極の「技」だと。

そんな味に出会ったラーメン店があります。
武蔵高萩の大勝軒(永福町系)、ぜんや(塩・新座市)、勝本(水道橋)、まこと食堂と源来軒(喜多方)、とら食堂(白河)、麺屋彩未(みそ・札幌)、味楽(北海道利尻)を私は挙げます。
これらのラーメンには上記に値する共通点があります。又、同時にシンプルさ、また食べたくなるという点が共通しています。

 

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「勝本」と喜多方「まこと食堂」

ブログ:中華そば「勝本」

ブログ:喜多方ラーメン

 

ラーメンにもここ十数年の間に「つけ麺」が流行ってきています。
つけ麺の元祖(つけそば)といえば、真っ先に思い描くのが東池袋大勝軒の創業者山岸一雄さんです。
私も何度か通ったことがあります。山岸さんはすでにお亡くなりになりましたが、その味は弟子の人たちに受け継がれています。
その山岸さんは当初中野大勝軒で修行され、この時につけそばを開発されたと聞いています。そういう意味では、中野大勝軒がつけ麺のルーツである「つけそば」の元祖のお店ということでしょうか。

先日、TV「マツコの知らない世界」で「つけ麺の世界」と題した放送がありました。
この番組でもプレゼンターの方が、最近はつけダレがあまりにもドロドロした味つけで濃すぎる、出汁の取り過ぎと話していました。結果、女性客に敬遠されがちになっていると。

この放送を観て最近のラーメンもつけ麺も確かにそうだよな~と思いました。見た目や一過性の味ではなく何度食べても飽きないラーメン・つけ麺がやっぱりいいよな~と思いますね。
そこにはやはり究極を味を追求した「引き算の技」があると感じます。

 

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TV「郷愁の街角ラーメン」で中野大勝軒が紹介されていました。
数年前一度訪れたことがありましたが、この番組を観てもう一度食べてみたいな~と思い行ってきました。

 

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「中野大勝軒」JR中野駅(中央線)南口から歩いて5分

お昼前ちょっと早めに行きましたが、やはり満席だったため店内で少し待ちました。

まずは麺だけ口に入れました。しっかりした歯ごたえと小麦かおる味が広がります。
つけ汁は醤油ベースでシンプルですが、ほんの少し酸味(酢)があり一味も二味も違う後を引く旨味があります。やっぱり何か違うよな~と思いました。
これが一般的なつけ麺のお店との差(「技」)なんでしょうか。

東池袋大勝軒と似た味です。今ではのれん分けして多くのお店がありますが、オリジナルな味は今でも王道の味だと改めて思いました。

 

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つけダレは濃いめなので残ったらポットのスープを足して飲み干せます。

中野大勝軒、また食べたくなる店の一軒でした!

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