年末年始に義父と過ごすひととき
昨年、96歳の義父は住宅型老人施設に入居しました。
入居前までは実家で一人暮らしを続け、週に数回デイサービスを利用してきました。
しかし、高齢ということで身の回りのことができなくなり施設入居しました。
この年齢になれば当然何らかのかたちで介護が必要になってきます。
96歳という年齢まで一人暮らしできたことは、特に大きな持病もなく、身体的に不自由な面があったとしても、短歌、書、絵画などの趣味を続けてきたことが生きる意欲につながっていたと思います。
そして、今でも毎日日記をつけ、意欲的に短歌を詠い書き続けています。
そんな義父を年末年始に我が家に迎え一緒に過ごしました。
寝たきり状態では無理ですが、認知症や医療処置、食事調整などがないことから実現したと思います。
こうした条件によって、いくら高齢であっても今ならできることですから、「できる時にやる、できる事はやる」ということなんですね。
義父を我が家に迎える準備として介護用ベットをリースしました。
ケアマネジャーに相談して専門業者を紹介していただきました。
リース期間中の料金は5500円です。一ヶ月以内であれば運搬、税込みでこの値段ですから意外と安いです。
又、床と敷居との段差を解消する「段差解消スロープ」を近くのホームセンターで購入して取り付けました。
価格は意外と安く簡単に取り付けできました。
これからの自分たちのためにも役立ちそうです(笑)
義父は元旦早々書初めをしました。ほんの数秒でサラリと書いてしまいビックリです。
こうした趣味が長生きの秘訣なんでしょうか、改めて思いました。
私たちの世代とこれからの家族観
昨年12月、義父が長年住んでいた家を処分(取り壊し)することを義父、義弟と相談して決めました。
介護施設に入居している義父は、もうこの家に戻ることはありません。
こうした状況になるご家庭は、核家族が進む中で意外と多いものではないでしょうか。
高齢者と子どもとの同居率は、1980年には7割だったものが2014年には40.6%に減少し、逆に一人暮らしまたは夫婦のみの高齢者世帯は、55.4%と過半数を超えるようになってきました。(「平成28年版高齢社会白書」より)
こうした状況から空き家が増えてきていることもうなずけます。
家の処分を決めた後、誰も住んでいない実家に行って整理してきました。
整理と言っても、家財道具のほとんどは廃棄処分になりました。
カミサンや義弟に「思い出の物がたくさんあるんじゃないの?」と問いかけるも、アルバムや一部記念の品くらいです。
「コレッて何か使えそうだね」とお互い言い合っても、「使えそうな物?」は「やっぱり使わないね」という口調に変わっていきます。
こうして私も数時間立ち合って見てみましたが、自分がその立場になったらやっぱりそうなんですね。
実際母の時もアルバムだけでした。
結局、持ち帰った物は量にしてバック1個分ほどです。これが現実なんです
義弟は、その後も家財道具、衣類、布団類、その他備品類などを市の廃棄物回収に合わせて少しづつ処分しています。
家の取り壊し費用がかかることは当然なことですが、家の中にある家財道具の処分を業者に任せると高額な費用がかかります。
公共の廃棄物処理を利用すれば無料ですから、たいへんな作業ですが今でもコツコツ廃棄処理しています。
断捨離、生前整理という言葉があります。
こうした状況を目の当たりにして、義弟やカミサンと共にこれからの自分たちのことを考えるいい機会でもありました。
今、親の介護に関わっている年代は、多分60世代の方が多いと思います。
その60代の私たちが、介護を受ける身になった時、又、認知症になった時、寝たきりになった時・・・。
今まで住んでいた家や家財道具の処分を誰がするのか?・・・、当然、子どもや親族ということになりますが・・・。
全くの他人(業者など)がその処分をするのであれば、あまりにも悲しく寂しいものがあります。
又、子どもでさえもほとんど廃棄処分するわけですから。
であるなら、子どもの手を煩わせることなく自分の手で整理することが一番いいのではないかと思います。
以前ご紹介した「介護の社会化を考える」という私のブログの中で、山崎正和氏(劇作家)の言葉を思い出しました。
「残る老後生活の社会化のためには、多分老人の主導が必要であって、親がまず子や孫を対等な他者として突き放すことである。
その上で彼らとたまの晩餐など、社交的な交わりを結べばよいのであって、この新しい家族関係が意外に楽しげである」
この文章の話の前後がないので、ちょっと分かりずらいと思います。
山崎氏は前段の中で、在宅介護から介護施設入居をすすめています。
その理由として、在宅介護の労苦のほとんどが「家庭内弱者」にしわ寄せされてしまうことを指摘しています。
例えば、専業主婦(嫁)、未婚の娘、みずから老衰に苦しむ老老介護の配偶者など、周囲の暗黙の了解によって介護せざるを得ない状況に置かれてしまうのが現実なんだということです。
であるなら、介護される本人が自ら介護施設に入居希望することが良いのではないかと。
この本人の意思が、「老人の主導、対等な他者として突き放す」という表現になっていると思います。
戦前に生まれ育った私たちの親にそうした意思を求めることは難しいと思います。
なぜなら、古い因習的な家族観(子どもや嫁が親を最期まで在宅介護することが当たり前)を持った考えを変えることはできないからです。
現在、親の介護に関わっている60世代の意識が変わることが必要ではないか、私たちの世代から変えていくことが可能ではないかと思います。
このことは、断捨離、生前整理も全く同じことだと思います。
今回、お正月に義父を我が家に迎え楽しいひとときを過ごすことができました。
孫夫婦(私たちの娘夫婦)と夕食を共にしたり、親戚を呼んで思い出話をしたりして有意義な時間を楽しみました。
又、義父は昨年施設入居しましたが、すでに施設内では自分の世界を作って充実した日々を過ごしています。
山崎氏が言う、「彼ら(子どもや孫)とたまの晩餐、社交的な交わりを結べばよい」という意味がよくわかるひとときでした。
昨日、義父を施設に送って行く途中、初詣と昼食を共にしてから送りとどけました。
義父は我が家(施設)に帰ってきたように、笑顔で「今帰って来たよ」と施設の担当者や入居者にあいさつしていました。
施設入居しても、時々の食事会、社交的な交わりができる”新しい家族観”を改めて感じるものでした。
こうした考え方、やり方(自ら施設入居希望)は、個人や家族によってさまざまだと思います
「俺は最期まで在宅で子どもに面倒みてもらうよ」という方もいらっしゃると思います。
それはそれで個人の考え方ですから何とも言えるものではありませんが、では、「誰があなたの面倒(介護)をみるんですか」ということを真剣に考えなければならないと思います。
当然そのことは、配偶者や息子(娘)、嫁ということになりますが、そうした面倒(介護)をみる側の気持ちをしっかり考え、コミュニケーションを図っていくことが大切ではないと思います。
又、子どもには子どもの生活があるということも考えていかなければと・・・。
すでに3人の子どもを育ててきて、退職後今でも働き続けている義弟が、自分の老後を考えて「俺たちの世代が変わらなれば・・・」と言った一言が頭をよぎりました。
明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願い申し上げます。
今日の記事はまさしく、とうなずく所が多くありました。
私の父は生前、要介護になったら介護付施設に入る、と自ら宣言して、実際に介護認定を受けた
ときにあらかじめ選んでいた老人ホームに入居しました。
その父も4年前に亡くなり、母も後を追うようにして他界して、今年日本に帰国する前に、こ
の遺品整理と家の処分をしなければならず、今いろいろと頭を悩ませているところです。
私自身にしても、せっかく(?)この時点で日本に帰国するので、この際「生前整理」の一環と
して、今までの「もの」を思い切って整理して新たな日本生活を必要最小限からスタートした
い、と考えています。問題は「思い切った整理」ができるかどうか、ですが(笑)
リンロン88さん
あけましておめでとうございます。
リンロン88さんのお父様は、自ら宣言して施設入居されたんですか。この世代の方としては、いろいろ考えられて決断されたことだと思います。
私は退職後に少し身の回りの物を整理しようと決めて、実際にいろいろと処分しましたが、焼石に水という程度で終わってしまいました(笑)
というのも、家にある物がいかに多いか!ということに気づき、途中で投げ出してしまった次第です(笑)
今回、義父の家の整理では、そのことを改めて痛感しました。
右から左へ何も考えずにゴミ袋の中に放り込むができないのが現実なんですね。
ここに「想いという気持ち」が邪魔してしまうんだと。
私も断捨離、生前整理ということを簡単に言いましたが、コレッて思っているほどたいへんなことだとなんですね。
リンロン88さんがおっしゃる「思い切った整理」ができるかどうか?、そのお気持ちよくわかります。
今年もたくさんのコメントお寄せください。
明けましておめでとうございます。すーさんの義父様とのお正月だったのですね。
良い関係が築かれていることが行間から感じられます。それにしても義父様、すごいの一言です。多趣
味こそ豊かな老後を送れるのではと思います。
>断捨離
これは本当に難しいですね。5年前に我が家を思い切ってリフォームした時にかなり
捨てましたが、私よりも夫の方がを捨てられないようです~(-_-;)10年以上も前のハワイの月刊誌、
大学時代の本などどうするのでしょう???でも鉄則はお互いの持ち物は自分で始末すると決めてあり
ます。服などはさっさと捨てられますが、私も専門書などはまだ現役ですので捨てられないです。
この捨てる作業、やはり体力も必要ですね。私の両親はまだ姉と私が40歳初めに相次いで亡くなりまし
たので、そのころはまだタンスなどは粗大ごみで無料でした。姉は片付けが上手でしたのであっという間
に家の中は空っぽになり、誰も住まなくなった家は業者に頼みました。
長くなりごめんなさい。
>リンロン88さん
初めまして。Roseと申します。2005年から10年間東南アジアの句と日本を行ったり来たり、
シニアボランティアをしていましたが今は引退しました。よろしくお願いします。
すーさんとは他のブログで知り合いました、同じ埼玉県に住んでいるということと、夫がスーさんと
同じ県の出身、猫を長年飼っていたということで親近感を持ち、時々ここにもお邪魔させていただいてい
ます。
リンロン88さんの父上様ご立派ですね。今の80代以上の人はいざとなると終の棲家を施設でという考
えはなかなかできない人が多いようです。
宣言していてくれると家族もあまり悩まずに済むのですが・・・・・介護も若ければ、介護サービスを使いな
がら短期間ならできると思いますが、老老介護はなかなか難しいです。
私的な話ですが、仲良しの一人が昨年亡くなりました。享年69歳。一人娘だったので年老いた母親が
(多分、90代半ばです。)残されました。その友人が一時退院した時に母親を施設にお願いしましたが、
お気の毒な話です。
Roseさん
あけましておめでとうございます。
お正月に義父と過ごしている時、義父に「あの家は建てて何年位経っているの?」と聞いたところ、60年は経っていると言っていました。驚きでした。
その間、改修や増築、リフォームなどしていますが、本体はその時のままです。
当時の建築ですから土壁で頑丈に出来ていると言っていました。
その頃からの家財道具はありませんが、片づけとなるとかなりの量がありました。
義父は、自分の手で処分することができませんでしたが、娘(私の妻)、息子(義弟)がやっているので安心していると思います。
自分自身に置き換えた時、果たしてどこまでできるか?、なかなかうまく進まないと思います。一言で断捨離と口に出しても、難しいものだな~と思いました。
話は変わりますが、Roseさんとリンロン88さんとは、「鎌倉リタイアライフ」の掲示板で知り合いになりました。
時々、こちらの掲示板にも投稿しています。
同じように、私のブログのこのコメント欄を自由にお使いください。
読者同士の交流も大歓迎です。
>Roseさん
すーさん。 お言葉に甘えまして、Roseさんへ返事を書かせてもらいます。
Roseさん。
こちらこそ初めまして。 すーさんが書かれているように、私も「鎌倉リタイアライ
フ」をかれこれ5年ぐらい前から訪れていて、そこのBBSでお見かけし、波長が合
うというか書かれていることに興味を持ったので最近こちらにも時々お邪魔をして
おります(笑)
Roseさんも あちらのBBSに時々書きこみを入れておられましたよね? 何度
か読んだような記憶があります。
東南アジアにいらっしゃったのですね! 私も1991年にアメリカに赴任するまで
は某社で東南アジア向けの商品を担当しておりました。と言っても技術者だったの
で実際に訪れたのは数か国、数回だけですが。 一時ロングステイなどが流行っ
た時はいずれ自分も、とも思っていましたが、時代が変わりましたね。 まあそれよ
りもアメリカに25年も居ることになったので、もう今さら、という感じです。
埼玉県にお住まいなのですね。 実は私も今年日本に帰国した暁には越谷市
(新越谷)に住むことになっております。 今後ともよろしくお願いいたします。
すーさん、ありがとうございます。
リンロン88さん、私を覚えていてくださって嬉しいです。
アメリカから今年帰国なさるのですね。
25年も住まわれていますといろいろなものが溜まりますね。
日本では越谷市に住まわれるのですね。
同じ埼玉県人になりますのでどうぞよろしくお願いします。私は所沢の小手指です。
トトロの森が近くにあって、とても便利なところです。狭山丘陵地帯の春は菜の花が咲いて
とてもきれいです。
南国にあこがれて住んでみて、それはそれでよかったのですが、日本は花の種類が豊富で
それだけで感動しました。
>鎌倉リタイアライフ
この掲示板は確か、5年くらい前(だったと思います)海外ロングスティに警鐘を鳴らすある新聞の
紹介で読み始めました。
我が家も夫が55歳でセミリタイアして、56歳で完全にリタイアしました。
それに合わせて私は東南アジア、マレーシア、ベトナム、中国、フィリピンで活動をしました。
私も海外ロングスティを視野に入れてのものでしたが、体力の限界も感じて海外での活動は引退しまし
た。
この10年間、とても良い経験をいたしました。ローカルの人たちとの交流はとても楽しかったですし、
日本に留学している教え子たちとの再会も嬉しいです。
国家間ではいろいろありますが、草の根の繋がりは大切にしたいと思っています。
地域でボランティア活動をしながら、国内ロングスティを考えていますが、川越の猫のシェルターから
2匹里子を譲り受け、毎日が猫三昧、猫日和の日々です。我が家の大切な「お宝ちゃん」です(笑)。
私は沖縄にも八重山諸島にも行ったことがありませんので、ただいま計画中です。
今は伊豆の温泉巡りに嵌っていて二人でよく出かけています。
何ともまとまらない挨拶になりましたが、こりずにどうぞよろしくお願いします。
>Roseさん
お返事ありがとうございます。 すーさん、こんなところ(?)でのやり取り、申し訳ありま
せん^^
そうですか、伊豆の温泉めぐり・・・。実は私たち夫婦も昨年11月に日本に行ったおり、伊
豆の温泉に行ってまいりましたよ。
⇒ http://ameblo.jp/warekokoima/entry-12219477367.html
これから日本に帰国したら、やはりすーさんではないですが、時々日本国内の温泉を、ご当地
グルメ開拓を兼ねて訪ねて回りたいと思っています。
また、Roseさんは、推察するに日本語教師かその関連をなされていたんでしょうか。実は私の
妻もそういったことには興味があるようです。と言っても何の関連資格もない(一応日本の中学
教員免許だけはあるようですが)ので難しいでしょうけど(笑)
地図を見ましたら、すーさんの住まわれている川越とRoseさんの所沢は近いんですね。私が落
ち着くハズの越谷はちょっと離れていますけど、よろしくお願いいたします。