モンベル主催~チャレンジャーたちへの応援
リヤカーを引いて世界一周!?
先日4年振りに「冒険塾」に参加してきました。
この冒険塾は、モンベル社長の辰野勇さんが「冒険」を目指すチャレンジャーたちを応援したいと考え開講した机上講座です。
各界の冒険者たちが、自分たちの冒険の体験談をリアルにお話してくれる場としてとても楽しい講座です。
2014年の冒険塾では、「グレートジャーニー」の関野吉晴さんが講師として招かれ、アフリカで生まれた人類が南米最南端に行きつくまでの長い軌跡をたどる旅についてお話を聞かせてくれました。
ブログ「冒険塾(2)」
そして今回は、冒険家の吉田正仁さんと探検家・作家の角幡唯介さんが講師として講演されました。
モンベル品川店で開催。
参加費はモンベル会員3000円。
定員200名の会場は、参加者で満席でした。
吉田正仁さん
リヤカーを引いて世界を歩いて旅した「歩く人=あるきにすと」
2009年に旅を開始し、これまでに約7万7500キロ、約60カ国を単独踏破。
著書に「リヤカー引いて世界の果てまで、地球一周4万キロ、時速5キロのひとり旅」
紹介パンフレートより
とんでもない人がいるんですね、驚きでした!
こうした冒険の話を聞くだけでエネルギッシュな人だな~と思いますが、実際は物静かで控えめな方でした。
「冒険とは、手の届かないものを目指すのではなく、もっと身近にあるものへのチャレンジ」
「ひとつの目標を達成することで次への目標へハードルを上げていく」
「一つ一つの積み重ねが夢と目標に近づける。一歩一歩が大切なこと」
吉田さんのこの言葉が印象的でした。
冒険の旅は基本的に自己資金で400万円用意して始めたと語っていました。
当初資金面では自力でやり通す意志だったそうですが、旅の途中でどうしても資金が足りずモンベルへの支援をお願いしたそうです。
以来、基本的な生活費は自己資金でまかない、装備品についてはスポンサーにお願いするようになったと語っていました。
上記写真のリヤカーも全国を探して長野県のメーカーから協賛してもらったそうです。
実際にリヤカーの取っ手部分を持ってみるとビックリするほど軽かったです。
7万7500キロを歩くとなると、かなりの数の靴が必要になってくるのではないかと思います。
これまで履き潰した靴はなんと21足になったと写真を見せてくれました。
今では大事な宝物だと語っていました。
システムに頼らない冒険
角幡唯介さん
2010年、長らく謎の川とされてきたツアンポー川の未踏査部5マイルを単独で踏査。
その模様を描いた「空白の五マイルチベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」(集英社)で、”開高健ノンフィクション賞” など、数々の賞を受賞。
近著に「極夜行」「新・冒険論」など。
紹介パンフレートより
角幡さんのお話は、「脱システムとしての冒険」というテーマの講演でした。
私たちの日常は、ほとんどシステム化された生活が当たり前になっています。
例えば、車を運転する時でもナビを利用して目的地まで行きます。又、街中を歩いて観光する時でもスマホ片手にアプリを使えば簡単に目的の場所に行くことができたりします。
こうしたシステムは、点と点を簡単に移動する手段として便利ですが、一方で人間として考えたり判断したりする行為がなくなります。
角幡さんはそんなシステムを活用することなく、すべてを自分で判断する冒険を目指したいと語っていました。
言い換えれば、システムに頼る冒険は冒険ではないと。
何が起きるか分からない未知の世界を手探りで辿っていく旅こそ冒険であるということなんでしょう。
角幡さんのような域に達している人にとってはそうなんでしょうが、我々一般人にとってはかなりレベルの高いお話ですね。
ただ、地図やコンパス片手に登山するアナログ的?な山旅はこれからもしていきたいと思いました。
今ではGPS携帯で登山する人が増えていますが、やはり地図を見て地形を確認しながらの山旅の方が面白さがあると思っているので。
「冒険」!
人それぞれの形、スタイルがあると思います。
吉田さんがおっしゃっていたように、身近にあるものや興味のあることへのチャレンジをこれからもしていきたいと今回の冒険塾をとおして思いました。
60代!
まだまだ気力、体力、好奇心がありますよ(笑)