東池袋大勝軒本店

食べ歩きシリーズ~元祖つけ麵「特製もりそば」

思い出をたどるこの一杯!

 

35年前、私がまだ20代後半だった時に東池袋の営業所(販売店)に配属になりました。
この営業所の裏手に東池袋大勝軒のお店がありました。
同僚から、「近くに美味しいラーメン屋があるから、昼飯に行ってみたら」と言われました。
この時が初めての東池袋大勝軒との出会いでした。

ちょうどその頃、東池袋にサンシャインビルができた時期でしたが、周辺の開発はまだ進んでいませんでした。
一帯はまだ民家や商店が混在する昭和のなごりが色濃くあるエリアでした。
このエリアには、大勝軒をはじめ定食屋、そば屋、とんかつ屋、純喫茶などがあり、ビル群に囲まれた路地裏といった雰囲気がありました。

当時は今のようなラーメンブームではなかったですが、大勝軒は昼食時になると長蛇の列が出来ていたことを今でも鮮明に覚えています。
店の間口は狭く、店内はカウンターとテーブル席合わせて15席?ぐらいだったでしょうか。
午前11頃から行列ができ始め、確か午後3時頃に閉店してしまうまでお客さんで込み合っていました。
店内が狭かったせいか隣のお客さんと肩が触れ合い、皆さん一心不乱に食べていた記憶があります。
又、店内からお客さんがあふれ出し、店前に駐車した車のボンネットをテーブル代わりにして食べていたお客さんもいました。
今思えば当時としてはすごい繁盛店であり、すごい時代だったんですね(笑)

 

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当時の写真 (画像転用)

それから20年後、私は再び東池袋の営業店の責任者として赴任することになりました。
あの大勝軒はどうなっているんだろうかと密かな思いを抱きながら訪れてみました。
20年前の当時と変わらない繁盛ぶりです。少しづつラーメンブームが起ってきた時代ということもあってか、当時と比べてお弟子さん達が増えていたように思いました。
変わったと言えば、店主の山岸一雄さんの体調がすぐれないとのことで、狭い厨房の中で時々お弟子さん達が代わってラーメンづくりをしていた記憶があります。

ラーメン好きの人にとっては多分ご存知だと思いますが、今流行りの「つけ麵」はこの東池袋大勝軒が発祥とされています。
このつけ麵は「特製もりそば」として今でもメニューの名前は変わっていません。

特製もりそばの麺はモチモチとした中太麺の自家製麺と聞いています。スープは豚・鶏ガラと煮干し・サバぶしなどの魚介系を合わせ、醤油をベースに少し酸味のある味が特徴です。
他にない味わいのスープで、飽きのこないクセになる味ということからリピーターが多いのではないかと思います。

そしてあれから15年後の今、再び東池袋を訪れました。
東池袋再開発(2007年頃~?)に伴い、当時のお店はなくなりました。
近くに移転したことは知っていましたが、まだ訪れたことはありませんでした。
又、店主の山岸さんはすでに亡くなり、現在はお弟子さんが引き継ぎ本店として営業しているとのことでした。

そんな思い出の大勝軒に行ってみました。

 

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地下鉄有楽町線の東池袋駅の改札を出ると、今まで見たこともないような光景が現れました。
いったいここはどこだ? と思うくらい変わっていました。
通勤していた頃の面影は全くありませんでした。再開発が進んだんですね~。

方向感覚がわからないまま歩いていくと、大勝軒ののれんが見えました。
ああ~、ここが本店なんだ。
店内に入ると、昔の大勝軒のスケッチが飾ってありました。いや~懐かしいですね~。

 

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注文はもちろん「特製もりそば」(800円)です。

もっちりとした中太麺は変わっていません。
最近のつけ麵は極太麺が主流ですが、私はこの中太麺の方が食べやすいので好きです。

 

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醤油をベースにしたつけダレは、ほんのりと煮干しなどの魚介系の香が漂ってきます。
このタレの中に大きなチャーシューが一枚入っています。

 

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中太麺のため、少し濃い目のつけダレでもちょうどよい加減で食べ続けることができます。
甘味を感じさせる麺とタレに少し酸味(酢)が効いているのが特徴です。この味も当時のままでした。
少し変わったかな~と思うのは、つけダレが当時に比べ甘めになったような気がしました。
最近のお客さんの嗜好に合わせたのかもしれません。

 

”飽きのこない味=ちょうど良い加減の味” ~もう一度食べたくなる・・・。
大勝軒に関わらず、全国の繁盛店の共通した一品なのかもしれません。

6 thoughts on “東池袋大勝軒本店

    1. 匿名さん

      コメントありがとうございます。
      匿名さんも東池袋大勝軒によく行かれたんですか?
      当時通った方にとっては懐かしいと思います。
      神保町さぶちゃんには行ったことはないですが、こちらのお店は閉店されたようですね。
      お店がなくなってから思い出すと、やっぱり懐かしさが沸き起こりますね。

      当ブログでも紹介したことがありますが、永福町系の「大勝軒武蔵高萩店」が一昨年閉店しました。
      このお店は私たち夫婦そろって30年近く通ったNO1ラーメン店でした。
      先日ネットを検索していたところ、このお店が再開したとの情報を得ました。
      再開といっても永福町本店で修業した方が店主として同店舗を利用し開店したとのことでした。
      昨日カミサンと二人で行ってきました。
      同じ系列店の味ではありますが、やっぱり前店主が作った味とは違っていました。
      う~ん、あのラーメンをもう一度食べた~い!とカミサンと二人で思い出話になりました(笑)

  1. たいがい1時間以上並んでましたね。天邪鬼なんでもりそばより中華そばを頼む事が多かったで
    す。匿名

    1. 匿名さん

      確かに1時間以上並びましたね(笑)
      昼休憩が1時間なので並ぶだけで時間オーバーしてしまい、なかなか行くことができませんでした。
      私もよく中華そば頼みましたよ。どちらかというと中華そばの方が多かったと思います。
      どこか後を引く味なんですね。

  2. 料理は料理人の作品ですから料理人が替われば同じ味は難しいのかなと思います。
    あっちこっちのあの味が消えていくのを悲しみながら同時に新たなあの味を探してもがいてます。
    匿名

    1. 匿名さん

      >料理人が替われば同じ味は難しいのかな
      >あっちこっちのあの味が消えていくのを悲しみながら

      全くその通りですね。
      これはしょうがないことなんですね。匿名さんのおっしゃるように「新たな味を探して」いきたいと思っています。それもまた楽しみのひとつです。

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