内館牧子原作小説がドラマ化
人生・生活の一部分を、やり直す!?
一年前、内館牧子さんの著書「今度生まれたら」を読み、このブログにアップしたことがありました。
ブログ:小説「今度生まれたら」
この作品がNHKBSプレミアム番組としてドラマ化されました(5/8日スタート)
主人公の佐川夏江役に松坂慶子、夫の和幸役に風間杜夫、実姉役には藤田弓子などベテラン俳優が名を揃えています。
小説を読んだ時の人物像というのは、読んだ人によって様々だと思います。
頭の中で描くものは、こういう人物だと思いながら読み進めていくのではないでしょうか。それは人によって違うもので、ドラマや映画化になった時にその俳優がイメージとピッタリ、逆に全く違うなどよくあります。
今回のドラマ第一話を観ました。
自分のイメージとはちょっと違うかな?と思いましたが、やはりベテラン俳優陣ということもあり味のある演技が見られました。
この小説・ドラマは、70歳というのが一つのキーワードになっています。
私は今年66歳になります。60代という年代は自分の中では「まだまだ・・・」という気持ちがありますが、70という年齢を思い描くと「う~ん・・・」とまだイメージ化されていません。
そういう意味では、60~70代の世代の人にとっては、一読・一見する価値はあるかもしれません。
内館牧子さんは小説「今度生まれたら」のあとがきでこう述べています。
現在が不幸なのではない。その多くは子供も心配なく暮らしており、孫たちも元気だ。何よりも、今日まで共に暮らす夫は大切であり、情もある。
なのに、やり直しがきかない年齢を意識すると、遠い目をする。
「今度生まれたら」と口をつく。むろん、「また同じ人生がいい」と笑顔で言い切る人も少なくはない。
「人間は幾つになってもやり直せる」「人間に年齢は関係ない」と言う人はいる。それは理想的なことだが、私はやり直すには年齢制限があると思っている。以前はそうは思っていなかった。
だが、私自身が「お年を召した方」になってみると、「人間に年齢は関係ない」という口当たりのいい言葉は使い難い。ただし、たとえ(70)を過ぎても、人生の一部分を、また生活の一部分を、やり直すことはできる。
「自分はもう・・・だから」と思ってしまう、言い切ってしまうことは、そこで全てが止まってしまうことにつながるものなのかなと思います。
私たちは長年、社会という大きな世界の中で生きてきました。もちろんこのことはこれからも続いていきますが、”周りを気にする” とか ”何かに比較する” などの既成概念にとらわれ過ぎていたかもしれません。
ドラマ「今度生まれたら」は毎週日曜日夜10時からの連続放送のようです。
小説を読み終わった後、今度はドラマで楽しみたいと思っています。本とドラマ、その違いはあるかもしれませんが、もう一度これからの生き方、過ごし方を考えてみる機会になるのかなと思っています。
”人生の一部分を、また生活の一部分を、やり直すことができる” そんなヒントが。