北アルプス三大急登~早月尾根
北の俊英、いざ「剱岳」登頂へ
全く剱岳は太刀の鋭さとつよさを持っている。その鋼鉄のような岩ぶすまは、激しい、険しいせり上がりをもって、雪をよせつけない。四方の山々が白く装われても、剱だけは黒々した 骨稜を現わしている。その鉄(くろがね)の砦と急峻な雪谷に守られて、永らく登頂不可能の峰とされていた・・・。
日本アルプスの山々が登り尽される最後までこの峰は残った。
深田久弥著「日本百名山」より
8.3Kmの急登~早月尾根へ
「山と高原地図」(昭文社)のルートタイムでは9時間という長い尾根です。
トレイルランを除き一般的な登山では、尾根中腹にある早月小屋に一泊して頂上を目指すのが普通です。 先を急がずゆっくり尾根登りを味わい、景色を楽しみながら登頂を目指す計画です。
早月尾根の登山口(馬場島)
馬場島の大杉
高度を上げてくると視界が広がってきます。 大日岳方面の山並み。
早月小屋に昼12時着。登山口の馬場島から6時間の行程でした。
剱岳の八ツ峰方面 小高い展望台からの早月小屋
剱岳頂上はちょこっと、中央奥に。 ➡ 拡大写真。少し見えました。
小屋前のベランダでコーヒータイム 早月小屋の夕食
一般的な剱岳登山は、立山室堂方面からの登山者が最も多いです。
早月尾根から登られる登山者は少なく、ゆっくり山の時間を楽しむことができました。
一期一会の登山者同士の語らいは、尽きることなく退屈しません。
山小屋の標高は2224m。このため眼下には雲海が広がっています。
夕方6時半頃~日没の7時頃までの夕日。
本格的なカメラと三脚を持って訪れる登山者もいます。
この登山者(30代)は、重量のあるカメラと三脚を持って剱岳に登頂したそうです。
険しい岩稜帯を登り頂上へ
8月6日、富山湾の海岸から歩き始めて3日目、ようやく剱岳の頂きが目の前です。
予報どおり快晴です!薬師岳も見えます(右奥)。眼下には昨日泊まった早月小屋。
見上げるように勾配がきつくなり、目の前には断崖が待ち構えています。
早月尾根登攀の途中ですが、この時北アルプス三大急登のすごさを思い知らされました。
同じように急登と言われる谷川岳の西黒尾根、燕岳の合戦尾根と比較しては、早月尾根に対してたいへん失礼なことだと思いました。
それだけ長く険しい急登が続いているということです。
頂上直下に咲くチングルマの種子(果穂)とミヤマダイコンソウ。
頂上まであと700m地点。
高度感のある岩稜帯をクサリを頼りに進みます。眼下はこんな感じです。
海抜0mから2999mへの登攀達成!
剱岳頂上には多くの登山者がいました。その数ざっと30人以上!
目の前には立山三山と眼下には剱沢
ズームアップ。立山の後方には槍穂高連峰が望めます。
後立山連峰。鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬岳などの名峰がズラリ!
黒部峡谷を眼下に眺めながらのランチタイムです。頂上には1時間滞在しました。
剱御前小舎に向けて下山。かなり厳しい岩稜帯を下っていきます。
前を行く登山者パーティ かにの横ばい
前剱付近から 一服剱にて
剱沢
下山後、剱岳を振り返って。
海抜0mからの剱岳登頂の山旅が終わりました。
達成感と共に次はどの山にチャレンジしようかと考えながら剱岳を後にしました。
“sea to summit Mt.Turugi”
「剱岳」 おわり
すーさん、
早月尾根から剱岳ご苦労様でした。
今年は南アルプスから始まってアルプス
縦断ですね。
この記事を見て剱岳に行った自分のブロ
グを見てみました。
「8年も前か!」が実感
あの時はテントを持ってよく行ったなと
思います。
ピークハントだったので、室堂から剣御
前を通っていきました。
剱岳の山頂からの景色は今でも脳裏によ
みがえってきます。
northsnow20さん
コメントありがとうございます。
テント泊で行かれたんですか~!いいですよね。
剱沢のテン場だと思いますが、今回も多くの登山者たちがテント泊されていました。
あそこのテン場からは、目の前に剱岳の雄姿が見えますから、一日のんびり眺めていても飽きませんよね。
テント泊でしたら、夜の星空はいかがでしたか?テントから顔だけ出して夜空を見上げることができると思いますが、ぜひ一度やってみたいです。
剱岳の山頂からの眺めは素晴らしいですよね。
同じような体験をして共有できることができ嬉しいです。