食べ歩きシリーズ
長蛇の列! 土手の伊勢屋
先日、カミサンと二人で「北海道暮らしフェア」に行った帰り、台東区日本堤にある「土手の伊勢屋」さんに行ってみました。
このフェアは、浅草の浅草寺近くの会館で開催されたので、終わってからの昼食を浅草近辺で考えていました。
浅草グルメといえば天丼が浮かびます。
天丼の有名店では、大黒屋、三定、葵丸新、天健、まさるさんなどの人気店があり、この内何店舗かは行ったことがありましたが、今回の「土手の伊勢屋」は初めてでした。
というのも、浅草寺を中心とする浅草界隈からちょっと外れた場所にあるため、店名は聞いていましたが訪れる機会はありませんでした。
浅草寺付近から三ノ輪方面に歩いて20分ほどの日本堤にあります。
お店は昔風の日本家屋で、通りを歩いているとすぐにわかりました。
歴史を感じさせる建物は何か期待できそうな予感がします。
PM1時、すでに大勢のお客さんの列ができていました。数えてみると20番目位です。
待ち時間は30分~40分位かな?と思っていましたが、これがとんでもないことでした!
店内に案内されるまで1時間10分、しかし、食べるまでの待ち時間はこれだけではありませんでした。
長蛇の列のため、お店の裏の路地まで続いています。なんと、この路地からスカイツリーが見えました。
この建物は「登録有形文化財」なんですね。なるほど納得です。
この店の名物は穴子と聞いていました。
天丼メニューには、イ・ロ・ハの3種類がありました。
イは、キス、イカのかき揚げ、海老2本、ししとうで1500円。
ロは、穴子、イカのかき揚げ、海老1本、野菜2種で2000円。
ハは、穴子、キス、小海老のかき揚げ、海老1本、野菜3種で2500円。
穴子入りがロとハでしたから、この2つを注文しました。
その他、なめこ椀(なめの味噌汁)を頼みましたが、これがなんともいえない美味でした。
たかが味噌汁、されど味噌汁ですね!
日本人でしたら一番馴染みのある食卓の一品は味噌汁ですから、この汁が美味しければその他のおかずやメインの料理も美味しく感じられると思います。
それだけ料理の重要な役割を持っているのではないでしょうか。
味噌汁一杯でも調理の手抜きを感じさせません。
味噌汁大好きオヤジにとっては感激でした。
天丼(ロ)
天丼(ハ)
う~ん、ボリューム満点でご飯が見えません!
穴子がはみ出しちゃってる~。
特に穴子とキス、イカと海老のかき揚げの魚介類の天ぷらは絶品でした。
なんといっても身がふっくらしていて、タレが染みていますがサックリとした食感はなんともいえませんでした。
しかし、天ぷらの量が多いため食べ進めていくと飽きてきます。
個人的な感想ですが、濃い口のタレと油がだんだんと胃にもたれてくる感じでした。
たしかに最初の数口は食べ応えがあり箸が進みましたが・・・。
もう少し天ぷらの量を抑えて提供された方が良いのではないかと思いました。
タレも含めせっかくの美味しい天ぷらですから、最後の一口まで飽きさせない満足感で〆ることができると思います。
店頭に並んでから外で1時間10分待ち、更に店内に入って天丼が出てくるまで30分でしたから計1時間40分。
そして食べ終わる時間まで計ったら2時間超えでした。
浅草の中心部から離れ、ちょっと不便な場所にありますが、これだけのお客さんが来る人気店なんですね。
ちなみにこのお店は、午後2時30分までの営業で(昼間の営業だけ)のれんを外していましたが、店頭にはまだ16人のお客さんが並んでいました。※並んでいるお客さんは入店できます。
久々に長時間待ったなんともすごいお店でした。
福岡市近くで育ちました。カツオだしのうどんに代表されるように大体が薄味で、汁も透き通りそのよいこ
ろあいがおいしいといわれるような土地柄です。
中学生の時北九州の小倉で初めてかつ丼を食べました。それまで○○丼と言われるものを食べたこと
がありませんでした。見た目も黒々として美しくはありません。
油分としょうゆ味が濃すぎて、気分が悪くなりました。ごちそうしてくれた叔母に悪いと思いお茶で呑み込
みました。以来、○○丼と名のつくものは口にしませんでした。
東京に進学後、どれもからいしょうゆ味で、どこの食べ物屋にも○○丼というものが当たり前のようにメ
ニューにある、いやそれしかないくらいなのには、東京の人はよっぽどおいしいもの知らずの味音痴だと
思ったものでした。そばつゆも醤油がらく、こういうのが落語でいうような粋というのかな?と感じたもので
した。
だんだんに東京の味に慣れ、親子丼(安いので)も食べるようになりました。しかし、おいしいと思ったこと
はありません。ある日、先輩がバイト代が入ったから奢ってやると、鶴巻町にあるアパートの近くの蕎麦
屋に連れて行ってくれました。そしていきなり天丼を二つ注文しました。私はびっくりし、ちょっと丼物は苦
手だというと、ここの天丼はうまいから食ってみろといい、金がある時しか食べられないから月に一回だ
け食べに来るんだと言いました。出てきたのは、白いご飯の上に大きなエビのてんぷらが2匹だけ椀から
はみ出しているエビの天丼でした。私は甲殻類も苦手だったので、二重に苦手な天丼を食べられるわけ
がないとますます胸が塞がったようでした。
しかし、エビのてんぷらを避けて食べた、たれが少なめにしみたご飯の一口がおいしかったのです。
恐る恐るのエビ天も生臭くなくおいしかったのです。
それからは、バイトの給料が入ると、月に一回、鶴巻町のこの店まで天丼を食べに行くようになりました。
50年近く経った今日でも、あの天丼は唯一のおいしさだったと思い出します。
ごてごてと具をのせない、これが天丼というものだと言わんばかりにどんと大きなエビ2匹揚げたての味
が引き立つ、ほどよいたれと白いご飯の加減が粋なおいしさでした。
17年前に家族で東京旅行をしたときに、その店を尋ねましたが、街の変容はなはだしく、そのあたりはビ
ルばかりになり跡さえわかりませんでした。息子たちにも食べさせたいと思ったのですが、名店でも老舗
でもない普通の蕎麦屋さんが残っているわけはありませんでした。
学生時代の東京生活のおかげで、○○丼も納豆も甲殻類もにらもレバも食べられるようになり、好き嫌
いがなくなりました。
先日、八王子あたりの焼き肉屋さんの話がありましたが、ここら辺りは昔から、炭鉱労働者を中心に、
牛・豚の臓物(ホルモン)を食べることは普通でしたので、今日でも焼肉屋は多く、何かあると家族で、職
場で連れだって焼き肉を食べに行きます。家庭でも焼き肉をよくします。子供たちが帰省するときは定番
です。
食べなれている私の家族でも、子供が中高生だったとき、夏休みに九重や別府、阿蘇に行ったときは、
また一段とおいしい焼き肉が堪能できたものです。
mittyさん
コメントありがとうございます。
日本は狭い国ですが、地方によって昔からいろいろな食文化が根付いていますね。
味噌や醤油、出汁の取り方、味付けなどさまざまです。
私は静岡出身ですが、東京に出てきた頃は、そばうどんのつゆの濃さには驚きました。
又、家内は北関東出身だったため、家庭料理は東京の味の濃さに更に輪をかけた濃さに閉口
したものでした。
しかし、慣れというのは恐ろしいもので、今ではその味付けが定番です。
mittyさんは九州出身のようですが、九州にはまだ旅行で一回しか行ったことがありません。
来年以降、家内とくるま旅を計画しているので、今から楽しみにしています。
例えば、関東に比べて醤油が甘いと聞いています。これもまたその土地ならではの味付けなの
かもしれません。
九州の焼肉もぜひ食べてみたいです。