山陰くるま旅 (4)

丹後半島、若狭の国を訪ねて

舟屋・天橋立と鯖街道

 

日本海の山陰沿いに鳥取から京都方面に向かう時、丹後半島があります。
私たち夫婦くるま旅の場合、極力主要道路を使うことは避け、その土地の生活道路を利用することが多いです。くるまで通り過ぎるだけとはいっても、車窓からはその土地ならではの光景を目にすることができるからです。

 

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今回も海岸線に沿って丹後半島をぐるり周ってみました。
地図上の道路状況のイメージとは全く異なり、山を蛇行しながら登り下りする道が続いていました。もちろん舗装道路であっても片道一車線といった感じでアクティブなくるま旅でした。

海岸線に出ると漁港が多いのに気づきます。これもまた旅の目的の一つで、こうした漁村を訪れてみるのも楽しいです。
TV放送で「魚が食べたい~地魚さがして3000港~」という番組があります。海に囲まれた日本は確かに港が多いです。大小さまざまですが、ここ丹後半島も行く先々漁港が点在していました。
まさに ”日本の原風景” を感じさせる景色でした。

 

この丹後半島の西方付け根に「城崎温泉」があります。
城崎といえば、志賀直哉の「城の崎にて」があまりにも有名です。近畿地方を代表する温泉地として賑わっているようです。
そんな城崎温泉に立ち寄ってみました。

 

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城崎温泉駅に駐車して散策してみました。
よく観光雑誌やTVで見かける柳並木の大谿川(おおたにがわ)と石造りの太鼓橋。思っていたように趣のある街並みでした。
全国くるま旅で各地の温泉地を訪れましたが、こうした町挙げての取り組みで家屋や伝統が守られているんですね。コンビニの看板さえ茶色に統一されていました。

 

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宿泊者が浴衣に着替えて外湯めぐりする姿が見られました。立派な外湯があるんですね~。

 

伊根の舟屋

 

城崎温泉から丹後半島を周った若狭湾に、最近観光地として有名になった「伊根の舟屋」に行ってみました。
この舟屋を知ったのは、映画「男はつらいよ」の「第29作寅次郎あじさいの恋」でした。女優いしだあゆみ扮するマドンナの実家がこの伊根の舟屋でした。日本にはこうした漁村があるんだな~とこの時初めて知りました。

 

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「道の駅舟屋の里伊根」から望む伊根湾。

この小高い道の駅から望むと伊根湾が一望。大きな若狭湾の中に亀島(半島)に守られるように伊根湾があり、湾の出口に青島があることから、波のたたない静かな港町が形成されたようです。

 

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家屋の一階部分が舟置き場、二階が住居スペース。伊根湾には、この漁師の家が湾を取り囲むように約230軒建っているそうです。
湾の海岸線が急深になっていることから、こうした構造の舟屋ができやすい環境があったようです。
ただ実際に見ると、完全な形で残っているのはごく一部で前面をコンクリートで固め船着き場にしている家が多かったです。
家屋の維持管理がたいへんなのかもしれません。

 

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漁村の通りから見ると一階舟置き場の構造がわかる一軒がありました。なるほど、車でいえばガレージのような感じですね。

 

天橋立

 

伊根の舟屋から車で約40分、丹後半島の東の付け根にある天橋立を訪れました。
日本三景の一つとして昔から観光地として有名です。

 

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まずは、天橋立を南側から一望できる「天橋立ビューランド」にモノレールで上がってみました。
高い場所から望めばその全容がよく分かりますね。

 

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天橋立といえば「股のぞき」
この展望台にも何ヶ所かのぞき見用の台が設置されていました。天橋立が天に舞う龍のように見える?、う~ん、どうですかね~。

 

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天橋立に渡る廻旋橋(小天橋)から望むと細長い島状になっているんですね。渡り切ると松林と砂浜が広がっていました。ここは夏の時期、海水浴場になるようです。

 

食と文化を結ぶ鯖街道

 

若狭に来たらぜひ立ち寄ってみたい所がこの「鯖街道」でした。
サバ好きオヤジにとってはやはり気になる街道です。

鯖街道と言っても、一方的に鯖ばかりを運んでいたわけではありません。若狭からは、海を渡ってやってきた文化や、さまざまな海産物を運んでいました。そして京からも雅な文化や工芸品などが若狭に運ばれていました。
鯖街道という名称は、中世以降、特に多くの鯖が運ばれ、その鯖が今日で愛されたので、いつからかそう呼ばれるようになった。
鯖街道HPより

 

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そんな鯖街道にある宿場町「熊川宿」に行ってみました。

若狭鯖街道の起点となる小浜(おばま)から車で30分ほどの所に位置します。宿場の入り口に「鯖街道」のモニュメントが建ってました。

 

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熊川宿は、重要伝統的建造物群保存地区に選定されているようです。

 

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きれいに整備され、昔ながらの町並みが保存され、街道沿いには水路もありました。
宿場は上ノ町、中ノ町、下ノ町に分かれ、その先には「道の駅熊川宿」がありました。ゆっくり歩いても1時間弱でした。

 

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道の駅には鯖をはじめとした若狭の海産物が販売されていました。
サバ好きですから「焼き鯖すし」を購入。かなり身が厚いですね~、鯖本来の風味があって実に美味しかったです。

 

ということで、今回の山陰くるま旅は、伯耆大山登頂を目指して鳥取、若狭の国を訪れてみました。
登山の他に名所旧跡、各種美術館や温泉地、そしてその土地ならではのグルメを味わう旅でした。
それにしても埼玉からは遠いな~という実感でした。いつもだったらもっと長い期間のくるま旅ですが、今回は5日間という日程でしたからしょうがないですね。

またいつの日かこの地方に来る時は、島根県中心の山陰を周ってみようと思ってます。

「山陰くるま旅」おわり

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