黄金に輝く草紅葉
頸城三山の最高峰 ~ 火打山へ
戸隠の高妻山を後にして、今度は妙高連山の火打山と妙高山を目指しました。 高妻山下山後、麓の信濃町にある「道の駅しなの」で車中泊。この道の駅からは、目の前に妙高山が大きくその山容を誇っています。 火打山に登るなら、「日本百名山」の妙高山まで縦走しない手はない。笹ヶ峰の登山口から入山して火打山を登頂。途中、湿原の中に建つ高谷池ヒュッテに一泊後、翌日妙高山を目指し笹ヶ峰まで戻ってくるコースを選択しました。 このコースは、日本百名山登頂を目指す登山者にとっては、一泊二日で二山を登頂できる一般的なルートです。
高妻山から望む頸城三山(くびき) 左:焼山 中央:火打山 右:妙高山
北にあたって三つ並んだ山が見えた。頸城三山と呼ばれるもので、まん中が火打山、右が妙高山、左が焼山である。妙高と焼はまとまった形をしているのに、間の火打は長い稜線を引いた不整三角形である。人はとかく整った形には注目するが、そうでないものには迂闊である。妙高や焼は人目を惚(ひ)き易いのに、火打は案外見逃されている。 しかし、よく見ると火打は立派である。その悠揚とした姿にすっかり惚れてしまった眼を隣に移すと、妙高や焼のキチンとしたまとまりがかえって見劣りする。 深田久弥著「日本百名山 火打山」より
富士見平から稜線に出るといっきに視界が広がり、火打山が姿をあらわす。
10月1日AM6:00、高谷池から望む早朝の火打山。
湿原に広がる紅葉
森林限界を超えた先は一面の湿原だった
笹ヶ峰駐車場(登山者専用無料駐車場) 火打山と妙高山への登山口
樹林帯の中に作られた木道の登山道 沢を渡り、この後1時間40分の急登
稜線から望む後立山連峰(正面:白馬岳) 標高が上がるにつれ紅葉が鮮やかに!
今夜泊まる高谷池ヒュッテ。小屋の前には高谷池(湿原)が広がり、その向こうには火打山が望めます。湿原と熊笹の中に建つ高谷池ヒュッテです。
高度を上げて天狗の庭を見下ろす。 振り返ると妙高山が見えてきました。
はるかかなたに富士山が見えました! 手前妙高外輪山と中央妙高山2454m
頸城三山の焼山2400mと中央は雨飾山(日本百名山)→雨飾山の拡大
高谷池ヒュッテに下山14:00。これから高谷池周辺の散策と昼寝で~す。 ヒュッテの詳細については、後日「山と山小屋」シリーズで紹介します。
翌10月1日は、妙高山に登りました。(次回ブログアップします) 妙高連山の主峰は、冠のとおり妙高山です。頸城三山の内、なんと二山が日本百名山に選ばれています。深田氏が「日本百名山」の著書の中で述べているように(前述) 「しかしよく見ると火打は立派な山である。その悠揚とした姿にすっかり惚れてしまった」とあります。高妻山から見た火打は、たしかに左右の両山に比べれば見劣りするようにみえましたが、実際に登ってみると名峰妙高山より格段にその良さがわかりました。 なんといっても、妙高山に比べ森林限界が低いため山全体のスッキリとした形がはっきり見えること。周辺に広大な湿原があり景色が素晴らしいこと。湿原から頂上までの登山道が、熊笹やハイマツに覆われているため登りながら360°の展望があることなど、こうした要素が百名山に選ばれた理由なのかもしれない。
だいたい頸城三山は2400m以上の山が三つ頭を並べている点で、侮りがたい存在である。・・・私は北方にガッチリと三山が党を組んで、一勢力を誇示しているような印象を受ける。そしてその中の棟梁はもちろん火打山である。 「日本百名山 火打山」より
三山の内、火打山を一番に挙げていることがわかった山旅でした。