川内原発再稼働の経緯から「民意」を考える

内閣支持率32%(女性27%)低下の現状から

国政における「民意」とは?

先日、数人のメール友達(リタイア生活、登山・くるま旅などの友人)から、すーさんは登山やくるま旅以外でも社会性のある題材をテーマにしたブログをよく書きますね、とありました。たしかに、登山やくるま旅とは直接関係ありませんが、完全リタイアしたとはいえ、まだ社会の一員であり、社会とつながりを持って生きていくわけですからやはり関心があります。又、これから生きていく上でも社会保障(年金、医療など)や税制問題(消費税など)にも直接関係してくるわけですから、関心を持たざるを得ません。

話はさかのぼりますが、昨年末に実施された総選挙の結果は、自民党が圧勝して現政権が発足しました。その時の比例代表の得票率は、自民党が33%でした。又、小選挙区の得票率は48%で76%の議席を獲得しました。                         ちょっと極端な例をとってみると、棄権者を含む全有権者の絶対得票率では、比例代表で自民党は17%、小選挙区で24.5%だそうです。                           各政党の支持を最も反映するのは比例代表の得票率ですから、現在の国政は約三分の一の民意で運営されていることになります。更に、参考数値ですが、全有権者の絶対得票率で比例17%を勘案した時、これだけの支持で国が動かされていると思うと、う~んいかがなものかな?と考えたりもします。

得票数の少ない他の政党にも、そこに投じたひとり一人の民意があります。        とはいえ、やはり選挙は議席数の結果の勝敗が基本ですから、自民、公明が一番大きな民意を受け、議会制民主主義においてその代表者たちが政治をリードするのは当然のことです。ただ、これからの安部政権の方向性を考えていく上で、こういった、言うならば「負けた側の民意」が何を願い、どんな想いをこの国の未来に抱いたかは、日本の政治の責任を担う代表者であれば、しっかりと見つめていくべきだと思います。  サイト引用

川内原発再稼働反対57%、賛成30%(世論調査より) 

ここにも3割という数値が出てきました。過半数以上を占める反対57%の民意はどうしたのでしょうか。

九州電力は11日、川内原発1号機の原子炉を再稼働しました。               多数の反対世論や周辺住民の声はどうなったんでしょうか。事故が起きた時の責任もあいまいなまま、避難計画など山積みした問題を置き去りにしている中での再稼働です。    日本中の原発が停止した「原発稼働ゼロ」の期間は700日になろうとしています。原発がなくても電力が足りていることは、この月日が証明しています。              ひとたび大事故が起きたとしたら、広範囲に放射能被害が拡散し、その影響は長期間にわたることがあの福島原発事故で明らかになっています。

「原子力は安全」「原子力は安い」という政府と電力会社のキャンペーンは原子力エネルギーの危険性を糊塗(こと)する虚構であった。日本人が政府を信用できず疑惑の目で見るのは、軍部の言論統制で真実を知らされず侵略戦争に根こそぎ動員された第2次世界大戦の敗戦時の状況に似ている。無責任な原子力行政がもたらした国と電力会社の環境責任は免れない。原発を始めとする地球環境問題の背景には、私利私欲に走る人間と資本の経済活動が根底ある。 足立辰雄著「原発・環境問題と企業責任」より

1945年8月15日の戦争終結から、今年で70年の節目を迎えます。             今年は集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案(戦争法案)の閣議決定、又沖縄の基地問題(普天間から辺野古への移設)も現在進行しています。沖縄県知事選挙では翁長氏が51.7%の得票率で当選しました。(仲井眞氏37.3%落選) 現政権は、辺野古への移設を強力に推進している中、沖縄県民の過半数を超える民意はどうなっているんでしょうか。                                  川内原発再稼働反対57%の民意、総選挙の比例代表で自民・公明以外の得票率53%などの過半数を超える民意に対して、日本の政治の責任を担う代表者であれば、しっかりと見つめていただきたいと思うばかりです。

足立氏の言う、過去の戦争において強力な実権を握った一部の人間による「国の行方」の恐ろしさも頭をかすめます。又、一部の大企業や富裕層優先(税制問題や株式投資など)の政策においても、私利私欲の資本の経済活動が根底にあるのではないかと疑ってしまいます。そうした疑惑の目は、現実に内閣支持率32%(女性27%)に低下してきたことに物語っていると思います。

現政権に対して何でもかんでも批判や反対意見をするものでは全くありません。        今回の川内原発再稼働に至る現状をみて思うことは、国のいろいろな政策課題に対して「民意」というものをしっかり把握して事にあたっていただきたいと感じるばかりです。

 

2 thoughts on “川内原発再稼働の経緯から「民意」を考える

  1. 何が起きても責任を取る人がいない日本のシステムとても怖いです。
    原発もオリンピック関連も問題が起きても責任者と思える人たちはみな他者のせいだと言って平然としていますね。
    利益、経済が全てに優先する。
    戦後70年の特番を色々みるにつけ今の日本は大丈夫なのか不安でいっぱいです。

    1. 桂川さん

      コメントありがとうございます。
      桂川さんのおっしゃるように、たしかに責任を取る人がいないのが現実です。選挙で勝ったから何をしてもいいということではないと思います。
      国政に携わる政治家は、しっかり国民の声を聞いてもらいたいと思います。

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