家計簿から見えるもの

家計ノート10冊目

緩く日課のように継続すれば

 

昨年末に実施された寺島実郎氏の講演会で日本経済の現状についてお話がありました。
この中で ”動かぬ実体経済” の状況として、勤労者世帯の所得と家計消費支出を例にして分析されていました。
私たち庶民の所得と消費は、20年以上経ってもまったく伸びていない実態。消費に至っては減少傾向にあることが指摘されていました。

所得が伸びなければ当然消費は落ち込むという経済理論は基本中の基本です。
新首相になっても「新しい資本主義」?、経済成長だけを優先する「成長戦略」では、今までの安倍・菅政権と同じ考え・やり方です。
結果、新自由主義を踏襲するもので格差と貧困は更に拡大していくことは目に見えています。

 

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勤労者世帯の所得と家計消費支出の過年度推移

家計の消費支出は、2019年29.3万円/月、2020年27.8万円/月。(2人以上の世帯)
※直接税や社会保険料などの消費を目的としない非消費支出を除く金額

 

退職後、家計簿をつけてきました。
まだ現役だった頃は共働きだったことから、お互いそれぞれの収支の中でやってきました。細かな費目など気にもせず大雑把などんぶり勘定でした。

そんな家計収支は、ノートを付けてきたことでその全体像が目に見えるようになりました。
そしてこのノートは今年10冊目になります。

ノートに記載した月ごとの費目別合計金額だけをエクセルに入力することで、月・年間の推移がわかるようになりました。

 

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毎年総務省から発表される家計消費支出(平均)と比べてみました。
各費目ごと若干の金額差はあるものの、大よその部分ではそれほど大きな違いはありませんでした。

 

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特に同世代の「無職夫婦世帯の標準生活費」と比較するとよくわかります。

全体の勤労者世帯平均金額と比較すると若干少なくなっています。
これは働く世代とリタイア後の生活の違いがその支出に表れているのでしょう。

これらの数値はあくまでも平均金額ですから、それぞれのご家庭によって異なる部分も多々あるでしょう。
我が家の場合は、趣味としてのくるま旅を重視してきたことから、特に車に関わる支出(維持メンテナンス費用)が多く発生します。

今まで9年間の家計簿でわかったことは、何らかの事情(特別支出など)を除けば生活費はほぼ一定であることです。
それもそうですね。年金だけの収入であれば当然余計な支出を避ける生活に自ずとなってくるものですから。

 

消費税への意識

 

日々の買物はすべて税込み(消費税)で清算されます。
特に頻度の高い食料品は現行8%ですが、買い物慣れしてしまうと合計金額だけを目にしたレジ金額を当たり前として財布を開けます。

勤労者二人以上世帯の食品支出は年間80万円前後です。この支出にかかる消費税は年間6.4万円。
食品以外の支出は月額約18万円ですから年216万円。消費税は10%で年21.6万円。食品と併せた合計28万円の消費税を納めている計算になります。

こうしてみると、日々の買物にかかる消費税は少額のようにみえますが、実際に私たちが納めている消費税は実は大きな額だということがよくわかります。

 

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国の税収入は、大きく分けて所得税、法人税、消費税があります。

■1990年度の一般会計税収60.1兆円の内訳(構成比):所得税43.3%、法人税30.6%、消費税7.7%
■2022年度の当初予算税収65.2兆円の内訳(構成比):所得税31.3%、法人税20.4%、消費税33.1%

この数字を見ても明らかなように、消費税は1990年7.7%(4.6兆円)→2022年33.1%(21.6兆円)に膨れ上がっています。

 

家計簿では、消費税を除く支出金額は記入しません。あくまでもレシートに記載された合計金額を書くだけです。細かな消費税金額だけを分けて書くのはめんどくさいからです。
各費目の支出がどのくらいかかったかがわかればいいと思っていますが、こうして消費税分を逆算してみるといかにその金額が多いことに気づきますね。

 

家計簿のつけ方は個人によって様々だと思います。
細かく分類して記入したり、大きな費目で管理したり、又、日記のように習慣にしている人もいるでしょう。最近ではスマホ家計簿もあります。
自分が飽きずに継続してできるやり方であればいいんじゃないと思います。
せっかくつけているのだから何か利用できることはないかな?と思ったりもしますが、そんなことを考えていたら逆に長続きしないものだと。

私の場合は緩く長い目でみてその傾向がわかれば面白いのかなと思っています。同時に収支バランスが把握できるようになることで将来の予測がある程度立てられるものではないかと考えています。

今年も引き続き日課にしています。

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