イスラエル・パレスチナ問題

国連総会「人道的休戦」決議

日本政府は棄権!?

 

イスラエルとパレスチナ・ガザ地区の人道状況は、きわめて深刻な危機に直面しています。
連日のように新聞・TV・ネットなどで悲惨な状況が報道されています。

イスラエルとパレスチナの紛争は、長い間の宗教、民族、領土問題など歴史的背景が複雑に絡んでいるため一言で言い表せない難しさがあると思います。

今回のガザ危機の直接の原因は、ハマスによる無差別攻撃と人質をとったことからでした。これ事態避難されるべきものです。これに対してイスラエルは「自衛権」をたてに、圧倒的な軍事力を行使した報復を行い、ガザでの集団殺害は決して許されるものではありません。
今、私たちがハッキリ声に出して言えることは、「イスラエルの大規模攻撃を即停止すべきだ」ということではないでしょうか。
子どもたちを含む多くの罪のない人々の命を奪っている現実をみてもこのことは明らかに言えると思います。

10/27、国連総会で「人道的休戦」を求める決議が121カ国の賛成多数で採択されました。
この決議案では反対14カ国、棄権44カ国ありました。この棄権した国の中に日本があったことはあまり報道されていないように思います。

日本政府はなぜ棄権したのか?
この点について、岸田首相は国会で「わが国として十分状況を把握できていないので、確定的な法的な判断はできない」という答弁でした。これには驚きを通り越して呆れてしまいました。

国連総会での「人道的休戦」決議内容を調べてみると、
イスラエルとハマスの名指しの批判は避けるものの、ガザ住民の危機的状況を解決するために人道的休戦を求めています。民間人保護、ハマスに拉致された人質の即時解放、すべての民間人に必要不可欠な物資やサービスが届くよう人道的アクセスを可能にし、促進することなどの重要事項が盛り込まれていました。
多くの罪のない人たちの命が奪われる事態を、とにかくやめさせるための当然の内容ではないでしょうか。

 

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先日、田中優子氏(法政大学名誉教授)の談話が新聞に掲載されていました。

「日本政府は、イスラエルを支援するアメリカに順じる態度で、「棄権」というのは非常にずるい態度です。これまで日本政府は、ロシアのウクライナ侵略は「国際人道法違反」だとして繰り返し「力による現状変更は許されない」と非難してきました。それなら、今回もイスラエルに対して、一貫した態度で批判すべきですが、アメリカと同様、ご都合主義のダブルスタンダード(二重基準)です・・・。
いま、私たちの目の前にある問題は、毎日毎日大勢の市民が、子どもが無差別に殺されている現実です。国際法を守らせるためにも、私たちはそれぞれの国から「即時停戦」ということを言い続ける必要があります」

今回の日本政府の対応に対して的を得たコメントだと思いました。
日本政府はイスラエルの国際法違反の蛮行を批判しようとせず、停戦も休戦も求めようとしないというアメリカの顔色をうかがう態度をとっているのではないでしょうか。

いま、世界中の国々・人々の間でイスラエルの無差別攻撃に対して批判の声が挙がっています。
国連総会の決議は法的拘束力はありませんが、躊躇なくしっかり声を挙げることは大事なことだと思います。

つい最近、イスラエル軍がガザで最大規模のシファ病院に突入し、戦闘を開始したとの報道がありました。
医療機関への武力攻撃は、国際人道法に違反する戦争犯罪です。こうした無法な攻撃を直ちに中止すべきです。

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