東北ラーメンツアー (後編)

聖地「喜多方」と「佐野」へ

早朝7時からの ”朝ラー” !?

 

東北の名峰「飯豊山」登山へは、福島県側から入山する「川入(かわいり)」登山口があります。
この「川入」へは喜多方市街地から車で約30分ほど山間部に入ったところにあります。

そんな地理的な状況からまずは入山する前に喜多方ラーメンを1杯、そして下山後に1杯食べようと考えていました。

 

20200803_122704   20200803_123032

 

喜多方といえばご存知のとおり全国的に知られた「ラーメン王国」です!
喜多方市の人口37000人に対して約120軒ほどのラーメン店があるそうです。対人口比の店舗数では日本一でしょうね。

そんなラーメンの町喜多方には過去3度訪れたことがあります。
十数年前初めて訪れた時は、郊外の農家?と思われる住居がそのまま食堂になっていました。
車で来ることができないような場所だったため、周辺の空き地がそのまま駐車場になっていました。
このような農村地帯にラーメン愛好家が大挙して来るわけですから異様な光景でした。
住居(食堂)の前庭にテントが張られ、皆さんそこで待っている状況でした。
あっさりとしたスープにコシのある麺の美味しかった思い出は今でも忘れません。

数年後、二度目に訪れた時は喜多方ラーメンの元祖といわれる「源来軒」に行きました。
この時の衝撃は今でも残っています。そして三度目も同じ源来軒でした。
ブログ:「福島、山形のくるま旅(3)」

そして今回は、市街地にあるラーメン店を観て周ってみようと思いました。
市の中心地には、「ラーメン館」があります。
ここでは喜多方ラーメンに関する情報が満載でお土産やグッズも販売されていました。

このラーメン館から歩いて1分のところに人気店の「坂内食堂」がありました。
ちょうどお昼時ということもあってやはり長蛇の列です(画像)

しばらく市内を散策。
路地裏に入り込んでいくと昭和の面影が残る街並みやラーメン店が何軒もあります。
そんな路地を歩いていると、渋~い建物のラーメン店「あべ食堂」に目が留まりました。
よし!この食堂に入ってみようとのれんをくぐりました。

 

20200803_125116   20200803_123632

「あべ食堂」

店内はテーブル席と座敷がありました。昔ながらの歴史あるお店のようで期待できますね~。
後で分かったことですが、50年以上の歴史を持つ老舗だそうです。

テーブルには、缶のS&Bコショー?
関東のラーメン店のほとんどは小さなビン入りコショーなので、こうした缶はあまり見られません。
そういえば、北海道のラーメン店はこれと同じ缶入りでした。
地方に行くとちょっとしたアイテムも意外な発見があります。

 

20200803_124100

中華そば 700円

豚骨と煮干しの出汁が効いたコクのあるスープですね~。表面を脂が覆っていることでかなり熱々でした。この熱さがいいです!
ほんのりと香る煮干しの風味は、煮干し好きの私にとっては嬉しい一杯でした。
麺はコシのあるもっちりした歯ごたえでした。

常連さんやリピーターと思われるお客さんが次から次へと入れ代わり立ち代わりの状況でした。
これほどの味だったらまた来てみたいと思います。
ちなみにこの「あべ食堂」は朝7:30から14:00までの営業のようです。”朝ラー” のお店ですね!

 

喜多方3傑?「まこと食堂」へ

 

以前、TV深夜番組の「セブンルール」(フジテレビ)を視聴しました。
この番組は、”今、最も見たい女性” ”今、最も見てもらいたい女性” の人生を7つのルールで描き出すドキュメントです。

この番組で喜多方ラーメン「まこと食堂」の女性ご主人が紹介されました。
このお店はネットのグルメ評価サイトなどで見ても明らかなように超人気店です。喜多方ラーメン3傑とも言われているようです。

 

20200811_065355   20200811_065819

TV番組で紹介された「まこと食堂」のご主人。出汁は豚骨と煮干しをブレンドした醤油ベースのスープが紹介されていました。
彼女は4代目ということですが、後継ぎ(直系)がいないことから彼女の代で終わるかもしれないと話していました。
以前ブログでも紹介したまさに ”絶メシ” になるかもしれませんね。

 

今回の旅では、ぜひ ”朝ラー” で食べてみたいと思っていたこともあり、早朝から営業するこの「まこと食堂」に行ってみました。

 

20200806_065725   20200806_070420

早朝7時開店とのこと。開店15分前に到着もすでに6人のお客さんが並んでいました!
さすが人気店ですね。

もし仮に、早朝から並んでいる人に、
「こんなに早い時間帯に並ぶんですか? ラーメンオタクですね!」と言ったとしたら、
「そう言うお前も同じじゃね~か!」と言い返されますね(笑)

店舗前に注文用紙がありました。事前にこの用紙に記入して店員さんに渡すシステムのようです。

食堂の入口は2つありました。1つはテーブルやカウンター席があり、もう1つは座敷のようです。
私は座敷の方に案内されました。8畳の間が3室あり各3つの座卓がありました。
地方の食堂は、住宅を改装などして店舗にしている所が多く、こうした和室で食べることが意外と多いです。

コロナ禍での営業ということもあって、密状態を避けるためになんと8畳の和室に私1人しか案内されませんでした。
1人で来られた他のお客さんも8畳に1人で食べていました。
外では暑い中、お客さんが並んで待っていました。早く来てよかったな~。

 

 

20200806_071757

中華そば 700円

旨味のあるサッパリしているスープは、スーと口と胃の中に吸い込まれていく感じです。
食べてもすすっても飽きがこないラーメンというのは、こうしたラーメンのことを言うんだなと思いました。
なるほど!これだったら朝からラーメン(朝ラー)を食しても胃に負担がかからないし、後味もスッキリしています。

 

20200806_071912   20200806_072616

もちろん完食です!
あれ~、もう一杯いけるかな~と思うくらいでした。隣の座敷で食べていた常連客は大盛のようでした。
朝から大盛!? なるほど納得できました。

絶メシのセリフ、「食えなくなっても 知らねえよ~!」ですね。

ああ~、食べていてよかったな~と思う一瞬でした。

 

 

帰りのランチは佐野ICで下車!

 

喜多方での朝ラーを食してから帰りました。
磐越自動車道と東北自動車道を乗り継ぎ、埼玉に向けて高速道路をひたすら南下しました。
埼玉県に入る手前に栃木県の佐野インターチェンジがあります。

佐野と言えばラーメンでしょ!
ラーメン愛好家にとってはやはりここを通過して帰るわけにはいきませんよね(笑)

以前、ラーメンだけを食べにこの佐野市を何度も訪れたことがあります。
そうした中で一軒だけ気になるお店を残していました。
それは、「麺屋ようすけ」です。

 

20200806_112036   20200806_112817

ちょうどお昼時、駐車場はほぼ満車状態でした。
受付票は11番でした。それほど待たなくても大丈夫のようでホッとしました。

 

20200806_112949   20200806_113219

メニューは豊富ですが、注文は普通のラーメンです。

一本チャーシューのお持ち帰り?
まだ食べてはいませんが、東北の旅のお土産にはいいな~と思い、「中」を一本お願いしました。

 

20200806_114242

ラーメン 690円

澄んだスープであっさりしていますが、コク深いスープですね~。
麺は佐野ラーメンの特徴といわれる青竹手打ち麺でコシと粘りがありました。

喜多方や白河ラーメンと同じような味ですが、もう一味パンチの効いたラーメンでした。

 

 

20200806_114558   20200806_115232

もちろん完食です!

 

20200806_115322   20200806_115403

お土産用として、チャーシューと麺(4食入)、メンマも購入しました。

 

東北ラーメンの旅、白河、米沢、喜多方、そして最後に佐野ラーメンを味わうツアーでした。
4泊5日のくるま旅では合計6食ラーメン三昧でした。

 

最近、首都圏を中心にしてラーメンブームが広がっています。
豚骨、鶏ガラ、はたまた牛骨、そしてかつお、コンブ、煮干し、その他様々な魚介系のダシをとっています。

昔から調理では「加減」という言い方あります。
例えば「塩加減」とは、塩の量・調整だけでその味が大きく変わることを指します。多くても少なくてもダメで、ちょうど良い分量の調理で味が引き立つものです。
このことは、”出汁の取り方” もまったく同じではないでしょうか。
出汁の取り過ぎ・少なすぎ、出汁の組み合わせなどでその味に大きく影響してくるものだと思います。

味に自信のない調理は、どうしても ”出汁の取り過ぎ” になる傾向があります。その結果、味が濃くなり過ぎしつこさが残るようになります。
更にインパクトを加えるために背脂を増やしたり、粉末かつお出汁をかけたりします。

今回の東北ラーメンでは、食べて美味しい ”ちょうど良い加減の出汁の取り方とバランス” が徹底されていたように思います。
昔から受け継がれてきた味なんですね。
だから何十年経っても飽きない味、朝から食べてももたれない味、また食べたいと思う味がそこにありました。

全国くるま旅をしてきて、東北に限らず地方のラーメンのレベルは非常に高いと思います。
ラーメンブームとは言っても、奇をてらった一杯では長続きしないでしょう。

一杯のラーメンでも ”微妙な加減” で大きく変わると思います。

たかがラーメン、されどラーメンですね!

 

「東北ラーメンツアー」 おわり

2 thoughts on “東北ラーメンツアー (後編)

  1. すーさん 様

    >坂内食堂
    2年前の桜のシーズンに私も行きました。
    私はチャーシュー麺が大好きで、よく注文します。
    ここのチャーチューは絶品でした。いまでも味がよみがえります。
    もちろん、スープや麺も美味しかったです。

    ここは、道の駅「ふれあいパーク喜多の郷」で車中泊した時に朝ラーとして行きました。
    この道の駅は日帰り温泉があり、よく利用します。
    また小さい博物館もあり、ここで「日中線のしだれ桜並木」を知りそれから何度も訪れています。

    1. 後輩さん

      坂内食堂に行かれたんですか!
      今回は長蛇の列だったんで見送りましたが、次回はぜひ行ってみたいです。
      都内にチェーン店があります。やはり喜多方の本場で食したいです。

      >道の駅ふれあいパーク喜多の郷

      私たち夫婦も以前東北くるま旅の帰り立ち寄り日帰り温泉に入りました。
      この時、車中泊して翌日喜多方ラーメンを食べました。
      やっぱり「朝ラー」でしたか、いいですね!
      桜のシーズンも良さそうですね。
      今度は東北桜前線を追いかける旅をしてみたいです。
      早くコロナ禍が収束してくれればいいですね。

      コメントありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。