かわごえ環境推進員研修会
国内年間4億2千万トンのゴミ!?
各家庭で分別されたゴミ類は、曜日別に地域の集積場所に持っていきます。
これは、ゴミ袋の種類や分別数などの違いはあっても全国ほぼ共通の制度として各自治体で行われています。
今日は生ごみ、明日はビニールゴミ、明後日は月一回の紙類・・・、こうした収集廃棄は日常生活の一部になっています。
5年ほど前、地域の自治会役員の人から環境推進員になってくれないかと頼まれ引き受けました。
年2回のゴミ運動の推進役ということで、その準備やまとめ、会計が主な役割でした。この時、防災訓練も同時に行われました。
それほど広くない地域の自治会といっても、毎回の参加者が300~400人ですから驚きでした。お子さんからお年寄りまでの老若男女皆さんそれなりに関心が高いです。
今ではゴミの分別は当たり前のように意識は高く、特にレジ袋有料化になってからはマイバック持参が高まり、又、スーパーの回収ボックスも整備されてきました。
コンビニでは店頭にペットボトル回収ボックスがあり、ポイントが付与されるしくみにもなっています。
スーパーの回収BOXとコンビニのペットボトル回収BOX
先日、市の環境課主催の環境推進員研修会が開催されたので出席しました。
参加は自由でしたが、環境問題に多少関心があったので参加してみました。会場は300人近い方々が出席されていました。
普段私たちが特に意識することなくゴミ出しをしていましたが、研修会ではその量や廃棄にかかる処理の大きさには驚きました。
日本国内の年間ゴミ排出量は4億2000万トン、その処理費用がなんと2兆1290億円だそうです。
高度成長期の頃から大量生産・大量消費時代に入り、使い捨ての文化が根付いてしまったような感じです。
生活に関わる製品といった物は、例えば、紙類=木材、プラスチック類=石油、鉄鋼=鉱物など、考えてみれば地球資源を活用したものです。資源には限りがあると言われるように、それなりに意識しなければならない問題だと思いました。
又、ゴミとして処理するまでには多くの二酸化炭素(温室効果ガス)を排出することになり、更にその焼却処分を行った残りは埋め立てられたりして土地の汚染問題にも影響してきます。
こうした地球環境を考えゴミの排出を削減する取り組みとして「3つのR」(スリーアール)のお話がありました。
■リデュース:はじめからゴミを出さない、減らす目的の発生抑制~マイバックなど
■リユース:繰り返し使う再利用を目的~シャンプーやボディソープなどのボトルと詰め替え用
■リサイクル:もう一度資源としての再利用を目的(同製品や違う製品の素材として利用)
このような取り組みは普段私たちの生活の中でも実際に行ったり、利用されている場面を見聞きします。
スーパーやドラックストアでは、シャンプーやリンス、ボディソープなどボトル製品が少なく、詰め替え用の品揃えがほとんどです。台所洗剤や衣料洗剤なども同様ですね。
いずれにしても、意識を持ってなるべくゴミを出さないようにしていくことが大事なんでしょう。
日本は特に過剰包装的な文化がまだまだあるように思えます。
例えば、贈り物などを購入した時によくわかります。商品そのものが小袋に入り、それを覆うパッケージ、更に箱に入れて紙包装や紐、そして手提げ袋・・・、いったい何重にしているの?といった具合です。
又、最近増えてきている宅配商品にもいえます。これが要冷蔵の品物だったら驚きの包装形態です。
そこまでしなくてもいいんじゃないの?と思います。
そういう意味では、私たちの意識改革も当然必要になってくるんではないでしょうか。
「そのままでいいですよ」「包装や袋はいりません」といったような会話が当たり前のように出てくればと思います。
そんな私も普段の買い物では意識して辞退しています。自宅に持ち帰ってもそれは結局ゴミになり、その手間を考えるとたいへんなことだと思うからです。
先日も近所のお肉屋さんで量り売りのお肉を購入した時、「自家用ですからビニール袋で結構です」と。
以前ブログアップした「名前のない家事」が増えてしまうからです(笑)
川越市のゴミ焼却場とスポーツセンターが隣接(温水プールと入浴施設)
全国の市町村にはゴミ焼却施設があります。(全国で1056施設)
このゴミ焼却時に発生する熱を利用した温水プールや入浴施設もあります。(全国で738施設)
これも再利用・有効活用というものでしょうか。
日本のリサイクル率は20%だそうです。他国に比べかなり低いと言われています。逆に言えば、まだまだゴミの大半が焼却処分されている実態があり、その分、他国に比べ焼却施設が多いということでしょう。
今後、リユース、リサイクル率が高まることが望まれますが、やっぱりはじめからゴミを出さない(リデュース)しくみにしなければと思いました。
そのためにはどんな取り組みが必要か?、私たちの意識改革も含め知恵と工夫が求められると感じます。
「核のゴミ」は増え続ける!
ゴミといえば、原発の使用済み核燃料から出る高レベルの放射性廃棄物(核のゴミ)も深刻な問題です。
先日(2/10)、政府は原発の新規増設や60年を超える運転を認めるなどを盛り込んだ「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定しました。
12年前の福島第一原発事故後、原発の新増設を「想定していない」としてきた政府の立場は、いったいどうなったんでしょうか?
事故の教訓を忘れ、国民的な議論もなく原発稼働に関わる財界・産業界の要求を丸のみした乱暴な決定に怒りを覚えます。
世界は今や自然エネルギーを活用した方向に進んでいますが、それとは逆行した危険な原発に頼ろうとしています。更に問題なのは核のゴミ処分が極めて難しいとわかっているにもかかわらず、それを増やそうとしていることです。
原発でうまれる核のゴミは、以前「トイレなきマンション」と例えられたように最も難しい課題だと言われています。それは、放射性物質という危険なゴミであり、最終処分地の問題や莫大な費用もかかるということです。その費用も私たち国民の大事な税金が使われるのですからやり切れません。
又、福島第一原発の処理水の海洋放出についても同じようなことがいえます。汚染された処理水もゴミといえばゴミです。この放出時期を政府は「春から夏ごろ」と報道されていました。
一般ゴミの埋め立ては土地の汚染問題につながることから、それだけでもその処理は慎重に行われます。一方で必要でない原発稼働を推進して危険な核のゴミを増やし、更に海洋汚染まで広げようとしています。
人類が高度に発達してくると同時に地球環境問題も比例して大きくなってきています。
こうしたゴミ問題は、私たちの身近なところからできる範囲で意識を持った行動が求められると思いました。