これからの医療・介護負担に思うこと・・・
高額療養費負担の上限引き上げ
91歳になる母は、今年2月からグループホームに入居しています。
数ある老人介護施設の中でこの「グループホーム」というのは、主に認知症の方を対象にした施設です。
こうした施設に入居すると、施設から何かと連絡が入り意外とたいへんだ、なんていう話をよく耳にしますが、そんなことは全くありません。
今までに義母の特別養護老人ホーム(特養)、義父のサービス付き高齢者住宅、そして実母のグループホーム入居に関わってきました。
これらの施設で働く介護士や担当される介助の方々は、皆さんその道のプロです。
肉親の私たち以上に両親の身体状況を把握し専門的な知識を持って処置してくれます。
容態に変化がみられた時は、かかりつけ担当医師と連動しスピーディな対応をしていただけます。
今回、母の容態に変化(継続した高熱)があり、担当医師の判断で最寄りの総合病院で検査入院することになりました。
通常であれば普通の検査入院ですが、病状からして完全個室対応での検査になり「付き添い」を依頼されました。
深夜、埼玉から急きょ車を飛ばして静岡に向かい、先に来ていた兄と交代しました。
完全リタイアしている身ですから、いつでも何日間でも付き添うことができます。これも早期退職したメリットなのかもしれません。
入院する際には、洗面道具やタオル、コップなどの「持ち物」があります。これらの品は、入居しているグループホームの担当の方が全て準備していただいていたので助かりました。
病院から入退院に関しての説明を受けました。
この中で「後期高齢者医療負担減額認定」という説明がありました。
あまり聞き慣れない言葉ですが、これは70歳以上、又は75歳以上の後期高齢者を対象に医療負担が減額される制度です。
在住する市町村の役所に申請すれば「認定証」が発行され、精算時に提示することで医療費は自己負担上限内で済みます。
こうした制度も実際に体験してみてよくわかりました。
高額療養費は、一ヶ月あたりの医療費のうち上限を超えた分を払い戻すものです。
入院時に病院から「後期高齢者医療限度適用」の説明を受けました。
早速、母が在住する市役所に出向き認定証を発行してもらいました。
こうした制度は、いざ入院や外来治療という時にたいへん助かるものです。
しかし、この制度(高額療養費)がそのまま継続するかというとそうでもないようです。
厚生労働省ではこの制度の上限引き上げを検討していて、現在行われている国会の参議院予算委員会の中でも審議されています。
医療負担の増大
現在、医療費の窓口負担は、75歳以上が1割(現役並み所得者は3割)、70~74歳は2014年4月以降に70歳になった人から2割負担に引き上げられています。(2015年度で1500万人)
現在、厚生労働省の具体案の中で、後期高齢者の窓口負担を1割から2割に引き上げることが検討されています。
このことは、減額され続ける年金生活の中ではたいへんな負担増につながります。
現在の75歳以上の方だけの話ではなく、私たち世代もその負担を強いられることになります。
今は1割、これからは2割、私たちの世代は3割?になるのも目に見えているようです。
要介護の利用負担が1割から2割へ?
現在、母は要介護1です。義父は要介護2になっています。
今回の母の病状悪化やこれまでの容態状況から判断して、要介護2以上が妥当ではないかと思っています。
介護認定の更新は年1回ですが、期の途中でも申請すれば審査が行われ認定判断されるようです。
現在、母はグループホームに入居していますが、一ヶ月の施設利用と介護費用合わせて14万円位です。
これから入居を検討、予定されている方の参考になればと思います。
その他、消耗品類やオムツなどの経費がありますので、だいたい15万円弱といったところでしょうか。
施設に支払う利用料の約14万円の中で、介護サービスの利用者負担金は約2万6千円位です。
介護サービスは単位制で利用した頻度で計算されるようです。(下記写真資料)
2018年度からの介護保険制度改変を検討している厚生労働省が、介護サービス利用料の2割負担の対象にする利用者拡大を審議会に示しました。
介護保険は、2000年の制度発足以来、利用料は1割負担が続いてきましたが、昨年8月から一定所得以上の利用者に2割負担を求める仕組みが導入さました。
2割負担の対象者をどこまで拡大するかは同省ではまだ具体的に示していませんが、介護給付費などの社会保障費の削減・抑制を求める財務省は、まず65~74歳を2割負担にし、その後75歳以上に拡大することを要求している。
介護保険制度改変の関連サイトより
仮に2割負担になったら一ヶ月5万円以上の利用料になり、かなりの負担増が発生します。
現在行われている国会の参議院予算委員会の中で、高齢者の高額療養費負担の上限引き上げ、医療費負担割合の拡大、そして介護保険制度の1割から2割負担などが審議されています。
親の介護にたずさわっている私たち世代にとっては、医療・介護費用は大きな関心事です。
そして更に問題なのは、これからの自分たちの医療・介護にかかる費用が確実に拡大してくることです。
今年7月に行われた参議院選挙で安倍首相は、
「アベノミクスの果実を社会保障に回す!」「アベノミクスで社会保障の充実を!」
と繰り返して演説していました。
私だけでなく有権者の皆さんのほとんどは、この言葉や演説の内容をはっきり聞いてると思います。
選挙からまだ3ヶ月しか経っていません。
どうなんでしょうか?
多数派による現政権では、ほぼこれらの議案は可決される見込みが高いです。
私たち国民の声は、何ら国会に反映されていないようです。