素敵な大人の時間~シニア女性
JAZZライブバー東京倶楽部
先日、友人からお誘いがあってカミサンと一緒に三人でジャズを聴きに行ってきました。
こうした機会がないと都内まで足を運んで出かけるということはなかなかありません。
場所は水道橋にある「東京倶楽部」です。
この東京倶楽部は、ライブ演奏が楽しめるレストラン・バーで都内に4店舗あるようです。
友人の知り合い(高校時代の女性先輩:キョウコさん)が、ジャズボーカリストとして年2回ほどライブコンサートを開催しているということから、ジャズが好きな私たち夫婦にお誘いの声がかかりました。
ジャズが好きと言っても聴くだけで、二人ともアーチストや曲名などあまり知りません。
ただ、ジャズ特有のリズムや音色が好きで、じっくりと耳を傾ける時間が心地良いからです。
そんなことから、ジャズ喫茶には時々出かけていました。
又、くるま旅に出かけた時には、地方の有名なジャズ喫茶に立ち寄ってゆっくりしたひと時を過ごしたりしました。
昨年の東北くるま旅では、一関の「ベイシー」、弘前の「スガ」がとても印象に残るジャズ喫茶でした。
今回のライブは、やはりジャズ喫茶にはない醍醐味と臨場感があるステージでした。
ライブ名は、「Kyoko with Friends」でした。
ボーカルのKyokoさんは、私の友人の高校時代の先輩ということでシニア世代です。
若い頃から歌唱の基礎を学び、結婚・育児を経て再び芸事?に目覚め、ジャズボーカルやジャズ英語を学び始めたそうです。
歳を重ねた分だけとても厚みのある声域としっとりした声は、私たち観客を魅了させてくれました。
ジャズバラード
ジャズと言えば、ノリノリのスイング、難解なアドリブというイメージがありますが、バラードを中心とした選曲だったことから初めての私たちでもたいへん心地よく聴くことができました。
又、季節柄「春」をイメージした曲をテーマにしたことから、女性ボーカルならではの雰囲気を醸し出していました。
テナーサックス、ピアノ、ベース、ドラムで支えるバックミュージシャン。
ジャズミュージシャンたちもトリッキーな演奏を控え、アレンジしつつもメロディを大切にした演奏を聴かせてくれました。
あくまでもボーカルがメインということを自覚し、ジャズバラードを引き立てる演奏に徹していた点はまさにプロの演奏でした。
それぞれのパート演奏とセッションもレベルが高く聴き手を楽しませてくれました。
メンバーは、若いドラムスを除き皆さんシニアの方々でした。
全体としては大人の雰囲気を出した「優しさ」「繊細さ」が表現されたライブでした。
会場となった東京倶楽部水道橋店は、約30人位のお客さんで満席になるスペースでした。
ゆっくりと素敵な大人の時間を過ごすにはちょうどいいくらいの広さです。
またぜひ機会があったら出かけてみようと思います。
生きている時間はすごく短い!?
先日、図書館に行った時、ある雑誌に目が止まりました。
この雑誌を手に取るのは初めてで、主にシニア女性の生き方、過ごし方をテーマにしたエッセイとそれに関わる情報誌でした。
へ~、こんな雑誌があるのかとペラペラとページをめくっていくと、内館牧子さんの手記が掲載されていました。
内館さんのプロフィールについては省きますが、直近では小説「終わった人」の著者として話題になりました。
※「終わった人」2018年6月映画化
この小説について、以前、私のブログでも紹介させていただきました。
特に、シニア世代の生き方について、仕事や趣味、又、定年後の自由な時間を活用して有意義に過ごしていこうという強い意思を表現した小説でした。
この小説の訴えかけこそが、まさに内館さん本人のメッセージということを改めて認識する手記でした。
世間は50代になったら終活、終活と言う、エンディングノートを書くとか、暮らしを断捨離して身のまわりを軽くしていくとか、そういう備えには時間を費やしたくない。
今から死後(老後)を考えてばかりいても楽しくないもの・・・。
それより、生きている時間はすごく短いのだから、その生きている時間を徹底して使い倒すことだと思っています。
どんなに準備したって思い描いたとおりにはいかないし、不測の事態は起こる。
ならば、やりたいことをやったほうが、人生楽しいし、気力が湧く。
雑誌「ゆうゆう」より抜粋
内館さんは趣味として、いろいろな講座や大学の教室にも通われているといった手記が書かれていました。
「この歳で勉強しても何の役にも立たないし」と言う人もいますが、この年齢になったら何かの役に立てようなんて思わなくていいんです。
社会は私たちにそこまで期待していないですよ。誰にも期待されないというのはすごくラクで好きなようにできるということです・・・。
純粋に好きだからやってみる、ということが許される年代に入ったということですよね。それは喜ぶべきことですよ。
雑誌「ゆうゆう」より抜粋
ジャズライブの話から話題が逸れましたが、実は私たちシニア世代の生き方・過ごし方について、今回のライブと内館さんの手記に共通するものが感じられました。
今回のジャズライブの中心となったKyokoさんはシニア世代の方です。又、テナーサックスの方も同じ世代の女性でした。
女性として結婚・子育て・家事をこなし、そして再び趣味の世界に飛び込んで邁進している姿がありました。
そうした姿は、歳を重ねても素敵な姿として映るものなんですね。
これらのことは音楽というジャンルに限らず、あらゆる趣味の範疇において言えることではないでしょうか。
この歳で〇〇しても何の役にも立たないのではなく、”純粋に好きだからやってみる、ということが許される年代に入った” ということを改めて感じたライブでもありました。
前回のブログ、「60歳からの現実(リアル)(19)」の中でも触れましたが、働き続けることも大事なことだと思いますが、”生きている時間がすごく短い” ということも現実にはあります。
であるなら、好きなことに徹底して使い倒すこともありかなと思ったりします。
退職後5年が過ぎました。
この間、登山、くるま旅、各種講座やセミナー、トレーニングセンターなので目にするシニア世代を見て思うことは、女性がいかに元気で生き生きとした過ごし方をしているんだろうかと感じます。
今回もそんな女性の姿を垣間見たライブでした。