NHK認知症キャンペーン番組から
家族の対応は「否定しないこと」?
昨年4月、田舎で一人暮らしの母親は、要介護認定検査で医師から認知症と診断されました。認知症であることから、要支援を飛び越えて要介護1に認定されました。
一般的に認知症の場合、普段の言動がいつもと違ったりすることから、周りが気づくものです。本人は「自分は大丈夫」と言っていますが、今までの経験からやはり早期の診察が必要だと思います。 現在、NHKで「認知症キャンペーン」と題して、認知症に関わる番組が特集されています。この中で、介護する側の家族の対応についての放送がありました。 皆さん抱えている悩みは共通するものが多いです。
7月15日NHK認知症キャンペーン番組から「投稿者の質問コーナー」 母の場合も全く同じでした。本人は「私は大丈夫」と言って病院に「行きたくない」と強く拒否しました。市の福祉課の職員とケアマネジャーの方、そして私たち家族が一緒になって母を説得し診察を受けました。
私たちのような年代になると、親の介護に関わる方が多くいると思います。 介護の認定度合いやその状態は、人によってさまざまです。 その中で特に最近、認知症になる方とそれを支える家族の話題が増えてきています。 一言で認知症といっても様々です。100人いれば100通りの症状があるのではないでしょうか。実母と義母の認知症に関わってきた経緯の中でそう思うようになりました。
母の場合、長谷川式テストで12点でした(30点満点)。経験されたご家族であれば、この点数がどのくらいの進行状態になっているか多分わかると思います。 医師からは、いつ徘徊してもおかしくない状態である、ということを言われました。 あくまでも点数評価から言えば、そんな危険な状態なのか!と思ってしまいますが、実際の生活ではそのようなことは全くありません。 普段の基本的な生活(三度の食事、洗濯、風呂、戸締り、火の始末など)は、しっかりしています。では、何が問題かというと、毎日決まった生活パターン以外のことについてはほとんど認識できなく忘れてしまうことです。問題と言えば問題ですが、母自身が生活していく上で特に不自由なく過ごすことができる点では、今の生活を変えずにしていくことがいいのかなと思っています。 できないことへ支援(デイサービスによる週2回のお掃除)とイレギュラーなことに対応してあげる支援さえすれば、今はなんとか生活できる状態のようです。
認知症の症状でよく言われるものとして、何度も同じことを繰り返し話す、問いかける、又は、繰り返し行動することがあります。母の場合も同じです。 「さっき言ったじゃない!何度聞くの?」「これはこう使うの!こうしたらダメ」 「また同じ物買ってきたの!」「何度冷蔵庫を開けるの?夕食は○○だよ!」 実の息子だからちょっとキツイ言葉で言ってしまいますが、これが嫁の立場であれば相当ストレスがたまってしまうのではないかと思います。 母はいつも居間に布団を敷いて寝ます。寝室があるのにそこでは寝ません。以前、寝室で寝るように何度も言って言い争いになったことがありましたが、頑として寝ようとはしませんでした。母にとっては、その場所がお気に入りのようです。
「怒ってはいけないとわかっていても、繰り返し同じ話を何度も繰り返され、イライラしてしまいます」 皆さん同じような経験をされているようです。
番組では、介護の秘けつとして「否定しない」ことを強調していました。 なるほど、今思えばそうなのかもしれません。たしかに最初の頃は、あれをやったらダメ、これをやったらダメみたいなことを言っていました。その内、これは病気なんだと自分に言い聞かせて接するようになってから、あまりそういう言葉を使わず、「そうだね」と言いながら見守るようにしてきました。 そういう接し方からかもしれませんが、最近では認知症の進行が止まってきたような気がします。
男性が介護する立場になったら
母の見守りと支援は、私だけでなく兄嫁(義理の姉)が時々母の様子を見にきて世話をします。女性の立場からきめ細かな支援をしてくれるのでたいへん助かっています。 やはり女性ならではの気配りや配慮があり、教えられることが多々あります。
番組では、ご主人が認知症になった奥さんの介護の課題について問題提起していました。 今まで、家事さえしたことがなかったご主人が、いざ食事、洗濯、掃除はもちろん、奥さんの介護までしなくてはならない状況になります。 想像しただけも右往左往する姿が目に浮かびます。 奥さんがご主人を介護する立場であれば、普段の家事全般は当たり前にこなし、自然なかたちでご主人の介護ができるように思います。更に、女性の場合は、いろいろな情報網を持っていて、積極的に対応する能力があります。 その点男性の場合は、そういうことに対して疎い面があります。ご近所や友人、知人に相談することもなく、市の相談窓口や公共施設などに足を運ぶこともあまり積極的ではないように思われます。一人で抱えてしまうのが多いのではないでしょうか。
今、私たちの年代は、親の介護に直面しています。同時にこれからの自分たち夫婦の生活についても年金、医療、介護問題に関心が高まってきます。 こうした中で、自分(ご主人)が介護される立場になったらどうするか?、自分が認知症になったらどうするか?、というように自分自身のことについて考えるようになります。 しかし、これが逆の立場で、妻を介護する、妻が認知症になったらどうするか、ということも同時に考えておく必要があるのではないかと、この番組をみて思いました。 奥さん(女性)は、主人が動けなくなったらこうしよう、認知症になったらどうしようか、などと自分のことよりご主人のことを心配し考えている場合が多いのではないでしょうか。
親の介護や認知症への対応については、実母や義父母の介護を通して、ほんの少しだけですが、いい経験をしているように思います。それは、今度は自分たちがそういう立場になったら、どうしていこうかという準備につながると思っています。 「自分のことよりカミサンがそうなったら」と考えるようになりました。
先日は、私のブログに温かいコメントをありがとうございました。
お礼を言いたくて、この場をお借りします。
さて、私の87歳で亡くなった父も最後の3年ほど認知症になっていました。
静かだった父がささいなことで暴力的になったり、徘徊が増えて行方不明になることも何度もあり、そのたびに警察のお世話になりました。
体がもともと健康であるので、そのアンバランスに家族は疲れてしまいました。
徘徊が原因で骨折をし、それから入院後肺炎で亡くなりました。
誰もが、誰かにお世話になりながら死んでいくのだと思います。
人生の折り返しがきたところで、身近に考えることは、大事だと思っています。
いつも参考になるお話で、うなづきながら読んでいます。
家犬さん
少しづつお元気になられているようでなによりです。ぶりちゃんはいつも家犬さんの心の中にいますよ。
ニットキャップ、ヒヤシンスの球根とても素敵ですね。
ところで、明日から北陸くるま旅に出かけます。金沢、福井を中心にした旅です。越前ガニが解禁したので楽しみです。
PC持参で行きますのでライブでブログアップしようと思ってます。
時々覗いてみてください。