舞台演劇「走る」

脚本家「倉本聰」の斬新な演劇

 

倉本聰といえば、皆さんもご存じの「北の国から」という作品が有名ですよね。
その他にも北海道富良野を舞台にした「優しい時間」、「風のガーデン」などのテレビドラマもあります。

「優しい時間」と「風のガーデン」は、先日DVDで一気に観ました。
家族をテーマにした悲しくもあり心温まる作品として深く印象に残るドラマでした。

そんな倉本聰が、今回は舞台演劇「走る」を脚本・演出して全国公演していることを耳にしました。
ぜひ観てみたいと思い、早速公演スケジュールを調べてみたところ、近場の東京公演はすでにチケットが完売。
近い所で富士市公演があり、まだ大丈夫ということで早々購入しました。

「走る」は文字通り演者が舞台を縦横無尽に駆け抜ける一大エンターテイメント。
ランナーたちが「走る」姿を通して、「人生」が描かれる「人間ドラマ」に仕上がっている。
<富良野GROUP公演2017冬『走る』概要>より

 

2017走る2

 

2017走る1  2017走る5

今まで演劇やミュージカルなどいろいろ鑑賞してきましたが、役者が走る姿だけの舞台は初めてでした。
そういう意味ではかなり斬新な演劇です。

それぞれのランナーが「走る」中で、登場人物の生きざま、苦悩、笑いなどのセリフがあり、歌劇も取り入れていることからも今までにない面白い演出作品でした。

 

2017走る3  2017走る4

 

人は誰しも「人生」という果てしないコースのランナーであり、先の見えない異なるゴールを目指しながらも、走る中で感じた「生きる」という人生の大きな使命を果たすため、自身の壁にぶつかり、転びながらも一歩づつ進んでいる。
<同概要> より

それぞれのランナーたち(個人、仲間たち、夫婦など)が、一年を通して走り続けるレースの中で自分自身との戦いや家族・夫婦間の問題、友人同士の考えや意見の違いなどいろいろな人生ドラマが展開されていきます。

一般の演劇では主役がいて、その人を中心に物語が形成され展開していきますが、今回の「走る」では特に主役は存在せずそれぞれのランナー(役者)が主役といった舞台でした。
そういう意味では、「生きる」という人生の大きなテーマを訴え続けた物語だったのではないかと思います。

個人的な感想では、登場するランナーたちの中で一人にスポットを当てたかたちで(主役設定)、その人の人生ドラマをもっと深く追求した物語にした方が良かったのではないかと思いましたが・・・。

 

いずれにしても今までにない演出の舞台演劇で楽しく鑑賞できました。

終了後、団員の方々と共に倉本聰氏本人が舞台に現れたのには驚きました。
テレビドラマ「北の国から」が放映されてから35年が経つんですね。
倉本聰氏は82歳になるそうです。

今年の夏、北海道富良野にロングステイする予定です。
「北の国から」をはじめ、「優しい時間」「風のガーデン」の舞台となった富良野をゆっくり散策してみたいと今から楽しみにしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。