際立つ花崗岩の山頂モニュメント
百名山の一角に入った理由は?
瑞牆山を「みずがきやま」と読むには難しいです。
登山愛好家の中でも一応読める方はいると思いますが、書くとなるとどうでしょうか?
私もはじめは全く読めませんでした。ようやく読めるようになっても未だ書けません。
瑞牆山周辺の「瑞牆」のつく道路標識、案内板、ダムや公園の名称は、ほとんどひらがなで表示されていることからもやはり読み方が難しいんですね。
そんな瑞牆山に登山仲間と共に昨日登ってきました。
2年前の9月に単独で登って以来2回目です。先月6月に計画していましたが、天候不順のため断念。そして今回、仲間からの強い要望もあって再チャレンジです。梅雨の時期ということもあってあいにくの曇り空でしたが、雨が降らなければラッキーです。
早朝8時、中央高速道の須玉ICを下りて近くのコンビニで食料調達。これから瑞牆山に向かう登山者のグループが数組。皆さん考えることは同じですね。
そんな中、なんと神戸ナンバーの軽自動車を発見。更に、登山口の専用駐車場では大阪ナンバーの乗用車!「う~ん、さすが日本百名山ですね」週末を利用して全国から来ています。
この瑞牆山の2枚の写真は、実は今回撮影したものではありません。2年前に登った時の写真です。今回は曇りと霧で全く見えませんでした。悔しいので前回の写真を添付しちゃいました。瑞牆山ってどんな形をしている山?って皆さんに見てもらおうと思い掲載しました。山頂付近が花崗岩で覆われ、まさに西洋の要塞を彷彿させる山容です。
登山口から里宮坂を登っていきます。途中の富士見平小屋(金峰山方面分岐)
ようやく岩峰群が見えてきました。天鳥川源頭。この沢を越え、登り返します。
大きく割れた桃太郎岩と頂上まで岩場の登山道が続きます。
同行した仲間たち。鎖を使って一枚岩を登っていきます。
山頂直下にそびえ立つ大ヤスリ岩。この巨岩を巻きながら頂上に向かいます。
瑞牆山頂上2230mと眼下には大ヤスリ岩
頂上からの飯森山、茅ケ岳方面と奥秩父の名峰 金峰山2595m
日本百名山の中で山頂モニュメントとして圧倒的な印象を残すのは、槍ヶ岳の穂先、奥穂高岳のジャンダルム、鳳凰三山地蔵岳のオベリスクあたりだろうと思います。
金峰山から見る瑞牆山の頂上付近は、樹林帯の中からニョキニョキと岩が生えている岩峰群が特徴的ですが、珍しさはあるものの小さくまとまって迫力感がありません。それは、標高の高い金峰山から見下ろすためでしょう。 又、瑞牆山は、金峰山とセットで登る登山者が多いです。(金峰山との距離3.9Km)
特に地方から来る百名山登山者にとっては、時間的、金銭的な理由で両山一緒にやろうという方は多いです。今回も富士見平小屋でテント泊する多くの登山者がいました。
登る人の感覚で言うと、「金峰のついでに瑞牆を片づける」のかもしれない。瑞牆山にははなはだ不名誉な話だが、標高差が370m近くもあるのだから致し方ない。距離の近い二つの山で著しい標高差があると、どうしても低いほうは見劣りがする。 ※樋口一郎著「新釈日本百名山」
一般的に山を見る時、麓や山里から見上げる場合がほとんどです。又、見る角度や方向によってさまざまな形に見えます。先月登った谷川岳は、水上側から見上げるとキッと立つ双耳峰が印象的です。(ほとんどのポスターやガイドブックの写真は水上側から撮影)
しかし、反対側から見た谷川岳の頂上と山容は、「えっ!あれが?」というほど象徴的ではありませんでした。
瑞牆山は山深い所にあります。近くにいかないとその全容を見ることができません。
昨年登った時の帰り道、下山口から県道610号線に出る黒森鉱泉(黒森部落)から振り返って見た瑞牆山の全容に驚き、しばし車を停めて仰ぎ見ていました。
深田久弥著 「日本百名山」より
かつて千曲川の上流から信州峠を越えて甲州へ抜けた時、その途中から見た奇岩乱立の瑞牆山の印象が深く残っていた。おそらくその途中からの眺め、すなわち釜瀬川上流の黒森部落からの眺めが、瑞牆山の最も立派で美しい姿であろう。
至近距離に奥秩父の名峰である金峰山が鎮座する場所にありながら、百名山の一角に食い込んだ理由は、まさにこの黒森部落からの瑞牆山の姿だったのであろう、と私は密かに思っています。
今回、仲間たちと共にこの場所に車を停めて見てみましたが、残念ながら雲に覆われ全くその全容を見ることができませんでした。 しかし、仲間と共に登頂できた達成感を皆で味わいながら、降り出した雨の中、瑞牆山を後にしました。
瑞牆山の全容の写真は、その感じがよく出ていますね。
山を初めて最初のころだったのですが、不気味な印象が強かったです。
他の写真も、それぞれ見覚えのある風景で、楽しく拝見しました。
家犬さん
家犬さんもよく山に登られているんですよね。たしかに瑞牆山は、見方によっては異様な山容です。切り立った岩場や岩峰を目にすると驚きます。
瑞牆山の裏手はロッククライミングのメッカです。家犬さんもクライミングやっていましたね。2年前に行った時、若い方がグループで楽しんでいました。