日本の経済格差が広がる中で
気になる保険料とその負担
65歳になると社会保障制度上の変更がいくつかあります。
その中の一つに今までの厚生年金に加え国民年金が開始され、老齢基礎年金としての支給が始まりました。
又、退職後、国民健康保険に切り替えたことからその保険料や介護保険料支払いの通知が年度初めに郵送されてきて、それぞれの保険料を納付してきました。
先日、市の国民健康保険課と介護保険課から通知がきました。
内容は両者とも「特別徴収開始通知書」でした。この特別徴収は、現在受給している公的年金からの差し引きにより、国保料(税)や介護保険料(税)を納める方法です。
つまり、今まで個別に納付してきた保険料を年金から天引きするんですね。この方法によって保険料を確実に徴収できるということのようです。
この両通知書が郵送されてきた後、しばらくして日本年金機構から年金振込通知書が届きました。
この通知書には、国民健康保険料額と介護保険料額が記載され控除後の年金振込額が明記されていました。
今まで自ら振込してきた保険料が、年金から差し引きされただけですからどうってことはないと思いますが、年々年金が減る中での控除なので ”手取り年金額” を見て溜め息が出ました。
それにしても改めて国民健康保険料を確認するとやっぱり高いよな~と思います。
働いていた頃は社会保険(健康保険)として給与から天引きされていましたが、退職後国民健康保険に切り替わってからその保険料の高さに驚きました。
国民健康保険の加入者は主に自営業者、年金生活者、学生や主婦、そして非正規雇用者です。
この内訳は、無職(年金生活者など)が43%、非正規雇用などの被用者が34%で、あわせて8割近くになっているようです。
会社勤めや公務員の場合、社会保険全般にわたって雇用者負担があるため、例えば健康保険料は国民健康保険に比べその負担は軽減されます。
こうした状況から低所得者ほど負担額が大きく、その負担率も高くなる構図が見えてきます。
又、社会保険は収入(給与)に応じて保険料率をかけて計算されるため、家族の人数が保険料に影響することはありません。
しかし、国民健康保険の場合は、世帯数の数に応じてかかる「均等割」で、家族が一人増えるごと負担額が上がるしくみのため、保険料負担が重くのしかかってきます。
このような制度から、ここ最近全国知事会などでもこの問題を取り上げ、公費の投入で保険料を引き下げようと要望する声が挙がっています。
私たち60代以上の世代は、今まで正規雇用や正規職員(公務員)として働いてきた人は多いと思います。そうした時代だったことで当たり前のように正規として生活してきました。
そんな時代を過ごしてきた人でも減り続ける年金から高額保険料が差し引かれる状況に何かやりきれない思いがあるのではないでしょうか。
一方で若者~中年世代に目を向ければ、今や非正規雇用が4割近くになる時代の中で自ら収める社会保険料は、私たち年金生活者に比べればもっと大きな負担になっているのではないかと思います。
日本の経済格差「深刻だ」が88%
3月27日、読売新聞が「格差」に関する全国世論調査を行った記事が掲載されていました。
この記事では、日本の経済格差を「深刻だ」が31%、「ある程度深刻だ」が57%で、性別、世代問わず合計88%に達し、「深刻だ」と捉える人が大多数に上る結果でした。又、格差が今後も拡大すると予想する人も半数を占めると報道されていました。
3月27日付 読売新聞
この調査で示された7つの格差のうち、その割合が最も多かったのは、「正規雇用と非正規雇用の格差」と「職業や職種による格差」が、それぞれ84%でした。
又、格差解消のために、政府が優先的に取り組むべき対策では、「賃金の底上げを促す」51%、「大企業や富裕層への課税強化など税制の見直し」50%、「教育の無償化」45%、「社会保障の充実」43%が上位を占めていました。
このような調査結果からみても明らかなように、全体として賃金の底上げは必要なことですが、賃上げと同時に ”様々な働く条件や処遇格差” が正規雇用と非正規雇用にあることがうかがえます。
一般に民間企業での非正規雇用が増えている状況にありますが、地方公務員の非正規化が進んでいることも見逃すことはできません。
総務省によると、非正規の地方公務員は2020年時点で約69万4千人で、うち74.5%を女性が占める。20年までの15年間で非正規は1.5倍に増加したようです(総務省)
女性の非正規のうち3割は家計を支える「主たる生計維持者」にもかかわらず、年収が250万円未満が7割に上っているそうです。
こうした状況から、日々生活費の厳しさはもちろんのこと健康保険料をはじめとする各種社会保険料の負担は大きなものだと思います。
調査項目の中に、日本の社会保障のあり方として、もっとも近いものを選択する問いがありました。
結果は、「国民の負担をを少なくした上で、社会保障など行政サービスを手厚くする」が70%でした。
今回の調査でも「社会保障の充実」が上位を占めています。
そのための具体的施策として、国民健康保険も全国知事会が要望しているように、公費投入で「協会けんぽの保険料並み」に引き下げられることが必要だと思います。
国民健康保険料には自営業者は泣かされてきました。静岡市の場合、年間9回の納付日がありま
すがそのたびのどこから捻出するのか?頭を悩ませます。均等割と所得割で、稼げば稼ぐほど毎
年の保険料(私は保険税と言っていますが)が上がり、勤労意欲が削がれます。
また自営業者の場合、年金は国民年金です。65才から受け取るように申請しましたが、月にする
と5万円に満たない額です。生活できないので自営業を続けていかざるを得ないのですが、その
上で年金額から介護保険料(介護保険税!)が差し引かれ、また働けば働くほど引き落とし金額
が減るので、半分以下の手取額です。死ぬまで働け!働いた分はきっちり保険税を取るモンね!
って、なかなかの制度です。ほんと働く意欲はなくなるけど働かないと生活が出来ない社会で
す。
もう一つ、消費税のインボイス制度が始まろうとしてますが、こちらもキッチリと税金を取ろう
という制度です。商売を始めようかな、会社を立ち上げて社会に貢献していこうかなと考える途
端に売上1000万円以下でもキッチリ消費税を納めてね!赤字でも消費税は負担していただきま
すよって制度です。
国民年金や国民健康保険と同じように、弱者から吸い上げる税負担は、日本を下支えしてきた中
小零細をいじめるのと同時に、若者の起業意識を削ぐものだと思います。このことが数年先に日
本の経済にとって大きな禍根を残すことでないかと思っています。
思わず愚痴ってしまいました。申し訳ありません。
しぶちんへ
昨日、大学時代のA君からメールが届きました。
今年1月A君に手紙を出しました。その後何ら返信が来なかったのでどうしたのかな?と思っていましたが、彼も転居や起業などでバタバタしていたとのことでした。連絡では、ようやく一段落したようで、来月あたり埼玉の我が家の方に出向くと話していました。元気そうで何よりでした。
久しぶりの再会なのでカミサンも楽しみにしているようです。
さて、国民健康保険の件ですが、自営業のしぶちんから詳しい話が聞けて改めてその実情がよくわかりました。私はサラリーマンだったので、関連する資料などで国民健康保険加入者の実態を知りました。そして、今度は自分が加入者となったことで身を持ってその現状がわかりました。
このことはやはり市や都道府県レベルではなく、国としてしっかり対策をうつべき問題だと思います。
インボイスについては以前から少し関心がありましたが、詳細はよく知りませんでした。
>売上1000万円以下でも消費税を納める、赤字でも消費税は負担・・・。
まったくひどい制度ですね。特に中小零細企業にとっては死活問題だと思います。
この制度が実施されれば、今以上に生活が厳しい状況になると思います。若者の起業においても国民健康保険税やインボイス制度によって、働く意欲の低下や起業意識を削ぐものにつながると思います。
消費税に代わる対策は他にあるにもかかわらず、こうした道を選ぶ政府に怒りを感じます。
貴重なコメントありがとうございました。
赤字でも消費税を頂いてるなら払うのは当然ではないでしょうか?
なぜ1000万以下の売上げなら消費税を納めるのが酷い制度なんですか??
売りが1000万以下の会社は消費税を取ってないでしょうか?
儲からない会社を延命させる事が「労働者」の低賃金に繋がってます。
自分への自戒を込めて言うけれど
高齢者は生活の為に働くのを止めて欲しい、嫌々働くなら生活保護一択です。
しぶちんさん死ぬまで働いてはいけません。
貧乏はいいんですよ、貧困(貧しくて困る)これを無くす事が一番大切。
困った時に、相談や助けてもらう機関があるとかの知識の無さや邪魔するプライドが問題です。
これからの若い人に、老人になっても楽しいと感じてもらえるようにしたいです。
一部上場の会社のトップと政治家の定年を65歳にしたいですねー。
まだ動ける老人がお金、これ重要です!お金を使って遊んで生きる事を楽しんで欲しい。
お金を社会で循環させるのは社会の活性化に大切です。
それが若い労働者に回るんですよー。
楽しめる時間は少なく、これからの若い人に「年取る事も悪くない」と思って欲しい。
老人が社会の負担になる一つは消費しない事です。
このブログの趣旨に合わないようでしたら削除して下さい。
猫のヒトミさん
こんにちは。
私やしぶちんはインボイス制度以前の問題として「消費税」に疑問を持っています。
今の社会状況をみる限り、消費税減税や更には消費税廃止が必要なことではないかと思っています。消費税に代わる施策は、これまでもブログで発信してきました。
消費税については多くの意見や考えがあります。その中の一つとして消費税に代わる税対策と財政政策をすべきだという考えです。
>貧困を無くす事が一番大切。
>これからの若い人に、老人になっても楽しいと感じてもらえるようにしたです。
>お金を社会で循環させるのは社会の活性化に大切です。
全く同感です。
高度に発達した社会であっても「貧困」は直接死活問題になりますよね。そうした問題を無くすことは社会全体で取り組む必要があると思います。
少子高齢化で若者が将来への不安を抱えないよう、やるべき施策はまだまだあると思います。
自己責任だけで片づけるような社会ではなく、そうなってしまう社会を変えるための政治が求められると思います。
一部の会社組織や富裕層に富が集中してしまうような仕組み(新自由主義)にならないように、税制の改正や国家財政の使い道などやるべきことはいくらでもあると思います。
これらのことは理想論ではなく、やればできるものだと確信しています。
コメントありがとうございました。