キャンピングカー(くるま旅)をとおして~
自分スタイルの生き方
ここ1ケ月ほど富士山、北アルプス、南アルプスで夏山の登山を楽しんできました。 こうした山旅で出会った方々の年齢層は、圧倒的に60歳以上の登山者が多いことに気づきます。「石を投げればシニア族に当たる!」(失礼)と言っても過言ではありません。
くるま旅においても同じような状況です。道の駅、高速SAなどで車中泊されている方を見れば一目瞭然です。ちょっと極端な見方でいえば、おそらく9割以上がシニアの方々です。 登山にしろ、くるま旅にしろ、定年退職後(又は継続雇用後完全リタイア)、第二の人生を自分スタイルで楽しんで生きていこうという方々ばかりです。 私の趣味が登山、くるま旅ですから、当然そうした方々の姿や行動が目につきますが、他の分野の趣味活動においても多分同じような状況ではないかと思います。
先日、ニュース番組のNスタでリタイア後の「キャンピングカーライフ」についての放映がありました。番組の内容は、自ら車(バス)をキャンピングカー仕様に改造して、年間240日も車中泊生活しながらくるま旅を楽しむご夫婦の第二の人生の物語でした。 車(バス)の改造?、240日の旅?な~んて聞いたりするとビックリしますが、インパクトのある番組として放映するには、こうしたちょっと極端な例を紹介するのでしょう。 しかし、車の改造規模や旅の期間は大なり小なりあるにしても、少なからず多くのシニアの方々がくるま旅を楽しんでいる実情は、今までの経験や実態を見てきてはっきり言えることです。
TVニュースNスタ番組で紹介された千葉県に住む山本さん(66歳) バスを改造して、6月末から北海道へのくるま旅をスタート。滞在期間はなんと3ケ月。
旭川の「21世紀の森」に滞在するキャンピングカー仲間の和田さん(72歳)
1ケ月の生活費は? 夫婦二人で7万円(ガソリン代込み)ずいぶん安いですね! 費用については、人それぞれいろいろあると思いますが、車中泊すればたしかに安く抑えられることは事実です。
くるま旅をとおして、年金の範囲内で人生を楽しもうという考えと実行は、これも自分スタイルなんだと思います。
80歳くらいまで北海道に来て楽しみたいという山本さん。夢や希望があれば、少しでも長生きできる秘訣かもしれません。
今回の番組では、車にかかった初期投資(車本体、改造費用など)や維持費については、紹介されていませんでした。経費の数値は、月の生活費が7万円ということだけでした。 通常の旅行と比べ全体費用としてどっちが安いか高いか?などと比べるものではないと思います。要はその人個人の価値観ですから損得勘定以外のものだと思います。 私は、それでいいと思います。残された人生をどう生きていくか、やってみたいことや好きなことに投資すればいいんじゃないかと思います。
登山専門雑誌「山と渓谷」の8月号に「日本百名山、全部登ってハウマッチ?」というタイトルで記事が掲載されていました。多くの中高年登山者の中には、日本百名山登頂を目標にしている方は大勢います(私もその一人です)。先日も北岳に登った時、頂上で70歳前後のご婦人パーティーの方々と一緒になりました。その内の一人の方が、70歳前で登頂達成したとおっしゃっていました。 登山といえども、交通費や宿泊費、食料など一般の旅行と同じように費用がかかります。 雑誌ではズバリ「242万円」と出ていました。この金額の算出方法は特に記しませんが、サラリーマンがのべ129日で登ろうと仮定した時の交通費、宿泊費、食料だけの最低金額です。実際には、この金額の倍近い費用がかかるのではないかと思います。
たいへんな労力と時間、お金を使ってどうして登るの?という風に思われるかもしれませんが、これもまたその人個人の生き方であり価値観だと思います。お金や時間にはかえられないロマンみたいなものだと思います。 富士山登頂を目指して3日がかりで海抜0mから登るバカなオヤジもここに一人います。 こうしたことは、登山やくるま旅だけのものではなく、その他、多種多様な趣味や娯楽にも通じるものです。
これからの人生をいかに自分(夫婦)スタイルで他人と比較することなく生きていくか。 この番組をとおして改めて感じました。