コロナ・五輪と都議選

五輪延期・中止の声が7割

ワクチン接種が進まない中での都議選

 

ブログ読者の皆さんの地域では、ワクチン接種の進み具合はいかがでしょうか。
5月頃から全国各市町村で始まったワクチン接種は高齢者から始まり、今後は64歳以下の世代に移っていくようですが・・・。

私の住む町川越市では以前ブログにも記しましたが、一部の自治会では地元病院と連携して回覧板で予約できる取り組みがありました。
但し、これは一部の地域だけであって、ほとんどの人は予定された予約開始日に電話やパソコン・スマホを通して予約するやり方のため大混乱しました。

川越市の場合、5月上旬の第一回目は医療従事者の接種が完了していないことにより3週間分で6200枠。5/21日の二回目(75歳以上)は13200枠、6/11日の三回目(70歳以上)は17800枠と順次拡大してきていますが・・・。

ここで気になるのは75歳以上の希望者は何人いるの?
調べたところ75歳以上の希望者は52000人だそうです!! ということは二回目までの接種枠は19400だけで、更に70歳以上の予約を加えても37200しかないです。
更に6/18日の四回目は65歳以上の予約が開始されたことから、後期高齢者で接種できない人がどんどん取り残されていく状態が続いています。

 

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このような中、先日近所に住む知り合いのYさん宅(80代女性)を訪れた時、第二回目でも電話が通じなく予約できていないという不安を抱えていました。
高齢であることから電話だけでは難しいだろうと思い、そこで本人から接種番号と生年月日を聞いて三回目の予約開始日(6/11)には私が代わりにパソコンから試みました。
予約は9時から始まりましたが、やはりネットでも混雑して繋がりませんでした。
ようやく繋がったのが午後2時過ぎ、希望する近くの病院の枠がまだ数件あったので急いで予約をクリック。
Yさんの第一回目のワクチン接種は先週無事終わりホッとしています。

こうした希望する高齢者の接種が出来ていない現実は、川越市だけでなく全国の自治体において実際に起きていることではないでしょうか。
このようなワクチン接種状況については、希望者数と限られた供給数のアンバランスから難しい面があると思います。

 

問題はこのような状況下の中で東京五輪を開催することです。

最近の世論調査では、国民の7割が延期または中止を希望しています。更に8割以上の人が感染拡大に不安を感じているという報道もありました。
こうした国民の声を無視してまで開催する理由はいったい何なんでしょうか?

 

今、各都道府県では児童生徒(小・中学生)の「観戦動員」が進行中のようです。
埼玉県の状況を調べたところ、観戦の対象にはサッカーなど夜間開催の競技も含まれていました。公共交通機関を利用して教員が引率する?らしいですが・・・。

こうした計画を知った市民の間に不安が広がり、さいたま市・越谷市・朝霞市などが自治体全体で中止を決断したそうです。
川越市においても、オリ・パラ対策特別委員会で市教育委員会が市立学校に希望、配布されていたチケット5558枚をすべてキャンセルすると報告されました。

中止理由は、
① 感染拡大は終息したとはいえず児童生徒の安全確保を第一に考える。
② 会場の対策等に不確定要素が多く、対応の想定が困難。
③ 公共交通機関の移動で密な状態の回避が困難。
④ マスク着用での長時間観戦に熱中症の危険性。
⑤ 観戦プログラムへの参加に不安な保護者もいる。
※市広報より

このような中止の理由は、誰がみても納得のいくものだと思います。

東京五輪の観客について政府や東京都、大会組織委員会などは5者協議で「収容人数の50%、上限1万人」と決定しました。
このこと事態もまったく「おかしなこと」で、外出自粛や密を避けるというコロナ対策とは相反するものです。言っていることと実際にやろうとしている矛盾が浮き彫りになりました。

更に、おかしなことは、観戦動員される子どもや引率者、大会関係者は上限とは ”別枠” 扱いにしたことです。
学校関係者は「上限1万人の中に子どもたちも含まれると思っていた」と衝撃を受けています。

 

東京五輪で飲酒や酒類販売のことが出てきたこと事態も「おかしなこと」の一つです。
当然のことながら世論の批判を浴びて取りやめになりました。

丸川五輪相はこの件について、「大会の性質上、ステークホルダー(大会スポンサー)の存在がある」「地域の知事との連携をよく配慮し、相談した上で決めていくことが必要だと思う」と述べました。
五輪相という責任ある立場の人が、こんな単純なことも判断できないのか!と怒りを通り越して呆れてしまいました。
何を最も重要視(国民と選手の命)し、開催のための安全・安心に照らし合わせれば、誰にでもわかる判断ではないでしょうか。
コロナ禍の五輪開催国としてあまりにも情けない五輪相だと痛感しました。

 

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東京都議選

6月25日、コロナ禍の五輪開催地の東京都議選が告示されました。
このような状況の中での選挙は注目するものがあります。

東京都は国の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置において、昨年から23区や多摩地区の飲食店に営業時間短縮を要請。その後も対象を都内全域に拡大し、酒類提供禁止や休業などを求めてきました。
その見返りとして協力金の支給を開始すると報道されていましたが・・・。

ところが、今年6月になっても、3月分(8日~31日)の協力金支給率は58%。4月以降については0%という実態だそうです。
原因は、申請の受付開始が遅いことのようです。3月分の協力金の受付開始は、要請期間終了から1ケ月後ということですから驚きです。
売上減少でも店は家賃などの経費を支払い続けなければならない状況にあります。協力金の遅れは、廃業につながりかねません。

こうした東京都の現状に対し埼玉県の場合は、

「埼玉県では要請期間の翌日から申請受付を始め、これまで円滑、迅速に支給してきました」(県HP)

この結果、東京都と埼玉県の協力金支給率(4月分)を比較してみると、東京都0%、埼玉県91%という状況です。
又、受付開始は東京都が要請終了の50日後、埼玉県は翌日ですからこうした結果が出るわけですね。

 

コロナ感染拡大の中での東京五輪開催に当たって様々な問題が噴出してきています。
高齢者を始めとするワクチン接種の遅れによる不安の増大、感染が懸念される子どもたちの「観戦動員」、無責任な飲酒・酒類販売発言、そして、開催地の協力金の遅れなど・・・。

政府や五輪委員会・東京都は、「国民の安全・安心」を口にするものの、言っていることと実際にやろうとしていることが矛盾だらけではないでしょうか。
こうした状況下の都議選は、しっかり ”その中身について議論と判断” をしてもらいたいと思います。

コロナ対策では、小池百合子知事が休業店舗などへの協力金を打ち出したものの、感染抑え込みには至らず、生活不安が長引いている・・・。感染収束に向けてワクチン接種を加速し、医療体制の強化を図るのは当然だが、困窮者への支援、デジタル化促進など幅広い政策論議が不可欠だ。
公約として、経済対策や減税を訴える党がある。自宅療養者への食事などの配達と、きめ細かい内容を掲げる党もある。それらは都民に寄り添う内容か、実現可能性は高いのか、活発な論議を繰り広げてほしい。
6/26日付東京新聞「社説」

日本の首都である都議選の行方は、全国の自治体とそこで暮らす道・府・県民への影響は大きいと思います。
国の行方を左右するといっても過言ではないと思います。

そういう意味では、具体的な政策の中身や都民に寄り添う内容なのか、をしっかり見据えて一票を投じてほしいと願います。

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