老齢基礎年金の受給

65歳からの年金

受給開始を繰り下げる過剰な宣伝?

 

私は今年65歳を迎えます。
いよいよ高齢者の仲間入りということになります。

コロナ感染対策でワクチン接種が始まりました。
65歳以上の世代を対象に各市町村で接種に関わる資料(接種券など)が配布され実施されています。
当初はまだ接種ができないよな~と思っていたところ、接種券が郵送されてきたことでその時になって改めて「ああ~俺も65歳になったんだ」と実感しました。

又、65歳になると行政からいろいろな連絡がくるものですね。
先日、「介護保険被保険者証」が郵送されてきました。

介護保険は40歳以上の方が対象(被保険者)となりますが、このうち65歳以上の方(第1号被保険者)へは全員に、被保険者証(保険証)を交付することとなっております。
つきましては、今月中に満65歳となる方に、介護保険の保険証をお送りいたします。
川越市介護保険課

 

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そして今度は、「老齢基礎年金」の年金請求書の書類が郵送されてきました。
おお~やっと来たな!という思いで封を開けたところ、請求書はハガキ1枚、その他にA4とA3のカラー用紙が入っていました。
確認すると、「なんなのコレ?」という感じで呆れてしまいました。

大切なお知らせ
受給開始を繰り下げると年金は増額できます。70歳では42%UP、75歳84%UP
年金の受給開始時期は60歳から75歳まで自由に選択できますが、受給開始を遅らせるほど、受けとれる年金額は増えていきます。
資料より

こうした繰り下げによる受給方法にはたいへんな違和感を感じました。

少子高齢化による社会保障費の増加問題は今に始まったことではありません。もう何十年も前からその状況がわかっていたはずなのに何ら対策を打つことなく見過ごされてきました。
国家財政のあり方は、社会保障費の拡大だけを問題視するのではなく、歳入面(税制度)と歳出面(無駄な経費削減)の全体をコントロールすることで成り立たせていくものです。

そのような無策を棚に上げて国民(年金生活者)を分断するような政策をこのようなかたちで宣伝・推進するやり方に憤りを感じます。
このやり方は、年金支給を少しでも遅らせることで社会保障費の原資を抑えていく狙いがあり、根本的な社会保障財源の対策をしていないところに問題があると思います。

このような繰り下げに対し、実際にその制度を活用している年金者はいったいどのくらいいるのでしょうか?

■老齢基礎年金の繰り下げ受給者:1.4%
■老齢厚生年金の繰り下げ受給者:1.1~1.2%

これが実態なんです。

更に肝心なことが抜けています。
それは、75歳から受給(84%UP)した場合、受給総額で65歳から受給していた年金額を上回るのがなんと90歳ということですから驚きです。
75歳の平均余命は男性で12年ですから87歳ということになります。
ということは、増額されたとは言っても実際に受け取る年金総額は下回ります。

84%もUPしているのになんで90歳になるまでそんなにかかるの?という疑問が浮かびます。

75歳に遅らせると住民税、所得税、国民健康・後期高齢者医療保険料などの税負担が大きくなり、84%増といっても実際の受取額が抑えられ可処分所得が減る。
国会答弁:厚生労働省年金局長

ブログ:「平均余命と年金」

 

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郵送されてきた資料には、繰下げれば増額できることしか書かれていません。
受け取り総額が上回るのが90歳以降のことや税負担のことなど一切触れていませんね!
これが現実なんです。まったく呆れてしまいます。

 

それと私たちがもう一つ考えなければならないことは、まだ健康体で動ける時期に必要とするお金についてです。
このことは個人の所得や財産などによって異なるものですが、寝たきりや身体上動き回ることができない状況になった時はそれほど多くの支出はありません。
このことは高齢になった母や義父母の生活をみてもよくわかりました。

元気で生活している頃は、出かける頻度も多く趣味や旅行、買い物などに使うお金が必要です。
必要な時に少しでも使えるお金があることが大事ではないでしょうか。
一般的によく言われる「あの世にお金は持っていけない」という教えのように、お金は使ってこそ価値があるとものだと思います。

こうした考え方は人それぞれです。
自分が寝たきりになって使い道がなくなったとしても、家族のために少しでも残しておきたいという思いもあるでしょう。

問題は前述したように、社会保障費の拡大抑制のためにこのような愚策を正当化するような考えで施行されていることです。
歳入における税制度、歳出における使い道を改めることで社会保障費の財源は十分確保できるはずです。

この請求書は、新たに老齢基礎年金、老齢厚生年金をお受け取りいただくものです。65歳から年金を受け取る方は、この請求書を提出してください。
郵送されてきた日本年金機構の説明書より

昨日、即刻住所、氏名を書いて郵便ポストに投函しました。それも63円の郵便切手を貼って!
カラー印刷の受給繰り下げ資料には無駄な経費をかけて、一方で今までしっかり保険料を納めてきた受給者に対して切手を貼らせる?
「今まで長い期間保険料をお支払いしていただきありがとうございました」の労をねぎらう言葉が一言もありません。
”受給したい人はハガキを出しなさい” です。

なんなのコレ!? 政府・厚生労働省や年金機構の皆さん、何か大きな勘違いをしているのではありませんか。

6 thoughts on “老齢基礎年金の受給

  1. おはようございます。

    去年 年金申請を行い受給しております。
    確かに受給うを遅らせたら 増額になることばかりの宣伝でデメリットの説明はありませんでし
    た。確かに今の年金制度に満足はしてませんし改善の余地は大いにあると思います。

    私は年金受給制度の不満は 在職老齢年金です。これはある一定以上の給与所得があれば年金を
    減額、あるいは停止する制度です。これはキャリア官僚が自分の為に作った制度で 退職後 天
    下りで再就職しそこで契約雇用され所得(年俸が何千万円でも)は給与所得年俸がにはならずに
    満額で年金を受け取ることができる制度です。世間一般的に常識外れだと思いませんか。給与所
    得でなく総所得額で判断するべきですね。

    最後に社会保険事務所の対応は以前より良くなりましたが まだまだ民間企業と比べて差が有り
    ますね。他の役所の同様ですが 私たち市民、国民に感謝の気持ちは感じられません。
    私事になりますが、親が亡くなった時 相続税を納める為の税務署担当者との打ち合わせでも最
    後に「有難うございました。」の一言もなく当然と思いながら機械的に処理しただけで温かみは
    一切感じられませんでした。

    これからこの国はどうなるでしょうか。 
    みんなが健康で豊かな生活ができることを願います。

    1. 山鯨 笹蟹さん

      こんにちは、お久しぶりですね。

      在職老齢年金については確かにおかしなことで不満はあります。一定以上の給与所得に対して減額、あるいは停止されるなんて働く意欲がなくなりますよね。
      今までしっかり保険料を納めてきたわけですから給与所得に関わらず支給すべきだと思います。

      キャリア官僚天下りの契約雇用とその所得の話は知りませんでした。
      >給与所得年俸にはならずに満額で年金を受け取ることができる。
      この給与所得は総所得額ではないのでしょうか? 抜け道というものがあるんですね。

      現在のコロナ感染対策にしても行政の上から目線の対応が頻繁にあります。
      先週の酒類販売に関する西村経済再生大臣の発言、ワクチン接種のやり方(早い者勝ち)などの例があります。
      常に国民の立場に立って物事を考え実行してほしいと思うばかりです。

      コメントありがとうございました。

  2. こんにちは。 いよいよ年金生活が始まるとのことでお疲れ様です。

    当方は昨年から厚生年金(基礎年金含む)と企業年金を受け取っています。
    年金受給開始時期の繰り下げについては、たしかに70歳まで最高5年(60月)の繰り下げが可能
    で、計算上は60月×0.7%=42%の増額ということで、その点にウソはありません。

    ただし、年金受給の資格が発生した方に65歳未満の配偶者や未成年の被扶養者がおられる場合
    は、加給年金を受け取る資格が発生するのですが(条件あり)、場合によっては、その資格を放
    棄することになります。
    また、いつまで働くか(働けるか)ということや在職老齢年金の影響も含めて、総合的に65~
    70歳の年金手取り額の最適解を検討してみる必要があると思います。
    可能であればですが、一般的には年金と併せて70歳までそれまでと同等の収入で厚生年金加入の
    まま働けるなら最高でしょうね。

    在職老齢年金というのも若干は改善されましたが、何が目的かよくわからない制度です。 
    業務委託とか顧問のような雇用形態にするなど、抜け道もあるようですが多くのサラリーマンに
    は難しいことです。
    結局、夫々の退職予定時期、退職後の生活費等のマネープランをしっかり検討する必要があると
    思います。

    自分自身、もっとこうしておけば良かったということはありますが、なかなか希望通りの人生に
    はなりませんでした。しかし、今のところ特に悪いところもないし、住宅のローンもないので、
    将来の軽い登山と温泉巡りを目標に筋トレとポケットマネーでの株式投資をする毎日です。

    1. Zampanoさん

      こんにちは、お久しぶりですね。

      繰り下げによる加給年金の受給については、おっしゃるように制限があるようですね。
      在職老齢年金も含めてもっとオープンに分かりやす年金制度であればと思います。

      >退職予定時期、退職後の生活費等のマネープランをしっかり検討する

      同感です。
      私も若かった頃は退職後の生活や生き方などほとんど考えることなく過ごしていましたが、やっぱりそれ相応の年代になると真剣に考えるようになりました。
      今では継続雇用などが制度化され働き続ける人が増えています。そうした時期を利用してじっくり将来のことや年金のことなど検討することが大事ですよね。

      早期退職して丸8年、9年目を迎えました。
      あっという間の時間でした。例えば75歳まで元気で過ごせる時間があるとすれば、「まだ10年もある」という考えなのか、それとも「あと10年しかない」と思うのか?
      私は後者です。自分がやりたいこと、チャレンジしてみたいことなどまだまだあります。
      そう考えると、昨年から続くコロナ禍でちょっと焦りさえも感じています。

      健康で元気で過ごせる時間を大事にしていきたいですね。
      コメントありがとうございました。

  3. すーさん、公的年金が満額出るようになって良かったですね。

    やはり年金が出るようになると安心感があると思います。

    繰り下げは個人的にお薦めできません。私は年金機構の敵ですね(笑)
    私の周りで、63歳くらいまで現役で働いていた方(男性)が64歳で急死
    してしまいました。

    水泳の仲間(女性)も70歳までは年金を我慢すると言ってたのですが、
    69歳であっけなく亡くなりました。

    多分、一時金と+αだけ遺族に支給されると思いますが。

    健康寿命は個人差があると思いますが、しっかり働いてきたんですから
    残りの人生、大いに楽しみたいですよね。
    二か月に一度確実に振り込まれる年金はやはり大切な収入です。

    スーさんご夫妻、コロナ禍で国内ロングスティが出来ずに残念なことです
    が、再度、チャレンジできる日が早くやってくると良いですね。

    1. Roseさん

      暑い日が続く毎日ですね。
      家内は暑さが大の苦手なんですが、実は私はギラギラ太陽が照りつける真夏が大好きなんです。
      やんちゃな子どもみたいですね(笑)

      ようやく基礎年金が受給できるようになりホッとしてます。
      私の場合は早期退職でしたから、今までは家内の年金と預金を取り崩して生活してきました。
      これからはやれやれという気持ちです。

      Roseさんのお知り合いにも年金を受け取ることなくお亡くなりになった方がいらっしゃるんですね。私の周りにもいましたが意外といるんですよね。
      今までしっかり働き保険料も納めてきて、さあこれからという時になって残念だと思います。
      人生100年と言われてもいつ死ぬかわかりません。であるならやっぱり受給年齢になったら受け取った方がいいと思います。

      コロナ禍でくるま旅やロングステイはおあずけのままです。
      今年はまだ様子をみて来年あたりから再開しようと家内とも話しています。
      とは言っても、夏山に憧れているので明日から山仲間たちと北アルプスに行ってきます。

      これからさらに暑い日が続きますから、お身体に注意してお過ごしください。
      コメントありがとうございました。

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