恵那山
ドーンと大きい関守のような山!?
恵那山をはじめて目の前で見たのは、昨年白山、荒島岳を登った帰りの木曽路馬籠宿からでした。
中央アルプスの南端に位置するこの恵那山は、独立峰のイメージがあります。
のったりした大らかな山頂部は、高い山というよりもどっしりした大きな山という印象がありました。
標高は2191m、日本百名山の中でも中位(47位)に位置する高さですから、けっして低い山ではありません。
昨年9月馬籠宿を観光した時にはじめて見た恵那山。 ※ブログ木曽路を巡るくるま旅
恵那山一帯からは、日本アルプスの展望が等しく得られる・・・。
それは、各山の恵那山からの距離がおおむね似通っているからだ。逆に、これら取り巻きの山々からの恵那山を固定することはたやすい。まず、周囲にライバルとなるような高い山がないこと・・・。もう別の山脈の感覚である。
大きく捉えれば恵那山は中央アルプス所属というのが定説なのだろう。しかし、その枠には収まらない。
一国一城の風格がある、中央アルプスの末席などではなく、「別格」として位置づけたほうがふさわしい。
樋口一郎著「新釈日本百名山」より
昨日登れなかった御岳を後にして、恵那山に比較的近い道の駅「大桑」で車中泊。
翌朝秋晴れの中、恵那山登山口の広河原に向かいました。
はじめての山に登る時、登ること自体それほど不安はありませんが、一番気を使いストレスを感じるのが登山口までのアクセスと駐車場の状態です。
車一台しか通れない(すれ違いできない)林道を登山口まで向かう時の不安があります。
今回の広河原コースもそうした状況の中、砂利道を走り対向車が来ないことを祈りながらの運転でした。
早朝6時20分、広河原登山口からスタート。所要時間は往復6時間のコースです。
今回カミサンは駐車場でお留守番です。登山口で写真を撮ってもらいました。
登山の服装はいつものように長袖ですが、最初から手袋、スパッツも装着して完全防備のスタイルです。
というのも、今回の広河原コースは笹薮の中を登って行くことを事前情報で確かめていたからです。
しばらく林道を歩いていくと河原に降りる標識がありました。
登山道は、この河原を渡って登っていくようです。
雑木林の急登を登って行きます。熊笹を伐採した登山道が続いていました。
いよいよ本格的な熊笹の藪漕ぎです。
私の背丈以上の笹が生い茂っています。高さは2m以上にもなり、登山道は全く見えない状態でした。
足元が分からないのは不安ですから、笹をかき分けながらゆっくり進んで行きます。
稜線に出ると展望が開けました。
頂上付近までの稜線は、ほぼ笹で埋め尽くされていました。
まだまだ藪漕ぎが続くようです(笑)
振り返ると中央アルプス(手前)と南アルプス(奥)の山並みが!
東方には、長く続く南アルプス山脈が展望できました。
ゆったりとした中央アルプスの山並み。
恵那山頂上、周囲は木立が生い茂り展望はイマイチですね。
頂上の木立の間から中央アルプスの木曽駒ケ岳、空木岳、南駒ケ岳を展望。
下山途中、景色を楽しみながら登ってきた道を下っていきます。
下りの登山道の方が、視界が広がるのでいくらか歩きやすいです。
ちょうど昼12時に河原に戻ってきました。
冷たい川の水で顔を洗い気持ちがいいですね~。
予定通り6時間で下山。
単独峰の場合、ほとんどがピークハントです。
登っている時はその山全体の山容は全く分かりません。
恵那山もそうした山のひとつですから、遠くから眺めるほうが魅力がありますね(笑)
ただ、登り下りしている時の周囲の景色は、中央アルプス、南アルプスの山並みを一望できるので、それはそれで楽しい山歩きができました。
東海道から分かれて中山道へ入り、木曽路にかかろうとする所に、関守のように立っているのが恵那山である。
深田久弥著「日本百名山 恵那山」より
振り返って見てまさにそうした存在の山なんだろうな~と思いました。
下山後、近くの昼神温泉で入浴後、明日登る予定の空木岳に向けて駒ヶ根に車を走らせました。
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