介護施設入居で共通すること
健康を維持する生活パターン
母と義父は、昨年2月と5月に介護施設に入居してから早1年半が経ちました。
母は認知症を患い地元のグループホーム(認知症専用)に入り現在92歳になります。
義父は数年間老老介護(後に義母は特養入居)の後、一人暮らしを続けていましたが、足腰に不安を抱えるようになり96歳でサービス付き高齢者住宅に入居しました。
そんなことから今では時々施設に様子を見に行ったり、通院の付き添いなどでゆっくり親と共に過ごす時間が出来ています。
以前このブログで記述しましたが、たまにお茶しながら、たまに食事を共にしながらおしゃべりをする、そんな新しい家族関係なのかもしれません。
※ブログ「介護の社会化を考える」
※ブログ「義父とのお正月」
少し前の話になりますが、
敬老の日を前に総務省が発表した人口推計によると、90歳以上の人口が9月15日時点で1年前より14万人増えて206万人となり、初めて200万人を突破した・・・過去最高を更新し、長寿化に伴って高齢化が進んでいる。
9/17 日経新聞
こうした親の長寿化に伴い、その子ども達(私たちの世代)の生活も変わってきています。
在宅介護か施設入居か、介護保険を利用したデイサービスなどのようにどう対応していくかはさまざまです。
そしてその対応のしかたは、本人をはじめそれぞれの家族の考えや家庭の事情によって異なっています。
こうした中で私たち親族は、親の介護に当たって何度も話し合いを繰り返し、数年間一人暮らしを続けてきた母や義父に施設入居を勧める結論を出しました。
そして昨年ようやく私たちの条件に見合う介護施設に入居し現在に至っています。
この選択が良かったかどうかは、母や義父の生活ぶりや健康状態、そしてその笑顔を見るだけでよく分かります。
母は入居後半年目に肺結核を患い入院する状況になりましたが、医師の適切な治療と施設の献身的な介護により回復して、入所前以上の健康を取り戻しています。
義父は以前にも増して短歌や書道にいそしみ、入居している人たちにも教えていることから今では「先生」と呼ばれる存在になり、生き生きとした様子がうかがえます。
以前、母と義父が一人暮らしだった頃、電話で生活の様子を聞くことが何度かありました。
「今日は何食べたの?」「洗濯はしてるの?」「買い物はどうしてるの?」「お風呂入ってる?」・・・。
まるで子どもに聞くようなことですが(笑)
返ってくる返事はほぼ決まっていました。
「・・・食べている」「・・・している」「・・・行っている」「・・・入っている」
果たしてほんとうに大丈夫なのだろうか?と不安を抱えながら時々様子を見に行ってみました。
現実は全く違っていました。
例えば、毎食同じような物しか食べていない、お風呂に入っているようだがしっかり頭まで洗っているかどうか?、冷蔵庫の中はいつも同じ食品や消費期限切れの要冷品、いつも同じ服を着ている、買い物に行っても同じ物を買ってきている・・・。
これが現実だったんですね。
そして入居後の生活は大きく変わり、二人に共通した点がありました。
それは、”規則正しい生活パターンと快適な住居環境” でした。
有料施設なんだからそんなことは当たり前だろうと思いますが、一人暮らしの時と比べれば格段にその生活ぶりは向上していました。
私たちのような健康状態を維持している人間以上かもしれません(笑)
■毎日の三度の食事(食事時間、食べる量や献立、料理の栄養価)
■定期的な入浴
■毎日の着替えと洗濯、定期的な散髪
■毎日行われる部屋の清掃
■施設内と部屋の空調(寒暖差のない一定の温度)
■入居者同士のコミュニケーションの場・・・等
実際私たちの普段の生活と比べてどうなんでしょうか。
食事は三度しても食べる時間が不定期、偏った食事になっていたり、掃除は気が向いた時、洗濯もある程度溜まってから、冬季朝起きた時や着替え、入浴する時の室内の寒さとか・・・。
それぞれの家庭によっていろいろな生活パターンや環境があると思いますが、ここまできっちりした生活サイクルと快適な住居環境ではないと思います。
これが一軒家に住む高齢者の一人暮らしだったらどうなのでしょうか?
想像するだけでもその生活と環境の違いが分かります。
まさにこうした生活サイクルと環境が健康維持に繋がっているということを改めて感じるものがありました。
私は以前、介護のしかたや方法については、100人いれば100通りの考えがあると記述したことがあります。
長寿化に伴っての高齢化が進む中、「介護の社会化」というように社会全体で介護問題に対応していくことの必要性が問われる時代になってきました。
こうした中で社会保障制度の中身やその財源確保においての諸課題が拡大してきています。
しかし、一方では親の介護は最期までその子どもが面倒をみるという考えの人もいるのが現実です。
介護保険や施設を利用しないで全て自分たちの手で親の世話をしていく、又、介護保険を利用しつつ(デイサービスなど)在宅介護で対応していくなどさまざまです。
単に理屈や合理性、経済的なことだけでは片づけられない、解決できないものがあるように思えます。
人間としての様々な感情や意識があることから、そこに介護の難しさと多面性があるのではないでしょうか。
いずれにしても親の生活が安心して過ごせる環境であればと願うばかりです。
そして同時に、私たちの世代がこれから自分のこととして迎える介護問題にどう向き合っていくかを問いかけられるキッカケにもなりました。
こんにちは。
親の介護や世話の問題は、我々世代の共通な悩みでもあり、日本ではこれから一層いろいろな
面での困難度が上がってきそうですね。
私の両親の場合、父は自分から介護認定を受けたら有料老人ホームに入る、と自分で入るとこ
ろまで選定していて、実際に入居しました。入居以後も自ら選んだという自負もあったのでしょ
う、ここはいい!入って正解だ!と常に言っていました。亡くなるまで身体は衰えていましたが
頭の方は最後までしっかりしていました。
ですが、母の方は、介護にはならずに居たのですが、書かれているような自分の生活さえ段々
とおろそかにするようになって心配が募り、体験入所を経て父と同じ老人ホームに入居してもら
いました。しかし、一人暮らしの時は何から何までとにもかくにも自分でやっていたので、少し
は動き回っていたのでしょうけれど、ホームに入所した後は、全てやってもらえるので逆に寝て
いる時間が長くなり、体力的に急速に衰え、それに連れて生きる気力まで失っていった感じでし
た。
身体がしびれる、というので薬を飲んでいたのも一因でしょうけれど8歳も上の父に比べても
気力や意識の明白度があきらかに低下し、父が死んだらますます気力がなくなったのか二週間と
少し後に誤嚥性肺炎もあって亡くなり、二週間で二度のお葬式を出す羽目になりました。
この時に、はたして母を無理やりホームに入所させたのは本当に良かったのか、と悩み、その
回答は今でも分かりません。 人はある意味、「やることがある」という状態を維持しないと返
って老化が進むことは確かですね。
お母様もお義父様も、その点、生き生きとされているようでなによりです。私自身もそのよう
で有りたいと思います。
リンロン88さん
コメントありがとうございます。
私たちの親世代で自分から進んで介護施設に入居を望む人は少ないと思っていました。
しかし、リンロン88さんのお父様のような例もあるんですね。
「介護認定を受けたら入る」「自ら選んだという自負」、そうした意思があったからこそ入所してからもお元気で過ごすことができたんですね。
リンロン88のお母様のことでは、改めて介護の難しさを感じました。
その人によってどのような介護の対応のしかたが良いのか考えていくことが大事ですね。
私たち親の場合は、母・義父とも結果として良かったと思っていますが、この選択が他の人にうまく当てはまるかどうかは分かりませんね。
これから自分たちの介護問題を考える年代になってきましたが、子どもや親族にその対応を委ねることなく、自らの考え・意思で決めていきたいと思います。
ご両親。長生きですね。
長生きが喜ばれる時代が続いて欲しいです。
うちの祖母は、一人暮らしで生活がままならなくなって老人ホームに入ったけど、
それから認知が進んで大変でした。
爺さん、婆さん、ともに88歳で終了でしたが、母は無理かなぁ。
友人のおばあさんは、老人ホームに行ったけど、誕生日やクリスマスなどイベントがある度に子
供や孫が祝ってました。
そしたら放置されて(悪い言い方ですが)見捨てられてる爺婆の嫌がらせがすごくて。
わたしの学校の先生は、自分達で住むホーム決めてご夫婦でハッピーに過ごしてますね。
たまにメールが来るのですが、ななつ星とか???北斗星とか???うぇ~いって感じで楽しん
でますよ。
今から余生を考えると、一人で幾つまで生きるのが分からないから難しい。
わたしも、今、母を看てますが、どうすればBESTな状態で楽しく過ごせるか悩んでます。
自分の考えや意思が通せるのがBESTですが、ボケたらそれもままならないです。
二重三重にも、対応考えておく必要ありますね。
わたしは、独り残ったら今住んでる市がcareしてくれるなら
全部寄付してもOKですが、流動的ですね。
どこまでしっかり意識していられるのか???ワクワクする。
ヒロさん
コメントありがとうございます。
ヒロさんのお話を聞くとどの家族もほんとうに様々ですよね。
>自分の考えや意思が通せるのがBESTですが、ボケたらそれもままならない。
私の母も80代の頃は、介護施設に入って余生を過ごすと言っていました。
そして自ら施設見学をして「ここに入るよ」と言っていましたが、その後認知症が進み以前自分が考えていたことは全て忘れてしまいました。
認知症による意識の変化は、私たち親族にとって大変驚きの出来事でした。
それは認知症ってこんなに人を変えてしまうのか、という驚きでした。
ヒロさんがおっしゃる「ボケたらそれもままならない」ということが、まさに現実として体験した出来事でした。
>二重三重にも、対応を考えておく必要がある。
その後、私たち親族は何度も話し合い、介護認定申請や専門医(認知症)での受診、ケアサービスなどを受けたり、更には一定期間ごとに交代で母と生活(見守り)するなどの対応をしました。
そういう意味では、先を考えた二重三重の対応を考え実行していくことの必要性を感じました。
こうした対応は、実際にその時になってみないと分からないこと、出来ないことが一般的だと思います。
これが介護の難しさなんでしょうか。それと介護度合い(介護1、介護2など)が一緒であってもその人によってその症状や対応のしかたが全く違うと思います。
だからこれだけの社会問題に広がっていくんでしょうか。
自分たちのことも今から考えておく必要があると思いますよね。
すーさん様
今晩は、すーさんの故郷は気候が温暖でスノーブーツはしまったままになっております。
老後の住みかとしてはいいのかもしれませんね。
さて義母はこの町に独居でおりましたが、病気や認知症の為神奈川に引きとり、4年ほど介護しましたが
骨折が元で寝たきりとなり誤嚥性肺炎で亡くなりました。
職業柄この先独居の義母をどのようにするのか長男と次男(主人)で話し合うように勧めたのですが、息
子二人は母さんはしっかりしているから大丈夫だの一点張りで話し合うことはしませんでした。
おかしいなと思った時はすでに遅く、認知症の為訪問販売などで色々なものを買うと言うことをしており
ました。まあ息子二人は現実を見ることが嫌だったのですね。
どちらの息子も母を見ると言いださないので、次男の嫁(私です)が私が引き取りますと言ってしまいまし
た。
自分の施設に入所してもらい、体調を整えるのに4ヶ月ほど治療をして次に友人の勤める病院の付属の
グループホームに入所してもらいました。
私の職場のケアマネや同業の先輩が助けてくれました。
主人はサラリーマンなので、当てになどせず全て私の判断で事を進めました。
義母は逗子の桜山と言う静かな所にあるグループホームで4年ほど過ごし、転倒骨折寝たきりとなり誤
嚥性肺炎でグループホームの付属の病院で亡くなりました。
グループホームは20万/月ほどかかりましたが、床暖房防火カーテンなど設備は非常に良かったです。
義母は糖尿病でしたが付属の病院の管理栄養士がカロリー計算をしてくださり、有難かったです。
糖尿病の通院も付属の病院に週一回専門医が非常勤で来ておりましたので、同じ敷地内の病院に月一
回受診しておりました。
共働きの私達にとって希望の施設に入れて、義母も楽しく暮らしておりました。
週一回は面会に行き、何かあれば私の職場から車で20分くらいでしたので、私が駆けつけました。
健康も徐々に取り戻し始め、治療枠の運動などもして最後のころはバトミントンや自転車こぎなどもして
おりました。ただただ骨折が残念でした。
こちらにいた4年間の間、長男家族は一度も面会には来ませんでした。
義母もかなり怒っておりました。でも育てたのは自分なのですから子育てに何かが足りなかったのでしょ
うね。
そんなわけでこの町に4年間セコムを付けたままの家が残り、義母の希望で私達夫婦が住むことになり
ました。
まだ神奈川に家があり、今は独身の息子が住んでくれてます。
私共も時々帰ったりしています。
義母を引き取り、健康を取り戻させこれからと言うときに亡くならせてしまいました。
今でも私が引き取って良かったのか、母の為になったのかわかりません。
義母はきっと自分の生れ育った土地で最後を迎えたかったと思います。
キジ&シロ母さん
コメントありがとうございます。
母は現在地元の大井川に近いグループホームに入居しています。
部屋の窓からは富士山やお茶畑が望め心穏やかな生活を送っています。
一時は私が住んでいる埼玉の介護施設入居への準備を進めましたが、最終的には親族の話し合いで地元の施設に入居することになりました。
母が生まれ育ち過ごしてきた土地であり、又、気候が温暖な地域ですから今思えば何よりだったと思っています。
キジ&シロさんの今回のコメントでお義母様のことを知り、各家庭により様々な親との関わりや介護問題があるんだな~と改めて感じました。
親の介護については、どのような対応がベストなのか?、いろいろな考えや感情的なこともありますから難しいものがありますね。
お話の中にあるご長男さんとご主人のことですが、
>息子二人は現実を見ることが嫌だったんですね。
実は私も当初は全く同じような対応をしました。今思えば ”現実を見ることが嫌だった” んですね。男(息子)というのは得てしてそうした感情を持つのかもしれません。
しばらくの間、義理の姉(亡長男の嫁)から母のこと(認知症や一人暮らしの不安など)をいろいろ教えてもらったり、対応を急ぐべきだという助言を多くいただきました。
一方で私は「まだ大丈夫だ」という安易な気持ち(現実を見ることが嫌)がありましたが、姉から何度も助言され後押しされ、更には妻からも言われるようになり、ようやく現実に目を向けることができました。
以後、現実の母の状況を ”直視” してからは、今まで見えなかった(見ようとしていなかった)ことがハッキリ見えてきました。
キジ&シロ母さんのご対応は、まるで義理の姉に似ていると思いました。
やはり女性というのは、特にこうした介護に対して客観的に物事が見えるんだな~と改めて感じるものがあります。
>今でも私が引き取って良かったのか・・・
私はキジ&シロ母さんの取った対応は良かったと思います。
当初施設への入所とその後グループホームに入居されてからは健康を取り戻し、楽しく暮らすことができたわけですからお義母様も幸せだったと思います。
最期の場所が生まれ育った所でなくても、心穏やかに過ごされたようですから何よりだったと思います。
貴重なお話ありがとうございました。