山陰くるま旅 (1)

伯耆大山登頂

日本百名山達成!

 

今年5月の南九州山旅で宮之浦岳(屋久島)、開聞岳、霧島山の3座登頂を果たし、日本百名山残り「大山(だいせん)」1座となっていました。
今年中には達成したいと思い、秋にそのプランを立てていました。
今回の旅は、いつものとおりカミサンと二人で登山とその地方の観光・グルメを合わせたくるま旅スタイルです。

今まで全国各地をくるま旅で訪れてきていましたが、山陰地方は初めてです。
最後の1座に「大山」を決めていたことから、鳥取・若狭方面のくるま旅はその時にしようと思っていました。

埼玉川越の自宅から鳥取までの距離は約700km。東北でいえば青森までの距離に匹敵する長い行程でした。高速道路を使って行くだけでほぼ丸一日を要する距離ですから遠い所まで来たな~という実感でした。

 

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鳥取市から山陰道を西に向けて走ると前方に大きな山塊が見えてきました。初めて見る大山です。

 

伝説的に言えば、大山はわが国で最も古い山の一つである。
いにしえから大山は高くそびえ、人々がそれを仰ぎ尊んできたことに間違いはない。海へ出た時の目標にもなったであろうし、遠く旅する人の指標にもなっただろう。
中国地方には目立った山が少ない。その中でひとり大山が図抜けて高く、秀麗な容(かたち)を持っている。
大山をダイセンと読むのは、氷ノ山(ひょうのせん)、扇ノ山(おうぎのせん)のように、山陰ではたいてい山をセンと呼んでいて、峠をタワと呼ぶのが多いのと同様、この地方独特の呼称である。
深田久弥著「日本百名山 大山」

神奈川県の丹沢には同じ字で「大山(おおやま)」があります。こちらも江戸期の頃から山岳信仰の山として崇拝されていました。今でも人気の山として多くのハイカーが訪れています。
特に関東地方の登山者が文字で「大山」と見れば、迷うことなく「おおやま」と読みます。
そんなことから、間違いないように「伯耆大山」とか「鳥取大山」と書く登山者もいます。
それにしても、山をセンと呼ぶのは関東人にしては不思議な感じがします。その地方独特の呼び方なんですね。

 

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午前5時30分、日の出前の暗い中ヘッドライトをつけて登山口近くの駐車場を出発。
この日は日曜日ということもあって、登山口に着いた4時過ぎ頃には駐車場はすでに満車状態でした。
中国地方の名峰として人気の山だと思いました。

大山登山道は2つのコースがありました。
一つは今回登りのコースで利用した「夏山登山道」(画像)です。こちらは尾根づたいに登るコースで延々と階段状の登山道。なんと9合目付近まで続いていました。今まで登った山では珍しく初めてでした。
至る所に土留めが施されていました。これも登山道や木々の崩壊を防ぐためなんでしょう。

もう一つは、大山寺を通って沢づたいに歩き、「元谷」から尾根に向けて急登を登る「行者コース」です。こちらは下山に使いました。

 

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五合目付近まで登ると木々の間から展望が利くようになり日本海が見えました。東方に目を向ければ、ようやく大山の山容が浮かび上がってきました。

 

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七合目あたりが森林限界で一気に視界が広がりました。日本海の海岸線や島根半島、米子、皆生温泉の弓ヶ浜、境港まで遠望できました。
眼下には大きな影?、なんと ”影大山” がクッキリ!
多分この時間帯しか見られないでしょう。ラッキーでした。

 

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九合目からは頂上の弥山まで木道が続いていました。360度視界の中、空中散歩の雰囲気です!

 

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10月2日午前8時 伯耆大山登頂。日本百名山達成しました!

カミサンが事前に達成記念の幕を作って持たせてくれました。
頂上にいた登山者に写真をお願いしたところ、この幕を見て驚いた様子でした。周囲にいた十数人の登山者が集まり、皆さんから拍手で祝福されました。
頂上では登山者の皆さんと山の話で盛り上がり、中には福島から来られた登山者がいてこの大山で90座目という方もいました。百名山を目指している登山者は多いですね。
登山という共通した趣味ということから、一期一会でもすぐに打ち解けられます。

地元登山者の一人から、「百座目に大山を選んだ理由は特に何かあるんですか?」と訊かれました。
私は、「中国地方の最高峰で昔から名山として知られている山でしたから百座目に決めていました」と応えました。

 

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現在、大山は弥山が頂上として記されています。
この弥山から東方に続く主稜線の先に最高峰の剣ケ峰が見えました。この稜線は崩壊が激しく危険なため立ち入り禁止になっています。

 

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頂上から望む米子、島根半島方面

 

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下山する途中、多くの登山者が登ってきていました。6合目の避難小屋で休憩する登山者。
中国地方の最高峰といわれる山ということもあり、その人気がうかがえます。

 

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五合目の分岐から行者コースへ。
登ってきた尾根道とは様相が一変。ブナ林の中、沢に下る急坂が続きました。

 

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「元谷」の広い河原から望む大山北壁。

 

大山が私を感歎させたのは、その頂上のみごとな崩壊ぶりであった。東西に長い頂稜は、剃刀の刃のように鋭くなって南面・北面へなだれ落ちている。まるで両面から大山を切り崩しにかかっているふうに見える。
深田久弥著「日本百名山 大山」

確かに真近でみる北面全体はかなり崩壊が進んでいました。今から半世紀以上前、深田氏がこの大山に登った時と同じ光景なんでしょう。当時と比べ更に崩壊が進んでいるかもしれません。

 

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下山後、「大山寺」に立ち寄りました。
大山登頂と無事に日本百名山を登ることができたことへの御礼参りをしました。

 

15年ほどかけて日本百名山を制覇することができました。
今回の登山は、好天に恵まれ山陰地方の絶景を望むことができました。又、多くの登山者に祝福され百座目にふさわしい素晴らしい登山を味わうことができました。
百名山は一つの通過点だと思っています。身体が続く限りこれからも山旅を続けていきたいと思っています。

近いうちに「日本百名山を振り返って」というタイトルでブログアップしようと考えています。百名山から学んだことや思い出をつづってみようと思います。

 

「山陰くるま旅」 つづく

6 thoughts on “山陰くるま旅 (1)

  1. おめでとうございます。
    天気が良くて良かったですね。作っていただいた幕も素晴らしくいいですね。
    少しは一緒に登れた気分になれたのではないですか。
    なかなか登り切ることは難しいですよね。たかが百名山、されど百名山といっ
    た感じでしょうか。
    次の登山が楽しみですね。
    どんな山にどのように登られるかこちらも楽しみにしています。

    1. 槌が崎さん

      ありがとうございます。
      槌が崎さんにはいつも高山植物の名前を教えていただきありがとうございました。そうしたコメントで更に高山植物への興味、関心が深まりました。

      最後の百座目が申し分のない好天気に恵まれ本当に良かったです。そして、いつも同行し支えてくれたカミサンには感謝の気持ちでいっぱいです。

      これからの登山は、季節を変え、ルートを変えて好きな山に登ってみたいと思っています。日本は四季があるのでまた違った景色が楽しめると思います。

      コメントありがとうございました。

  2. 100名山達成、おめでとうございます。
    お天気も良く、遠くの海も見えて最高に気分もよかったことと思います。

    >周囲にいた十数人の登山者が集まり、皆さんから拍手で祝福されました。

    パートナーさんの心のこもった記念の幕、読んでいて感動しました。

    どうぞこれこれからもお二人とも、お体に気を付けて大いに人生を謳歌して
    ください~!!!

    1. Roseさん

      百座目が天気に恵まれ本当に良かったです。日本海がきれいでした。

      下山する時、登山者の一人から「これからも山を登られるんですか?」と訊かれました。
      私は「もちろんこれからも好きな山、登ってみたい山に登り続けます」と応えました。
      その登山者はニッコリ笑って手を振っていたのが今でも忘れられません。
      同じ登山という趣味を持った者同士、それほど会話をしなくても何か通じるものがあるような気がします。

      コメントありがとうございました。

  3. 百名山達成おめでとうございます。

    いつも山の景色を楽しませていただいています。これからも元気に登山を続けて、気持ちの良い写
    真を見せてくださいね。

    1. ナナさん

      はじめまして

      今まで、登山の時はキャノンのデジカメで撮影していました。最近はスマホです。やはり軽量で手軽さがあり、画質も変わらないからです。
      何枚も写真を撮りますが、その内満足のいく写真は数枚程度なんです。素人写真ですが、「景色を楽しませていただいています」というコメントをいただけると嬉しいです。

      これからも登山を続け、できるだけ多くの景色や草花の写真を撮ってブログアップしていきたいと思っています。
      コメントありがとうございました。

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