介護制度を考える

義父母の介護

定年退職を迎える前後の50~60代世代は、これからのセカンドライフをどのように過ごしていこうかといことを考える年代です。自分やカミサンとの夫婦生活をより充実したものにしていこうと考えている方は多いと思います。そうした生活の中に、ほぼ必ずといっていいほど介護問題が入ってくることは間違いありません。

私の義父は今年94歳、義母は93歳になります。日本人の平均寿命からみれば長寿です。現在、義父は要支援2認定で、週1回のお掃除と週2回のデイサービスを受け、実家で一人暮らしです。又、義母は要介護3認定で、特別養護老人ホームの施設に入居しています。                                      ここまで来るのに約6年ほどかかっています。義父母がまだ健在であった頃はよいのですが、足腰の弱りから自由に動けなくなる80歳代後半になる頃、次第に老老介護になっていく様子を目の当たりにしました。                            世間で言われれていた社会問題が、自分たちの身に近づいていた現実を受け入れるのに時間はかかりませんでした。それからは数年間、毎週のようにカミサンと実家に出向き、義弟とともに世話をする日々を送ってきました。

老老介護問題は、一般的に社会の核家族化が進んでいることから発生してくる問題であると言われています。いろいろな家庭の事情や家族間の問題もあるかと思いますが、子が親の世話をすることは当然のことであり避けて通れない問題です。老老介護

政治と社会保障

義母は、3年前介護3の認定を受け、運よく特養に入居することができました。費用は月6万円程度です。若いころ働いていたこともあり、自分の厚生年金で充分に賄えることができます。特に持病があるわけでなく病気治療などの費用はかかりません。特養への入居は、一般的に200人待ちなどと言われています。もちろん介護レベルでその順番は決まるものですが、入居できたことはラッキーでした。

しかし、自宅にいてほとんど動くことができない義父は、要支援2のままでケアマネジャーとの相談でも要介護認定に至っていません。要支援であっても現在の制度からデイサービスを受け、施設でのコミュニケーションを楽しみにしている義父の顔を見るとホッとします。要介護認定

日本が高齢化社会にすすむ中、これからの社会保障は大きな課題だと思います。要介護認定を受けていても施設になかなか入れない現実や高額な老人ホーム、介護施設の現状を見るかぎり、将来の社会保障問題を考えずにはいられません。

消費税増税分が、社会保障にほんとうに使われるのか? 介護ということをひとつ取ってみても政治と密接に関係していることを切実に感じます。

現政府の「社会保障制度改革プログラム法案」の介護では、「要支援者」から訪問介護と通所介護を取り上げ、特別養護老人ホームから要介護1、2の人を締め出し、在宅でも施設でも利用料の大負担増をすすめています。

今ある制度をもっと充実してもらいたいという願いのものから、逆に後退する制度になっていくことに疑問と怒りを感じます。