山岳トレイル

山と山をつなぐ美しいラインを歩く山旅

仕事や家庭のことで忙しい現役時代の頃、山に行くといっても日帰りかせいぜい1泊2日の行程でした。ましてや、ある程度長い山旅だったらカミサンとのスケジュールを合わせての年一回の夏山だけでした。年一回だけでしたから、登山から帰ってきたら一年後の夏山計画を立てるのが唯一の楽しみでした。                        私に限らずほとんどの山好き愛好者は、少ない休日をやりくりしてのピストン登山になってしまうのも当然なことかもしれません。

日本の国土の約70%は山岳地帯です。そのため車や電車、バスなどの交通手段を使えば数時間で山の麓、登山口まで行ける便利さがあります。更に、道路の整備が進んだことでより深い山奥や標高の高い所まで行けるようになりました。又、ロープウェイやリフトを使えば日帰りでも充分楽しめる登山ができます。                     少し昔の話になりますが「安・近・短」(アンキンタン)という行楽用キャッチコピーが一時期流行りました。く、場でい休日を楽しもうという意味です。         道路事情や交通機関が発達する中、大自然に触れながら健康的に休日を過ごすことができるレジャーとして、更に登山や山歩きがブームになってきていることは、ごく自然のことかもしれません。

最近、ロングトレイルという言葉をよく耳にします。                  ごく一般的な登山としては、ピークハント(頂上だけをきわめる)が主流ですが、トレイル(森林、原野、山地などの踏み分け道)は、自然の山道を歩くことが目的です。自然の景観や登山道付近の草花を楽しみながら「歩く旅」といったようなものです。       尾根や稜線でつなぐ山から山へ歩き、途中の頂上は通過点に過ぎません。又、低山の森林地帯や高原を結びながら長距離歩くこともロングトレイルです。              ロングという言葉のとおり、長期間・長距離という意味合いがありますが、数日間連泊しながら歩き続けたり、一日の行程距離が長く短期間(日帰り、一泊など)で歩きとおすなどいろいろな形で「歩く旅」を楽しむことだと思います。

IMG_5743  IMG_5739   「岳人」7月号では「山岳トレイルを行く」という特集が組まれていました。        連なる山々に一筋のラインが延びている。登山者が、歴史が、信仰が作ってきた山岳トレイル。自分でプランニングして、自分の足で歩けば、自由なる山の旅。登山者であることを喜べる時。 「岳人7月号」より

昨年NHKBSで放映された田中陽希さんの「日本百名山一筆書き グレートトラバース」は、記憶に新しいです。今年も5月から二百名山踏破を目指してスタートしたようです。   これもまた「トレイル=歩く旅」をテーマに平地から山岳地帯まで人力で歩むスタイルです。この行動は、超人的なパワーを備えた彼にしかできないものですが、多くの登山愛好者にとっては夢と希望、そして感動を与えてくれました。

2015グレートトラバース  IMG_5742

早期退職以降2年経ちました。現役時代出来なかった多くの山に登り、同じ志を持つ多くの登山者との出会いがありました。そしてまたこの2年の歳月は、山歩きのスタイルを考える期間でもありました。                              一つの目標として「日本百名山登頂」がありますが、単にピークハントだけではなくトレイルを楽しむ旅として捉えた場合、いろいろな登り方、歩き方があるんじゃないかと気づきました。尾根から稜線にとりつき、いくつもの峰を越えて頂きを目指したり、海抜0mから見上げる頂上を目指したり、その土地や山の歴史に触れながらの山旅も面白いのではないかと思っています。                               そして3年目の今年から、そうした山旅のスタイルを取り入れながらチャレンジしてみようと計画しています。今年に入り近場では、外秩父七峰縦走、陣馬山~高尾山トレイル、谷川岳縦走など試してみましたが、やはり頂上往復の登山より縦走のほうが達成感と醍醐味があります。

夏山シーズンを迎えいよいよ「富士山ゼロtoゼロ」を目指します。更に、北アルプス縦走と南アルプス七峰ロングトレイルにチャレンジです。                  長引く梅雨の心配がありますが、天気は運まかせです。梅雨という季節を楽しむこともまた考え方しだいですね。そしてリタイア後の最大の強みは「時間に余裕」があることだと思います。天候や身体の状況により山小屋連泊も可能です。

IMG_3747  IMG_5745 田子の浦から村山古道をたどり、富士山登頂を目指す歴史と信仰が作ってきた山岳トレイル。

山行記録については、後日ブログにアップします。

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