コロナ収束に全力を!
今は命を優先に考えるべきでは?
1964年の東京オリンピックの時、私は小学2年生でした。
当時の授業科では週に何度か道徳の時間がありました。
オリンピック開催期間中、この道徳の時間帯が教室でテレビ観戦する授業に切り替わったことを今でも覚えています。
クラスの生徒は一心にテレビ画面に集中し声を挙げて観戦しました。
東京オリンピックで鮮明に覚えているのは、マラソン競技の裸足で走ったエチオピアのアベベ、銅メダルの円谷です。
その他、東洋の魔女とうたわれた女子バレーでした。
そんなオリンピックに刺激され、放課後友人たちと校庭でよく走り回ったことを思い出します。
この時、友人たちと声を掛け合って「とびっこしよう」と言っていたことが記憶にありました。
「とびっこ」=走ることです。
子どもながらにこんな言葉を交えて遊んでいたんですね~(笑)
昨年3月、義父は百歳を迎えました。
東京オリンピックまではぜひ生きて観戦したいというのが口癖でした。そのことが生きる力になっていたことも多分にあると思います。
そういう意味では、今年はぜひ観せてあげたいという気持ちはありますが・・・。
コロナ禍の中、今年に入り五輪開催の是非をめぐって様々な報道があります。
そんなメディアの世論調査では、「再延期」「中止」を求める声が8割を超えていました。
■再延期51% 中止35% 開催11% (朝日新聞1/25付)
■再延期28.7% 中止55.4% 開催15.5% (産経・FNN26日付)
NHK調査では、延期・中止が77%
こうした世論調査結果からわかるように、背景には依然高いコロナ感染の危機感がうかがえます。
私も延期または中止にすべきだと思います。
というのも、世界のスポーツ界ではコロナ感染拡大によって大会の中止、延期が相次いでいます。
こうした事態によって代表選考に大きく影響を及ぼしているのではないでしょうか。
国際オリンピック委員会(IOC)は、五輪の出場枠の61%しかまだ決定していないと公表しています(1/27日)
世界の出場国の中には予選すらできない地域もあり、コロナ対策でもその状況はさまざまだと聞きます。これで本当に間に合うのかというのもあります。
最低限、安全でフェアな条件の下で開催されることが最も望ましいと思います。
又、無観客試合とは言っても、世界各国から選手をはじめ多くの関係者が来日し、国内の運営関係者も多く集うことから感染拡大が気になります。一人でも感染するということは大会そのものに大きな影響があるのではないでしょうか。
更に、ワクチンの効果に五輪開催の期待をかけていますが、はたしてどうでしょうか?
ワクチンの効果は、多くの人が免疫を持つ「集団免疫」ができることで発揮される。しかし、2021年度中に集団免疫を達成することはありえない。
集団免疫獲得には世界の70%を超える人々の接種が必要。いくつかの国はできるかもしれないが、世界全体の人が守られる水準になることはない。
WHO関連サイト
たとえ五輪出場選手にワクチンを優先的に接種したとしても、その周りにいる全ての人たち(大会関係者など)が接種されていなければあまり意味のないことではないでしょうか。
政府は東京五輪に向けて1万人の医療スタッフ確保の計画を発表しています。
こうした中で橋本聖子五輪相は、
「大会期間中には一人5日間の勤務をお願いすることを前提に、1万人程度の方に依頼して必要な確保を図っている」
しかし、現状の医療がひっ迫する中で1万人の医療従事者の確保は、はたして現実的にはどうなんでしょうか?
仮に確保されたとしても、今度は五輪に関係のない一般医療への影響を及ぼす事態も想定されます。
先日、日本医師会の中川会長が、五輪開催時の外国人受け入れについてこう述べていました。
「外国からたくさんのお客さんが来て、選手団だけでも大変な数だ。受け入れ可能かというと可能ではない」
と表明していました。
多くの国民が東京オリンピック開催を願っていると思いますが、こうした事態の中での開催はやはり難しいと判断していると思います。
それはメディアの世論調査をみても明らかです。
五輪開催に対して何も否定的な材料を並べ立てているわけではありません。
現実を素直に直視して、安全にしかもフェアなかたちで開催されることを願っているのではないでしょうか。
そういう意味では、”今は命を最優先” に掲げてコロナ収束に集中することが肝要ではないかと思います。
冷静な判断が下されることを願いたいです。