母の認知症 (4)

「認知症」専用介護施設~グループホーム

私たちのようなシニアの年代になると親の介護に直面してきます。             一言で「介護」といっても介護者の身体状況は、個人によってさまざまです。      又、介護者を取り巻く環境(家族状況、経済状態など)も多種多様でその対応も多岐にわたっています。                                       こうした状況から今まで家庭内だけの介護から、高齢化が進む中で社会性をおびた問題へと広がってきました。そして、その社会的な対応のひとつとしてさまざまな支援、介護施設が増えてきています。 ブログ老人介護施設

認知症の場合は、「グループホーム」という専用介護施設があります。          認知症の状態にある要介護高齢者に対し、共同生活ができる高齢者介護施設。       主治医から認知症の診断をくだされた要支援2以上の高齢者に限り入所できる施設。     入居する高齢者が小人数単位であることから、家族的な介護を行うことに特徴がある。 認知症の入居者がただ介護されるだけではなく、介護要員と共同生活を送ることにより、認知症の進行を遅らせることを目的としている。 認知症高齢者グループホームより

2016認知症1  2016認知症2     老化によるもの忘れと認知症のちがい    認知症のほとんどを占める、三大認知症

ある掲示板の「愛するあなたへの悪口コンテスト」の中に面白い短歌がありました。    「あれ誰だっけ?ほらあれに出たあの人」一つもヒントがありません。          この歳になると、なるほどそうだよな~、と頷いてしまいます。これは単なるもの忘れで能の生理的な老化だと思います。上の表にあるように「体験したことの一部分を忘れる」(ヒントがあれば思い出す)といったものですね。                    決定的な違いは、「忘れっぽいことを自覚している」ということではないかと思います。  認知症の場合、「忘れたことの自覚がない」ことが大きな特徴だと母親を見てよくわかりました。そして、自分は認知症ではないと言いきっていることが最も危ないと思うようになりました。                                                                     よく会話の中で「私は最近忘れっぽくなったから認知症になってきたのかな?」という発言は、逆に認知症でないことを裏付けていると思います。

母の場合は、一般的に女性に多いアルツハイマー型認知症です。円グラフのように認知症の中で一番多いとされています。特徴は、記憶障害と判断能力の低下だそうです。        例えば、会う約束をしていたとしても、約束自体を忘れてしまい、そんな約束をした覚えがないとなってしまうところが、一般的なもの忘れと違うところです。又、買い物も同じ物をいくつも買ってきたりしてしまいます。その他、掃除をする時に片づけ方がわからなくなる為、部屋が散らかったりします。

5つのグループホームを見学して~

いよいよ母親の認知症が進行してくる中、これからの生活について考えなければいけない状況になってきました。一人暮らしの生活はもう限界にきています。           近い将来への対応として、昨年から数か所のグループホームを訪問して、それなりに検討してきました。しかし、まだ大丈夫だろうという気持ちが先に立ち、そのままにしてきました。                                         そして今回、施設への入居ができるまでは同居しようと考え、今年に入ってから一緒に暮らしています。                                   親族、主治医とも相談していよいよ本格的に施設入居に向けて行動を開始しました。

現在、グループホームは全国で12500以上の事業所があるようです。この数だけみてもいかに認知症高齢者が多いことがわかります。                            今回、ケアマネジャーの紹介で義理の姉とカミサンの三人で市内の5ケ所のグループホームを見学し予約を入れてきました。こうした施設の入所料金は月額15万円前後で、一時金はありません。母の場合、遺族年金と個人の国民年金の範囲内で入居できるため、経済的には特に問題なく、私たち親族にとっても助かります。

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グループホームは一般的な高齢者介護施設と異なり、認知症の診断が入居条件になります。又、全て個室ということもあり他の施設に比べ若干料金が高くなることなどで、入所まで何年も待つということはあまりないと思います。                    今回見学した施設では、予約待ちがA施設10人待ち、B施設6人待ち、C施設3人待ちなどいろいろありました。建物構造、間取り、トイレやお風呂の清潔感、キッチンやラウンジの雰囲気、個室の広さや収納設備など見させていただきました。

今回の見学では、個々の施設の設備状況には一長一短がありましたが、やはり予約待ち人数に大きな関心がありました。                                 予約する方は、一般に複数の施設に予約を入れているようです。又、まだ即入居希望ではないが、とりあえず予約を入れておこうという方が意外に多いということがわかりました。更に、現在同様の施設に入居していて、他の施設に変更したいという方が予約を入れているケースもありました。                                                               このような状況から、例えば5人待ちといっても順番がきてもまだ在宅で大丈夫だから即入居しない方、他の施設も検討中だから今回はパス、というように順番があってもないようなもので、いきなり5人飛び超えて入居できる場合もあるということでした。              どうしても入りたい施設に数か月、数年待つ場合もあれば、それほど待たないで運良く入居できることもあるということです。                         これも実際に足を運んでみてその実態がよくわかりました。

ということで、最後5軒目のグループホームをちょっと疲れた足取りで訪問しました。    事前情報では、この施設も現在満室で空き待ちということはわかっていましたが、とりあえず見学して、良ければ予約していこうと思っていました。                        ところが、いきなり説明の中で2部屋空きが出たということを聞きビックリしました。 そしてその空き部屋が、私たちが一番の条件に挙げていた「南向きの部屋」であったことでした。部屋は3階で見晴らしがよく、窓は掃出しでベランダ付きということで申し分のない間取りでした。日頃、ひなたぼっこが好きな母にとっては願ってもない部屋です。                                    早速申込みの手続きをしたことは言うまでもありません。こんなことがあるんですね、ほんとうにラッキーでした。

介護のひけつ~抱え込まない

介護の方法にはいろいろな対応があります。                       完全在宅介護、介護施設入居、デイサービスやショートステイなどを利用する通所介護、病院での介護などさまざまです。                           これらの介護手段は、本人の意志によるもの、本人が判断できない場合は、医師や家族の判断で対応していきます。                                                        認知症の場合は、個人の症状によりいろいろありますが、特に施設入居などの環境の変化を伴う判断は、アルツハイマー型のような記憶障害や本人の判断能力の低下という点でたいへん難しいものだということがわかりました。

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医療に対して全くの素人が、突然母親の認知症という問題に直面した時、どういう対応をしたらよいのか多分とまどうと思います。私もそうでした。                  昨年、NHKの「認知症キャンペーン」番組の中で、介護の秘けつ「抱え込まない」というアドバイスがありました。今まで2年半、母の認知症に関わってきました。主治医やケアマネジャーはもちろん、家族や親族(兄、義理の姉)と相談したり、時には意見や考え方の違いにより何度も何度も話し合ってきました。                                       そして、結果として抱え込まなかったことが、今思えばいい方向に向かったのではないかと思います。 ブログ母の認知症(2)

介護の方法はその家庭によってさまざまです。今まで2年半ほど認知症に関わってきましたが、同じような問題を抱えている方に少しでも参考になればと思います。                                       

 

 

 

 

2 thoughts on “母の認知症 (4)

  1. くろとごまです。

    本年になってからお母様とごいっしょに生活されたとのこと、又、認知症が進行され施設に入って頂かなくてはならない状況になったこと、ご心配・ご苦労がたくさんあったことと推察いたします。

    質の良いグループホームが見つかり良かったですね!グループホームの予約内情について理解できました。ありがとうございました。参考にさせて頂きます。

    私の母親は現在90才、実家ですごすことが好きなようです。寝たきりになったり、手がかかるようになったら、現在の仕事を辞めて、新潟の家をたたみ、経済的には苦しくなっても介護にまわろうと考えています。

    1. くろとごまさん

      コメントありがとうございます。
      今日、今回入居する施設のケアマネジャーによる本人との面談審査があります。簡単な質問形式の面談のようですので、特に問題ないと思います。

      これから施設入居を考えている方にとってグループホームに関わらず、他のいろいろな高齢者介護施設の入居条件や予約待ちなど関心があると思います。今回、母の件や義父、義母のことも含めて、20ケ所位の施設を見て回った経験があります。こちらの希望に合う施設はなかなかないもので、一長一短です。しかし、百聞は一見にしかずという例えにもあるように、実際に足を運んでみるといろいろな状況が分かります。

      又、在宅介護においても担当のケアマネジャーや主治医、その他市の福祉課などにも相談すれば、いろいろな対応策を親身になって案内してくれます。
      今まで介護というと家庭内だけの問題として対処してきましたが、これだけ社会性をおびた問題になってきていることから、いろいろな施設、機関に相談すれば良いかと思います。
      何も知らない素人が、この間の経験から学んだことです。

      介護にもいろいろな方法がありますので、ぜひお母様のことをお大事にしてください。

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