沖縄「女性遺体遺棄事件」の日米首脳会談
できないことは全てやらない?
企業の不祥事、隠蔽などによる事故が過去何度もありました。 その対応策として、トップ直轄の特別チームを設置し「再発防止策」が策定され、実行に移すということで取り組まれることになります。 特に人身に関わる事故ということになれば、その対策はより厳しく再発防止できることは全てやることになり、その経過報告も定期的に義務づけられるものになります。 企業に勤めるサラリーマンであれば、大なり小なりそうした経験はあるかと思います。 再発防止策=二度と起きてはならないための対策ですから、その対応は厳正であり厳しいものになることは言うまでもありません。 一企業がそうした不祥事を起こし、また同じような事故や隠蔽があったとしたら二度と立ち直れない社会的な制裁があるのではないでしょうか。
安倍首相は、今回の女性遺体遺棄事件に対して「再発防止」のため「あらゆる手を尽くす」と述べました。 又、首脳会談後の会見でも「厳正な対処と再発防止策」だけを口にするだけでした。 翁長知事は「安倍内閣はできることはすべてやると言っているが、できないことは全てやらないという意味にしか聞こえない」との批判を表明しました。
皆さん、今回の両首脳会談後の会見をどのように受け止めましたか? 多くの国民が今回の会見を関心を持って聞いていたと思います。 過去何度となくこうした米軍属による事件が繰り返されてきました。そして、その時の対応として「再発防止策」という言葉が何十回、何百回となく聞かされてきました。 そして今回もまた残念ながら同じ言葉を聞くことになりました。
沖縄の米軍基地の抜本的縮小・撤去に踏み込まない限り、基地あるがゆえの犯罪は決してなくならないと思います。 事件や事故を起こしても米軍基地内に逃げ込めば、地位協定に守られる。こんな特権意識が凶悪犯罪を誘発していると、沖縄県民の事件を見る目は厳しい。 首相は会談後の記者会見で「日本国民の命と財産を守る責任を果たすために、あらゆる手を尽くす決意だ」と強調した。首相たる者の心構えとしては当然だが行動が伴わなければ意味がない。 首相は今回の会談で、地位協定の改定と普天間飛行場の国外・県外移設を提起すべきだった。・・・機を逸したことは残念でならない。 5月27日東京新聞社説
又、安倍首相は、会見の中で日米同盟を「希望の同盟」という表現をしました。 今回の事件に限らず、過去何度も起きた事件に直面してきた沖縄県民や遺族を前に、日米同盟を「希望」だと言ったわけです。唖然としました。 「厳正な対処と再発防止策」を口にするだけで何もしない安倍政権に失望すると同時に、これが日本国を代表する首相なのか?という怒りを通り越して、情けない気持ちがこみ上げるばかりでした。
沖縄県議会は26日の臨時会で、初めて沖縄の全ての米海兵隊の撤退を求めた決議案が全会一致で可決されたそうです。 全会一致の採決といっても、県政野党の自民党は賛否を示さずに退席したようです。 討論の中では、 日米両政府から再発防止や綱紀粛正という空虚な言葉を聞く気はない。県民の怒りは頂点に達している。 県民は一体いつまで嘆き、苦しめられるのかと考えると怒りが抑えきれない。凶悪事件の多くを占める海兵隊は全面撤退させなければならない。 議会でのこうした発言は、沖縄県民の声としてうなずけるものがあります。
世界経済が「リーマン前」に似た状況?
サミットの経済論議の内容については、すでにマスコミを通して報道されているように、安倍首相は減速する世界経済の状態を「リーマンショック以来」と強調したものの、各国首脳からは受け入れられないものでした。
安倍首相は世界経済のリスクを強調し、各国に「危機対応」を求めたが、完全に足並みをそろえることはできなかった。 「危機とまで言うのはいかがなものか」と異議を唱えたのはドイツのメルケン首相だった。 朝日新聞 5月27日
安倍首相は消費税増税を先送りする方針を固めている。それでもサミットで世界経済が「危機」にあると強調したのは、先送りの方針を正当化するためだ。東京新聞5月27日
サミットで安倍首相は、世界の商品価格や新興国の経済指標を示して「リーマン前」に似た状況であると説明し、その対応として各国に財政出動の必要性を説きました。 その一方で、アベノミクスは成果をあげていると自画自賛しました。 はたしてそうでしょうか? 日本経済がG7中、最低です。 先進国では日本自体が今年はほぼ「ゼロ成長」の見込みで、各国の中では「一人負け」状況。金融政策で経済をテコ入れする安倍戦略のほころびは隠しようもない。
そもそも一千兆円超という世界一の財政赤字を抱える国が、各国に財政出動を呼び掛ける構図がおかしい。ドイツからは「財政による景気浮揚は一時的で、かえって将来の負担となる」とたしなめる声が聞こえた。金融政策に過度に依存してきたが、それが行き詰まったことも見透かされた。 東京新聞
たしかに今まで公共事業などにお金を使って一時的な景気回復がありましたが、残ったのは国民の豊かな生活ではなく膨大な借金でした。
安倍首相は、今回のサミットでもみられたように、さまざまな世界経済の指標を並べて「危機に陥るリスク」を言い立てましたが、アベノミクスこそが私たち国民の暮らしを危機に陥れているように思います。 このことは、今回のサミットに出席された各国首脳の発言からも推測されることです。 サミット閉幕記者会見で安倍首相は「アベノミクスを世界に展開していく」と述べました。今のところ各国首脳からはまともに相手にされていませんが、失敗したアベノミクスを海外で実行されては、その国の国民がたまったものではないと思います。
今回のサミットの感想は、個人的には現政権に対して厳しいものになりました。 きれいな言葉を並べたり、意欲ある言葉で発言をしているように見えますが、具体的な中身と行動が伴わなければ意味がないと思います。
「できることをやり、できないことはやらない」なら私と同じ凡人ですよ。
一国のリーダーたる為政者は、出来ない事を出来るようにしてこそ、国民の信頼を築けるものでしょう。
いつのことか思い出せませんが、「出来ないとは、出来ることを全て試した後でないと言えないそうで、軽々に言うものではない」と聞いた覚えがあります。
すーさんの感想のとおり、首相はきれいな言葉を並べますが、いつも軽々で誠意が感じられませんね。でも選挙に勝ったんだから、とやかく言えないのが悔しいですね。
一方オバマさんは、厳しい国内世論がある中での広島訪問を実現されました。プラハ演説以来周到に準備して、7年を費やした結果でしょうが、信念を貫く姿は世界中に感動を与えてくれましたし、多くの世論に配慮しながらも、一言一言を噛みしめるよに話されたスピーチには、ずっしりとした重さを感じさせてくれました。まさに世界のリーダーですね。
願わくば7月の選挙に、こんな信念の持ち主を選びたいものですが、果たしているのでしょうか?
今回のサミットでアリバイ作りをしたので、またまた財政出動をするのでしょうが、財源は借金の繰り返しですよね。こんなことばっかりやっていては、下流老人ならぬ超下流国家になるのでしょうが、誰が返済するのでしょう。
どうしてもやりたいなら、お得意の政治資金パーティーで財源を集めてほしいものです。
Rockyさん
コメントありがとうございます。
「超下流国家」なるほど!そのとおりですね。
莫大な借金を抱えながら更に財政出動など、とんでもないことですね。
取るべきところから税金を取り、不必要な歳出を抑え、国民生活に直結する必要なところに予算を組むこと、これが本来の政治ですが今は真逆です。
昨日、安倍首相の会見がありました。
アベノミクスの「成果があったような発言」があり、失敗、後退した失政については全く触れていませんでした。
こうした発言に惑わされることのないよう、しっかり現実を見て判断しなければならないと改めて感じました。
安倍さんG7で馬鹿にされて痛かったです。
でもオバマと広島行けてポイント上がって良かったね(皮肉かな)
消費税据え置きで人気上がりますね~
野党も、こんな時に不信任案出して選挙に負けるつもりならいいけど。
沖縄は、地元の子と話す事があると
「行ってはいけない場所、時間」が多くて基地があるんだなぁ~と再実感します。
国は街灯を増やして防御するらしいですよ。
甘利さんも起訴しないらしいし(なんじゃこれ)
この国がどんどん嫌になってゆきます。
ヒトミさん
コメントありがとうございます。
消費税増税の時期が延期になりましたが、現在の日本の経済状況や熊本大震災などのことを考慮すれば当然のことと思います。 しかし、延期になったとはいえ増税の方針は変わりません。
参院選挙前ということもあり、いろいろな政治の思惑が見え隠れします。 増税しなくても対応できる道が一番いいと思うのですが、そういう方向にいかないのが残念でなりません。
言論統制も感じてます。
熊本地震でダライ・ラマ師が来日なさって励まして頂けた。
地上波で放送した局ありました???
自由に言いたい事がいえるのが民主主義なのに・・・。