広大な笹平とお花畑の先に立つ峰
ハクサンシャジン咲く雨飾山
富山湾の海抜0mから剱岳登頂を果たして滑川駅に戻ってきました。 この後、自宅の埼玉に帰るわけですが、糸魚川から長野方面に向かう途中に小谷温泉があります。 ここには、日本百名山のあの「雨飾山」があります。 当初から計画していたことですが、気力・体力があればチャレンジしようと予定していました。 翌日の天気予報では晴れマーク。それだったら登ってみようと決意し小谷に向けハンドルを切りました。
雨飾山という山を知ったのは、いつの頃だったかしら。 信州の大町から糸魚川街道を辿って、佐野坂を超えたあたりで、遥か北のかなたに、特別高くはないが品のいい形をしたピラミッドが見えた。 しかしそれは、街道のすぐ左手に立ち並んだ後立山連峰の威圧的な壮観に眼を奪われる旅行者にはほとんど気付かれぬ、つつましやかな、むしろ可愛らしいと言いたいような山であった。 私はその山に心を引かれた。雨飾山という名前も気に入った。 深田久弥著「日本百名山」より
北陸自動車道の糸魚川ICから148号線に入り小谷村に向かいます。 登山口は、小谷温泉の奥にある雨飾高原キャンプ場の駐車場です。 明日早朝から登山開始のため、今夜はこの駐車場で車中泊することにしました。
小谷村に向け前方に雨飾山が見えました。 148号線から山間部の小谷温泉へ
小谷温泉の雨飾荘。 剱岳登山から3日間お風呂に入っていなかったのでこの雨飾荘で入浴(700円)
登山口のある雨飾高原キャンプ場の駐車場にて今夜は車中泊です。 駐車されている車は、ほとんどが全国からのナンバーでした。
早朝5時、雨飾山へ
ブナの森に入って行きます(ブナ平)
荒管沢(あらすげざわ)から雨飾山の布団菱(ふとんびし)を望む
沢から1時間半の急登を登りつめると稜線に出て視界が広がります。
ついに私は久恋(きゅうれん)の頂に立った・・・。 風化し磨滅した石の祠と数体の小さな石仏のかたわらに、私たちは身を横たえて、ただ静寂な時の過ぎるのに任せた。 古い石仏は越後の方へ向いていた。その行手には、日本海を超えて、能登半島の長い腕が見えた。 深田久弥著「日本百名山」より
雨飾山は、二つの頂がある双耳峰です。その二つの峰の距離は30mほどです。 半世紀以上も前に、深田久弥氏がこの頂に立った時と同じように北峰には石の祠と石仏がありました。 山の景色や頂上の様子などあまり変わらないといっても、50年以上経っても同じ風景なんだなと思いました。
雨飾山(南峰)1963m
眼下に広がる笹平。登って来た登山道がはっきり見えます。
後立山連峰(白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳) 東方には焼岳、火打山が。
南峰から見た北峰。残念ながら日本海や能登半島は見えませんでした。
この日、頂上に立ったのは私が最初でした。 次の登山者が登ってくる30分ほど独り占めのひとときでした。
下山する途中にすれ違った登山者は20人位でした。 平日であっても夏の登山シーズンですから多くの方が全国から来ているようです。
剱岳と雨飾山の6日間の山旅が終わりました。 夏大好き60歳オヤジの夏山登山は、まだまだ続きますよ!
「雨飾山」おわり