報道ステーション特集「憲法改正」
まもなく終了という意識があるからか、最近の「報道ステーション」古舘伊知郎さんの気迫がすごい。福島原発事故と甲状腺がんの関係を追った特集や、ワイマール憲法と自民党改憲草案を取り上げた最近の特集など、ある種の覚悟が伝わってくる。 こんな番組ができるのは貴重なことだ。 3月いっぱいで降板という予定を考え直してもらえないかと思うのだが、古舘さん無理でしょうか。 東京新聞 3/20日付朝刊
う~ん、そうなんだよな~と思うばかりで、降板を考え直してもらいたいくらいです。
3月18日の報ステでワイマール憲法と自民党改憲草案を取り上げた特集がありました。 ご承知のように、政府自民党は以前より憲法改正に着手することを訴えてきています。 安部首相は「今年の参院選で改憲を考えている人たちと、3分の2を目指したい」と発言しています。 憲法の尊重擁護を義務付けられた首相が先頭に立って改憲をあおるというのは、どうなんでしょうか? どんな狙いがあるのでしょうか? 考えてみたいと思います。
自民党の改憲案は自衛隊を「国防軍」にすることや集団的自衛権を含む自衛隊の発動を「妨げない」と明記しています。 又、「緊急事態条項」も有事や大災害を理由に首相の権限を強化し、国会抜きで法律と同等の法令を制定し、国民の権利を制限する内容のものです。
「緊急事態条項」の恐ろしさ
今回の報ステの特集では、自民党改憲草案の中で「緊急事態条項」が大きなポイントという指摘があり、この条項にスポットを当ててワイマール憲法との比較解説がありました。 私は、なぜ改憲しなければならないのかという意味で以前からこの問題に関心がありましたが、メディアなどの報道記事やある程度の知識だけでした。 今回の特集は、一般の報道より更に一歩突っ込んだ内容で私たち庶民においてもわかりやすく、危険な改憲であることを問題提起していましたのでご紹介したいと思います。
ドイツのワイマール憲法 自由権に絶対的な価値を見出していた近代憲法から、特に雇用面での社会保障を志向する現代憲法への転換がこのワイマール憲法によってなされ、その後に制定された諸外国の模範となった。当時は世界で最も民主的な憲法とざれ、第1条では国民主権を規定している ウィキペディアより
ドイツ・ワイマール憲法の”教訓” ~ なぜ独裁が生まれたのか? ドイツからの古舘伊知郎氏のレポート
独裁は「決断できる政治」。戦争の準備は「平和と安全の確保」を大義名分に国民をあおり、戦争への道を突き進んでいく。
独裁者ヒトラーの側近であるヘルマン・ヘーゲンは、後にその手法を語っていた。
国民は指導者たちの意のままになる。それは簡単なことで、自分たちが外国から攻撃されていると説明するだけでいい。 平和主義者に対しては愛国心がなく、国家を危険にさらす人々だと批判すればいいだけのことだ。 この方法はどこの国でも同じように通用する。
ドイツの憲法は世界一民主的なワイマール憲法で独裁なんか許されるはずはない。 ではなぜ、ヒトラーはどのようにして独裁を手に入れたのか?
それは、ワイマール憲法第48条「国家緊急権」を悪用した。これがポイント!
この「国家緊急権」を発動して集会、言論の自由を制限、あらゆる基本的人権を停止し、野党は自由な政治活動ができなくなりました。
父が野党議員だったローラさんの談話(父は逮捕され二度と戻ってこなかった) 「当時は(メディアも含め)思っていることを口に出すことは許されなかった」 「ナチ政権について思っていることなど誰も口にできなかった」
父が野党党首であったヴェラさんの談話(父はナチに処刑された) 「民主的に選ばれた政権であっても、憲法の条文によって独裁者に変わる可能性があるんです」
ナチ政権の誕生によって民主的な考えを持つ多くの人々(一般市民、野党議員、学者など)が逮捕、監禁され収容所に送られました。
ドイツ連邦憲法裁判所の元判事の談話 「国家緊急権を後押ししたのは保守陣営と財界で、自分たちの財産保持のためでした」 「ヒトラーは国家緊急権で自由を廃止し、野党の息の根を止めました」
「民主主義と議会の終焉につながったのです」 「この憲法でまさか独裁者が誕生するなど思いもしなかった。でも実際に独裁者は誕生した。それは想像を超える世界でした」
そしてヒトラーは最後の仕上げにかかりました。 議会の3分の2の議席をおさえて成立させたのが「全権委任法」です。 これは、国会の審議を経ず政府が憲法改正まで含めてすべて法律を制定できるものです。 世界で一番民主的な憲法の下で合法的に独裁が確立しました。
そこで、今回の自民党の改憲草案について考えてみたいと思います。
自民党の「日本国憲法改正草案」の中に「緊急事態」条項が書き込まれています。 今年の参議院選挙で3分の2の議席を確保したら、憲法改正がより現実味をおびてきます。 そして、国会において合法的に憲法改正が行われたらどうなるのでしょうか?
以上、途中ですが古舘氏の報道レポートです。 この後、次のブログで「自民党憲法改正草案」の危険性について古舘氏の報道をアップしていきたいと思います。
その前に一言 ワイマール憲法の中にある「国家緊急権」のような条項は、今回の自民党改憲草案の中にある「緊急事態」条項と同じような条項が他国の憲法にもあるそうです。 国家が緊急事態に陥っているのだから、当然そうした条項も必要であろうということは私たちでも察知できます。 ここで問題なのは、他国の憲法においては発動するにあたり制限があること、又、いくつか複数のチェック機能が法律として存在することなどから、一人の人間に権限が集中しないものになっているそうです。 しかし、今回の自民党改憲草案はそうしたチェックがないところに大きな問題があると、古舘氏は指摘していました。
詳しいレポートは次回に続きます。
「TVニュース番組」 つづく
先日GYAOで戦場のピアニストを見たのですがすーさんはご覧になりましたか?
戦争映画は好きではないのですがショパンのピアノに惹かれてなんとなく見たのです。
素晴らしい映画でしたが内容は大変重く精神を削られました。
ある日突然全ての権利を奪われる恐ろしさ、一切れのパンの切実さ、収容所から逃げ延びたポランスキー監督だからそこの映画でした。
日本は大丈夫なのか、今の政府が誘導している日本の未来は?
でも結局選挙で選んでいるのは我々国民なんですよね。
どうすればいいのだろう・・・
桂川さん
コメントありがとうございます。
映画戦場のピアニストは観ていませんが、機会があったらぜひ観たいと思っています。
確かに選挙で政権を取りましたが、公約していたことと実際行っている政策が矛盾だらけですね。
具体的にそうした矛盾点をつく報道が少ない中、報ステの古館氏の降板は残念でなりません。
選挙で議席を確保したといっても、現在の選挙制度にも問題があると思います。
今の小選挙区制度では圧倒的に死票が多いと思います。これでは、本当に有権者の声が国会に届いているか大きな疑問です。
こうした選挙制度の見直しも必要ではないかと思っています。