デジタル・エコノミー

急速な時代の流れの中で・・・

時には ”圏外” でも?

 

先日、TVニュースを観ていた時、中学生が公衆電話の使い方が分からないという報道がありました。
携帯電話が普及する中、生まれてから物心つく頃にはすでに携帯電話が当たり前の時代になっているからなんでしょう。
今時、駅や公園、公共施設などでも電話BOXさえありません。探すのに一苦労するほどです。

こうした現象を「かえる跳び」(リープフロッグ)というそうです。

この現象は、技術革新によって新しい技術を取り入れた体制が、発展段階上のある段階を飛び越えて進歩してしまうことを指す。
その結果、「後なるもの先になるべし」という現象が起きるのだ。
この「かえる跳び」の例として、中国における電話が挙げられる。中国の産業化は通信インフラの主流が携帯電話の時代になって始まったため、固定電話の時代を飛び越えて、いきなり携帯電話が普及した。
「現代ビジネス」サイトより

こうした中国の現状や後進国諸国においては、この現象は当たり前のように起きていることですが、日本においても2000年以降に生まれてきた人にとっては同じ現象なんでしょう。

同じような現象として、キャッシュレス決済もあるようです。
今では現金を持たずにクレジットカードやプリペイドカード、デビットカードなどで決済する支払いが主流になりつつあります。
又、こうしたカード使用によってポイントを貯めることができることもその普及を促進しているのでしょう。
このキャッシュレス決済は、中国の携帯電話の事例と同じように、現金(紙幣・貨幣)の時代を飛び越えて、いきなりキャッシュレスが普及したことで電子マネー取引額が150兆円あるそうです。
ちなみに日本は5兆円だそうですから、約30倍もあるんですね。

 

25年ほど前、会社勤めしていた頃に仕事で使うためのPHS携帯が支給されました。
そのPHSもなくなり携帯電話(ガラケー)に切り替わりました。
そして、ここ10年ほどで多機能を要するスマホに移行し、生活するための重要なツールのひとつになってきました。

先日、カミサンは長年使ってきたガラケーをスマホに替えました。
「私は電話とメールさえできればいいわ」と言っていましたが、こうした時代の流れの中、更に進化した情報手段を手に入れたことで家族や友人・知人との交流を深めることができるようになったようです。

 

GAFA+M?

 

先日、寺島実郎氏をゲストスピーカーとしたセミナーに参加してきました。
講演の内容は、「世界の情勢変化と日本の進路」というものでした。

 

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この中で ”デジタル・エコノミーの構造” についての話がありました。
このデジタルエコノミーは、過去に一世を風靡した言葉として使われたものですが、今では ”デジタル専制” として「データリズム」の時代に突入したとのことでした。

現在、アメリカIT産業5社の株式時価総額は、約476兆円に達しているそうです。
このIT5社は、グーグル(G)、アップル(A)、フェイスブック(F)、アマゾン(A)、そしてマイクロソフト(M)です。
新聞でも掲載されていましたが、頭文字をとってGAFA+Mだそうです。

2019年度の日本の基本的な予算は101兆円だそうですから、この5社の株式時価総額の規模の大きさがうかがえます。
ちなみに、日本の上位5社(トヨタ、ソフトバンク、NTTなど)の時価総額合計は66兆円のようです。

 

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まさに第4次産業としての「データリズム」の時代なのでしょうか。
私たちの日常生活すべてにおいて、こうしたシステム化、データ化によって便利で効率的な営みができる反面、様々な弊害も生まれてくるものもあるように思えます。

講演の中で、例えば
■便利で効率的な情報環境への依存~自分で考える時間の喪失
■アナログからデジタルへ~生身の人間観の希薄化
■「スマホ人生」~検索で生きる

 

私自身も毎日の生活でデジタル・エコノミーの恩恵に浴して生きていますが、時にはこれでいいのかと思うような時があったりします。
例えば、前回ブログの「冒険塾(3)」でも記しましたが、GPS携帯で登山するよりも地図やコンパス片手にアナログ登山する方がよっぽどリアル感があって面白いと思っています。
くるま旅に出た時もすべてナビに頼ることなく自分の目で確認し、方向も感覚として養うことができたりします。
迷ったら迷ったでいいじゃないかと。そんな時、情報にない新しい発見があったりします。

すべて頼ることなく一線を引きながら使い分けする過ごし方も時には必要であったりするのかなと思っています。

たまに電車に乗った時、ちょっと異常じゃないかな?と思う光景があります。
座っている人、立っている人の8割がスマホ片手に一心不乱に見入っています。
検索、動画、ゲーム・・・、友人同士で乗っている人もいますが、会話のない光景がそこにはあります。

登山で頂上に立った時、雄大な大自然の景色を見ている時でも傍らでスマホ片手に画面に見入っている若者がいます。
ここまで来てスマホはいいんじゃないの?と思ったりします(笑)
ちなみに私はauのためほとんどの山では圏外で通じません(ドコモはどこの頂上でもOK)

最近思うことですが、日常生活から離れて登山に行った時や旅に出た時、偶には ”圏外” でもいいかなと思っています。

 

講演の中で、”2018年のキーワード” というお話がありました。

そのキーワードは、「スマホ」「ショッピングモール」「ポイントカード」の3つだそうです。
共通していえるのは、”小さな幸せを感じる” ことのようです。

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