老人介護施設

多様化する介護状況に合わせた施設

在宅介護、施設入居による介護は、介護を受ける当事者やその家族の意志、考えがありそれぞれ異なります。又、介護度合いにしてもいろいろな身体状況によって人それぞれです。更に在宅にしろ施設入居にしろ介護する時間的、人員的、経済的な問題も絡み、これもまた異なります。つまり100人いれば100通りの介護方法や条件があるということになります。                                       早期退職以降、実母・義父・義母の介護に関わってきましたが、それぞれ身体状況が異なりそれに合わせた介護方法を考え対応してきました。当たり前のことですが年齢が重めばその分介護度合いも比例して上がっていきます。現状維持ということはなく、その都度対応をすすめていかなくてはなりません。

現在、介護施設はいろいろな条件に合わせた種類があります。

■有料老人ホーム(介護付き、住宅型、健康型)                    ■高齢者向け住宅(サービス付き高齢者住宅、高齢者専用賃貸、シニア向け分譲住宅)   ■グループホーム                                  ■経費老人ホーム(経費老人ホームA/B型、ケアハウス)                ■介護保険施設 (特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)

大きなくくりとしては以上のような施設がありますが、それぞれの施設には在宅、通所サービスも付帯しているものもあり多様に広がっています。又、住宅型でも外部のデイサービスを利用できる施設もあります。更に病院が直接管理運営している施設もあり、それらを含めれば膨大に増えてきています。                      個人の身体状況や家族、経済状況によって選択できるものです。但し、公的運営による経費老人ホームや介護保険施設は、費用が安く条件もそれぞれあるので入居倍率は高いです。一般的によく言われる入居困難な施設が、この中の特別養護老人ホーム(特養)です。(要介護3以上、100~200倍と言われています)

ではこうした施設の費用についてはどうか? よくTV、週刊雑誌などで報道される一時金数百万円~数千万円が必要などの記事を目にしますが、あくまでも話題性ということで富裕層を対象にした施設です。これに当たる施設が有料老人ホームですが、現実には一時金ゼロという施設は数多くあり、月額費用もそれほど高くなく一般庶民も多く利用されているのが現実です。                                こうしたことから、個人の身体状況や経済状況などを考慮しながら選択していけばいいのではないかと思います。

認知症はグループホーム

実母、義父・義母の介護に関わってから2年、この間多くの施設(15施設)を見てきました。この中で、実母の認知症の進行から先日グループホームを見学してきました。グループホームは、認知症を対象とした専門介護施設です。                      (正式には、認知症対応型共同生活介護と呼ばれる介護事業所)            入居条件は、認知症の診断書、要支援2もしくは要介護1~5の介護認定です。現在、認知症が拡大してきている中、こうした施設はかなり増えてきています。

1424162975993  1424163008610  グループホームの場合、1ユニット9室までということが決められているそうです。事業の運営上、最大9室まで設置されている所が多いです。規模により2~3ユニットまとめて建設され平屋建ての建物が目立ちます。今回見学した場所は2ユニット(18室)でした。

1424163051055  1424163081077  食堂兼ラウンジ              各個室が並んでいます

1424163145491  1424163131918  厨房はオープンになっています       個室

1424163073728  1424163154562  洗濯室                  お風呂

入居される方は、認知度合いや身体状況がそれぞれ異なります。その方に合わせた介護方法を事業所と話し合って決めていきます。                      費用はそれぞれの事業所ごとに若干異なりますが、今回の施設の場合は、敷金11万6千円月額基本利用料13万3千円+介護保険(約2万6千円)ですから総額15万9千円位でした。家賃、共益、管理、食費すべて込みの金額です。一時金(敷金など)が0円の施設もあります。                                     今回は、入居するかしないかということでなく、今後の方向性としてグループホームのことを知ることで参考になりました。

自分たちの親のことでこうした施設について関わりを持つようになりましたが、遠くない将来自分たちの老後のことも同時に脳裏をよぎります。                政府は、来年度予算案で社会保障費の自然増を抑制するものとして、介護報酬の2.27%引下げを決めました。介護の現場で働く人たちへの影響は、介護を受ける立場の方への影響にもつながります。これからの社会保障問題にやはり関心を持たざるを得ません。