60歳からの現実(リアル) (16)

書籍「定年女子」から学ぶもの

行動半径を広げる反断捨離の生き方?

 

定年まで勤め上げる女性には、独身の人も多いし、シングルマザーの比率も高い。高齢の親と同居し、介護しながら働いている女性もたくさんいる。
また、仕事の重みは、何も男性だけが背負っているわけではない。仕事に打ち込んで、誇りを持って働いてきた人にとって、それを失うのが辛いのは、男性だろうと女性だろうと変わらないと思う。
岸本裕紀子著「定年女子」

昨年、私のカミサンも43年という長い仕事人生に終止符を打ち定年退職しました。
冒頭の岸本裕紀子さんの言葉は、長年共に生活してきたカミサンを見て「全くそのとおりだ」と頷くものがありました。
ブログ「妻の定年退職」

 

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更に岸本さんは、
もちろん、その年まで仕事ができたということは、家族の理解や協力があってのことだろうが、今のように、夫にも育休がみとめられているなどという好条件が用意されていたわけではなく、犠牲にしてきたことだって多かっただろう。
そんな中でなんとかがんばってきたのだ。
仕事への執着や、こだわりや、愛情は、男性に負けないくらい強いのである
「定年女子」より

何も男性だけが「定年退職」の対象ではないですよね。
男性も女性も仕事に対する情熱は同じであり、犠牲にしてきたものも多かったと思います。

 

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同世代の女子と男子

 

男性と女性の退職時の意識の違いは、定年退職を迎えた人(男性)に対する様々な書籍、関連雑誌・サイトにも書かれていますからあえてその点に細かく触れることは避けますが、一言でいえば「アイデンティティの喪失」「居場所の確保」なんでしょう。

なぜ今、「定年女子」なんでしょうか?
それは、岸本さんも書籍の中で言われていますが、定年退職する女性が10万人に達してきているということなんですね。
今から一世代前の団塊世代の家庭においては、男性は仕事、女性は家事・育児(専業主婦)という風に結婚生活の中で分業されていたのが一般的だったと思います。
それが、この間の社会情勢の変化やそれに伴う意識の変化によって働く女性(外に出て働き収入を得ること)が増えてきました。

私は今年61歳ですから今定年を迎える「女子」と同世代になります。
私も同じような社会情勢の中で生きてきたので、こうした女子の気質や性格などはよく分かるつもりです。
そのことを岸本さんが端的に表現している文に、
仕事が忙しくても、おしゃれにも、美容にも、食べ歩きにも、恋愛にも、旅にも、何にでも興味を持ち、どれも捨てたくなかった女性たち。だからこそ、子育てと家事、仕事の両立などという離れ業もやってのけたのである・・・。
つまり、女性は自分の生活や身の回りにやるべきことを探せるし、割り切って新しい何かに踏み出すのが得意だし、好奇心旺盛な上に同時進行でいろいろやってみるのが好きだからリタイア後も前進できる、ということだろうか。
岸本裕紀子著「定年女子」より

上記のような女子は、私の会社生活の中でもよく見かけたし、友人・知人にも多くいました。
だからそうした気質・性格も「そうだよな~」と納得するものがあります。

一方で、男子はどうなんだろうかというと、今まで散々言われているような「アイデンティティの喪失」が果たしてあるのか?、「居場所の確保」を求めて四苦八苦しているのか?
これもまた時代の変化によって一概に言えるものではないと思います。
前回のブログでも述べましたが、私たちの世代(男子女子含めて)は、相互の個性・多様性を認め合って、他人を傷つけることや憎むことも好まないし、何か、さらりとして、やさしく、「競争」という言葉が好きでない気質、性格なんです。
又、岸本さんの言葉を借りれば「割り切って新しい何かに踏み出すのが得意」なのかもしれません。
だから男子においては、会社からの指示(制度)に対して、あまりいい表現として使うことをためらう言葉ですが、「代わり身の速さ」「イエスマン」的な意識を持つこともあるのではないかと思います。
逆に言えば、「自分の立場をわきまえる」「現状を認識している」ということなのかもしれません。
もちろん私たちの世代が全てそうだとは言えませんが、このことが良い悪いということでなく傾向としてあるのではないかと思います。

 

仕事をしない生活を楽しむ知恵?

 

岸本さんは、著書「定年女子」の冒頭で、「60歳を過ぎても働く女性が増えている・・・。60歳まで働いた人は、さらに働くという道を選ぶことが主流」と述べていました。

その理由として三つ挙げています。
①経済的な理由~働かなくては食べていけない
②働くことが好き、働くことは面白い、社会に関わっていきたい。
③とりあえず、やることが見つからないから。

この三つの理由は、定年を迎える男性の場合と全く同じですね。一般的にはこの三つの理由が絡み合っているのが普通だと思います。
ここで岸本さんは、③の「やることがない」という理由も案外大きいようだ、と指摘していました。
この点(理由としての大きな要素)も男性にも当てはまることだと思います。
そう考えると男女の差はほとんどないように思えます。

では、何が違うかということは前述した岸本さんの文にもあるように定年後やることがなくても「自分の生活や身の回りにやるべきことを探せる」「好奇心旺盛な上に同時進行でやってみることが好き」という点なのかなと思いました。
この世代(定年を迎える世代)の男性の場合は、先ほど述べたように個性・多様性、割り切りを持った気質になってきていますが、行動として切り開いていくことに躊躇があるように感じます。
結果として、定年後働き続けてもこの三つの理由がいつまでも絡み合った状態で60代を終えてしまうように思えます。

そして、完全リタイアする時期(個人によってその年齢は異なる)、もう歳だから、もう年金生活だからといって断捨離していく生活に切り替えてしまう傾向があるように思います。
断捨離とは、「物」への執着から離れることから、使わない物や入ってきても不要な物を整理していくことで、それ自体有意義なことだと思いますが、行動範囲や人間関係までも狭めたりするようになってしまうことも多々あるように感じます。

岸本さんは、この点にも触れ、著書の「仕事をしない生活を楽しむ知恵」頁で、
取材を終えた結論からいうと、断捨離とは逆の方向で、それぞれが生活を広げている感じがした。行動半径、友人のネットワーク、そして趣味の対象など・・・。
そんなリタイア女性を見ていると、反断捨離の方向というか、生活を見直し、無駄を切り捨て、人生を小さく畳んでいくというよりは、70代前半ごろまでは、好奇心も行動半径も広がっていくように感じるのだ。
同著「定年女子」より

 

今や形だけの定年を迎えた後、継続雇用(再任用)や転職などで働き続ける男性、女性が圧倒的に多くなってきている時代です。
そして、完全リタイアの年齢もそれと同時に上がってきている時代ですが、その時期(完全リタイア)は個人によって様々です。
男性にとっての60代、働き続けても、リタイアしても ”人生を楽しむ知恵” は、女性の思考や行動に何か大きなヒントがあるように思います

それは、日常生活の中で普段男性が意識しない所や光景にあるように思えます。

 

4 thoughts on “60歳からの現実(リアル) (16)

  1. すーさん様

    こんにちは、こちらは雷雨もあったりしますが夏らしい夕暮れもみられます。
    こちらは少し走ると茶畑や里山があり、田舎に来たな~感があります。
    電車も3両編成(私は神奈川では12両編成でした。)で可愛いですね。
    さて定年女子はNHKのテレビでも放送されておりましたが、見逃してます。
    本を買って読もうかなと思います。
    我が家はこの町で認知症で独居だった母を神奈川に引き取り4年ほど介護して看取りました。
    空家になっていたこの家をどうしようかと言っておりましたが、主人の帰りたいとの気持ちがありUターン
    となりました。
    私はいつでも帰れるように神奈川の家はそのまま、息子が住んでくれてます。
    こちらに来てこの地になじみたいと陶芸教室や木工教室、紅茶のセミナーなどに参加してまいりましたが
    主人はどれも(いいや)とのことで、ジムだけは一緒に続けております。
    今では私の方が情報通となっております。(笑い)
    主人などわざわざ東京の友達と東京湾の釣り船に乗ったりしますので、こちらでも釣りをして知り合いを
    増やしたらと勧めやっと由比漁港の釣り船に乗った次第です。
    まだまだ会社員時代が捨てきれないらしく、OB会や株主総会などは必ず出席して楽しい時間をすごして
    るみたいです。こんなことなら神奈川にいた方がよかったのではないかと思いますが…
    我が主人、主夫になってはや5年。スーパーのチラシを見て買い物に出かけたりしております。
    食事も作ってくれておりますが、くれぐれも私は働いて子育てして親の介護して食事を作ったのよと言い
    聞かせております。今になって大変だったなァと感心しております。
    私はまだパート勤務をしており、定年は迎えておりません。
    働いて、ジムに行き、陶芸を続け、興味のあるとことに出かけたいと思います。
    ただ近頃は不要な物の整理を始めました。
    ガラクタを残して居なくなったら、子供達が迷惑するだろうと思いました。
    すーさんのお家は綺麗に整理整頓なされてるんでしょうね…

    1. キジ&シロ母さん

      返信遅れましてすみませんでした。
      先週末から山仲間たちと登山に行って昨夜帰ってきました。

      今でも静岡の実家に帰ってきて茶畑や里山、大井川などを見るとゆったりした時間が流れる田舎に来たな~と思ったりします(笑)

      私の山仲間は全員会社時代からの同僚、先輩で今でも続いています。
      そんな仲間たちも昨年65歳で継続雇用定年した人、又、来年継続雇用定年を迎える人が3人います。登山の行きかえりの車の中で、完全定年したらこの先どうしようか?という話題になりました。皆それぞれ迷い、悩みがあるようです。
      共通している点は、やはり奥さんや家族との関係と「自分の居場所の確保」でした。
      定年退職した人、又、これから定年を迎える人の典型なのでしょうか。

      この登山仲間の一人Hさんの奥さん(専業主婦)は、Hさんのご両親の介護を続け、二人とも最期まで世話を続け看取ったそうです。
      「奥さんは今まで、子育て、ご両親の介護に自分の人生を捧げてきたんですね」と話したところ「う~ん、そうだよな~」と頷いていました。
      奥さんは現在、パートに出て仕事をしているそうです。奥さんは、仕事の面白さや友人たちとの付き合いなどで楽しんいるようです。
      そして、Hさんと奥さんの間には、目に見えない溝が出てきたようなことを言っていました。

      夫婦のことは他人には分かりませんが、特に男性については、「居場所の確保」が大きな課題のようです。

  2. こんにちは すーさん
    団塊の世代の方々が70歳を迎えだし テレビや雑誌などで 中年以上の人の様々なリスクを取り
    上げられています。最近では 週間現代「100歳まで生きるためしてはいけないこと」 
    PRESIDENT「実家の大々問題」などがありました。
    内容は両方ともよく似ており 病気・介護リスク 遺産相続リスク 動産・不動産リスク 家督
    継承リスクについて書かれています。
    私は これらすべてを経験しました。
    いろんな情報がある中で 争族(相続)問題は大変ですね。
    私の場合 2人の兄がいますが 何も揉める事もなく仲良く解決し 家督継承は私がしておりま
    す。
    正直言って 家督継承は大変です。だって 一生続きますからね。
    これから先 自分が経験したことを いずれは子供たちが経験するので確りと教えたいと思いま
    す。

    1. 山鯨笹蟹さん

      コメントありがとうございます。
      山鯨さんがおっしゃるように60代以降になると、病気・介護、遺産や相続などいろいろな問題が起きてきますよね。
      特に相続問題は、兄弟だけのことから更に輪が広がって拡大していく問題になりかねないですから。
      その点、山鯨さんの場合、「何も揉める事なく仲良く解決」されて良かったと思います。
      これからは家督継承ですか、いろいろとたいへんだと思いますが、やりがいのあることだと思います。

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