静岡「粟ケ岳」

粟ケ岳のシンボル~「茶」の字の正体は?

 

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牧の原台地からの粟ケ岳

静岡県掛川市と島田市の堺にある「茶」の字の山が粟ケ岳です。
島田市、藤枝市辺りからと大井川沿いからはっきり「茶」の字が遠望できます。
私が小・中学生の頃、校庭から毎日のように眺めていました。
この山は「あわがたけ」と言いますが、地元では「あわんたけ」と言って親しまれています。多分知らない人はいないくらい地元の名山だと思います。
私は、この山にいままで登ったことはありませんでした。富士山と同じように眺めて楽しむ山でした。「今日は天気がいいからあわんたけがよく見えるよ」といった風な感じて友人たちと仰ぎ見ていました。

この「茶」の字は、何でできているのでしょうか?
子どもの頃、「茶」の字なんだからお茶の木で作られていると思っていました。
ある時、あの字はお茶の木で作られていないそうだ、と友人の誰かが言ったことがありました。じゃ何で出来ているんだろ~と思いましたが、やっぱりお茶の木であってほしいと子どもながらに信じていました。                           今では誰でもどこからでもネット検索すれば、その答えはすぐにわかります。しかし、あえてその謎を封印したまま今まで過ごしてきました。
あれから半世紀、実家に滞在している今、あわんたけに行ってみようと思い立ちました。あの時の謎を解きに・・・。

 

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一号線バイパスから見えてきました。大井川の橋から茶の字がはっきり見えます。

 

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麓の東山に到着。お茶の産地です。ハイキング、登山者専用駐車場から茶の字がみえました。この場所から肉眼でははっきり見えませんが、やっぱりお茶の木ではないようです。  もっと背丈のある木のようです。

 

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ハイキングコースの案内板が頂上まで設置されているので迷うことはありません。

 

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お茶畑の中を頂上に向かってハイキングコース(農道)が続いています。

 

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冬といっても日中は暖かいです。半袖Tシャツと長袖シャツだけで充分でした。
お茶畑を過ぎていよいよ本格的な登山道に入っていきます。この辺りからは木立に囲まれ茶の字の正体がまったくわかりません。

 

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頂上にある阿波々神社           粟ケ岳頂上 標高532m

 

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富士山がうっすらと見えます        頂上からの眺望

 

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眼下に大井川と島田市           駿河湾も遠望できました

 

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さて、いよいよ茶の字の探索です。頂上から狭い舗装路が蛇行して続いています。
この舗装路に沿って木が植えてあります。多分これが茶の字の正体でしょう。
通りかかったハイカーに聞いてみました。やはりこの木の植え込みが茶の字型になっているそうです。そしてこの木は「ひのき」だそうです。

 

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写真左:舗装路を下っていくと、真っ直ぐにひのきが植えられていました。この植え込みが、「茶」の字の草冠の横棒でしょう。                        写真右:道路から下を覗くと、斜めに下方に向かってひのきが植えられています。
多分これは「茶」の字の草冠の下に斜めに書く字の型でしょう。              

近くに来ると「茶」の字があまりにも大きいので、その全容をつかむことはなかなか難しいです。多分そうだろうと思いつつ道路を下山していくとようやくわかりました!

 

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今、自分がどこにいるのかはっきりしました。そして、「茶」の字の型も今まで歩いて確認してきたひのきの列がこのようになっていたんですね!
登りは、案内板写真の左側林の中を登ってきたので、「茶」の字の全容は全くわかりませんでした。なるほど納得しました。

 

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昭和7年、銘茶の宣伝と観光効果を目的として松を植えました。遠方より眺めやすい様に構想を練り、縄に白い紙をつけて遠くから眺め形を造ったといいます。トランシーバーや携帯電話のある現代と違い当時の苦労は、並大抵のものではなかったと思います。     しかし、松くい虫には勝てず、昭和60年に約1000本のヒノキに植え替えられました。
富士山静岡空港からはっきり見ることができます。
案内板より

ということで、「茶」の字の正体は「ひのき」でした。
しかし、私にとっては今でも「お茶の木」です。四方をお茶畑に囲まれ、遠くから眺めればお茶畑を刈り込んだように見えます。そして、お茶の字なんだから、やっぱりお茶の木なんです。                                       そんなたわいもないことを思いながら汗をぬぐいつつ「あわんたけ」を後にしました。

 

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