北アルプス南部縦断~100Kmのロングトレイル
日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平へ
12Kgのザックを背負い、いくつの峰や峠、沢を越えただろうか。
次から次へとあらわれる頂きの先には、常に北アルプスの名峰たちがそびえていた。
その山岳トレイルは、富山の折立登山口からはじまった。北アルプスの山深き樹林帯に分け入り、雑草や倒木におおわれた登山道をかき分けながら進んだ。ある時は岩稜帯をよじ登り、ある時は沢に登山靴を突っ込み何度も徒渉を繰り返し、又、ある時は風速15mの強風に煽られながら稜線を歩いたり、更に、見上げるような急登を2時間以上かけて登り続けたりしながら、やっとたどりついた先は、まさに桃源郷のような天空の楽園だった。
7月17日(金)23時50分発の深夜バスに乗り込み富山駅に向かいました。そして、9日後の26日(日)に信州松本から特急あずさに乗って無事に長い山岳トレイルの旅が終わりました。
現役時代の頃から憧れの地であった「雲ノ平」は、想像を超える自然の素晴らしさを見せつけてくれました。又、今回の山旅では、山小屋7泊(最終日は平湯の旅館1泊)、立ち寄った山小屋が6つ、計13の山小屋を通過しながら旅を続ける中、多くの登山者との出会いもありました。お互い意気投合して即席パーティーを組みながら登山を続けたグループや単独行の方など、特に親しくなった登山者は合わせて23人にも及びました。
又、奥深き山の中では、いろいろなアクシデントもつきものです。ブヨに刺されてお岩さんのように顔が腫れあがったり、メガネの縁が壊れてセロテープで止めながら旅を続けたり、腕時計のベルトのネジがはずれて時計が吹っ飛んだりもしましたが、そんなことも大自然の中ではちっぽけなものでした。
そんな山旅の記録を5編に渡ってアップしていきたいと思います。
その第一弾として、今回の山旅のハイライト部分を紹介します。
今後は、第2編「薬師岳と薬師沢」、第3編「雲ノ平」、第4編「水晶岳と鷲羽岳」、第5編「焼岳と乗鞍岳」を予定しています。
富山県の折立登山口から入山して3日目、天空の楽園「雲ノ平」にやってきました!
黒部川の本流とその支流に挟まれた標高2500~2700mの日本で最も高い位置にある溶岩台地で高山植物の宝庫です。この台地のど真ん中にある雲ノ平山荘に泊まり、一日ゆっくり散策してきました。
スイス庭園から望む水晶岳(日本百名山2986m)
アラスカ庭園 日本庭園
祖母岳から望む水晶岳 雲ノ平の上空に延びるひこうき雲
雲ノ平から望む早朝の黒部五郎岳(日本百名山2840m) 左後方は笠ケ岳(百名山)
赤牛岳(2864m)と岩苔小谷 薬師岳(日本百名山2926m)
高天原(たかまがはら) 雲ノ平から下った谷筋にある湿地帯。この奥には秘湯中の秘湯といわれる高天ケ原温泉があり、ここにも立ち寄って入浴してきました。登山者でしか行くことのできない露天風呂があります。
水晶岳の真下にある水晶池(標高2293m) この池を訪れる登山者は少なく、この日は私も含め3人ほどでした。
高天原から水晶岳に向かう岩苔小谷の沢を登って行く途中、振り返って見た薬師岳。
左手に水晶岳がそびえ、右手に雲ノ平の台地を見上げながら登りつめていきます。
沢沿いに咲くハクサンイチゲとヨツバシオガマのお花畑が広がっています。
入山5日目の早朝、水晶岳の頂上。
水晶岳から望むご来光 北アルプス北部の名峰 立山と剱岳
ワリモ岳から鷲羽岳に向かう稜線 鷲羽岳頂上(日本百名山2924m)
鷲羽岳頂上から望む黒部五郎岳。眼下が黒部源流。
入山8日目、焼岳北峰への登頂(日本百名山) 焼岳南峰2455m
入山9日目、北アルプス最南端に位置する乗鞍岳3026m(日本百名山)への登頂。
乗鞍岳頂上から眺望する穂高岳3190m 槍ヶ岳3180m
9日間という長い山岳トレイルの旅でした。この山旅では、薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、焼岳、乗鞍岳の5つの日本百名山を登頂してきました。またこれらの山を結ぶワリモ岳、三俣蓮華岳、双六岳など2800mを超える峰を超えながらの縦走でした。
美しい大自然に魅了され、時には自然の驚異にさらされながらのアクティブな山旅でした。
第一編では、今回の旅の主なハイライト部分をアップしました。第二編以降は、スケジュールに沿ってアップしていきます。
「北アルプス9日間縦走の山旅」 つづく
お疲れ様でした。
毎日いつ帰ってくるのか、気にしていました。
楽しく読ませていただきます。
いい天気でよかったですね。
アクシデントがわりとあったようですね(笑)
9日間!長旅でしたね~
その体力、気力、あやかりたいものです。
家犬さん
ご心配おかけしましたが無事戻ってきました。
天気は日程の半分ほどが晴れでした。2日間づつ雨、晴れの繰り返しでしたが、一番期待していた雲ノ平が2日間晴天に恵まれことは良かったです。
黒部五郎岳は、山小屋まで行って宿泊しましたが翌日雨のため登山ができず引き返したことが心残りでした。
なにはともあれ素晴らしい山旅でした。引き続きアップしますので見てください。