回覧板の広報案内~
「社交ダンス教室初級講座」?
先日、娘夫婦と会う機会がありました。
報告や世間話をしている中、娘が「お父さん、二人で社交ダンスをはじめたよ」と。
社交ダンスといえば、ご年配の方々の趣味やサークル、「古臭い」「時代遅れ」というイメージが先行してしまいますが、一方では私なりに「憬れ」的な存在でもありました。
若者世代の社交ダンスと聞けば、逆に新鮮な響きがありました。
娘夫婦二人は、その場に立ってワルツの軽いステップを踏みながら練習した成果を披露してくれました。
今年は4月から町内会の班長の役割が回ってきました。(輪番制で1年間)
日ごろの定期的な役割としては、回覧板の管理があります。
班長でなかった頃、回ってきた回覧板はほとんど見ることもなくサインだけして隣に回していました。しかし、今年は班長ということで一応は回覧板の中身(書類や広報)に目を通すようにしています。 ある時、広報紙の片隅に「社交ダンス教室初級講座」の案内がありました。
普段であればサッと流してしまう案内ですが、何か引っかかるものがありました。
それは、先日の娘夫婦の社交ダンスのことがキッカケで20年前の「憬れ」的なダンスがよみがえってきたことでした。
1996年映画「Shall we ダンス?」(周防監督、役所広司主演)が公開されました。
この映画は皆さんも多分ご存じだと思います。
本作品の人気を受け、かつて日本では「時代遅れ」「何か怪しげ」と思われがちであった社交ダンスが見直され、一部に社交ダンスブームを巻き起こしたと言われている。
また”Shaii we ダンス?”は社交ダンスの代名詞ともなった。
ウィキペディア
映画の中で主人公の役所広司が、通勤途中の駅前にあるダンス教室を見上げ、入ろうかと躊躇しながら迷ったあげく教室に入った場面がありました。
この映画を観てから社交ダンスに興味を持ち、やってみたいなと思った時代でした。 当時、私もサラリーマンとして電車で通勤していました。最寄りの駅前に「社交ダンス教室」があり、映画の場面と同じようにビルの窓ガラスに「社交ダンス」という大きな文字が張られていました。 ある時、意を決してその教室の扉の前に立ったことがありましたが、入る勇気がなく戻ってきた思い出があります。
あれから20年、今度は娘夫婦や広報の案内が私の背中を押してくれました。
今年退職したカミサンに「社交ダンスの講座があるけど、やってみないか?」と声をかけたところ二つ返事で「やってみよう!」ということになりました。
この講座は、地元のサークルが中心に実施しているということで無料の講座でした。
本格的な私営のダンス教室に比べれば敷居は低く、はじめて習う方を中心に教えてくれるということでの気軽さがありました。
申し込み参加者は12名でした。ほほ全員がはじめてダンスを習う方々ばかりで、先生とお手伝いのサークルメンバーを含め20名を超える教室になりました。
私たち二人は事前の予備知識もなく、ただやってみたいという気持ちだけでこの初級講座に飛び込みましたが、はじめて参加される方も全く同じような思いだったようです。
そういう点ではお互い緊張もなく気軽に習うことができました。
最初はワルツの基本足型ステップからでした。
ナチュラルスピンターン?リバースターン?などという初めて聞く言葉がありました。
サークルメンバーの手慣れたご婦人と組み、ぎこちない足取りでステップを踏みながらの講習風景は、傍から見れば多分滑稽なオヤジの姿だったのでしょう。
そんなことも気にせず無我夢中で習った90分はアッという間でした。
初級講座は2回でした。1週間後の2回目は約2時間の講座で、こちらも手取り足取り教えていただきました。
団塊世代の背中と60歳からのリアル
私は先日60歳になりました。
日本人男性の健康寿命まで10年あります。この期間が長いか短いという捉え方は、個人によってさまざまだと思います。
60歳(60代)という年齢は自分が何をしたら幸せになれるかについて考えることが、社会的に許されるということだ。今まで仕事をしているがために犠牲にしてきたものがあったとすれば、その犠牲になっていたものを救い出すことができる。止められても繰り返そう。自分は何をしているときに幸せを感じるのか、自らを顧みるタイミングが60歳(60代)だ。
「60歳からの現実」 監修 日本総合研究所
以前、ブログにアップした「60歳からの現実(リアル)」に記載した一文を思い出しました。
今回、この社交ダンス講座に参加された皆さんは、ほとんどが60代の方々でした。
20数名中、私が一番若かったといえば詳しく説明しなくてもお分かりかと思います。
中でも団塊世代の方が最も多いように思えました。特に団塊世代の方々が若かった頃にこの社交ダンスが流行っていたと聞いています。
私たちの世代以降(昭和30年代生まれ)、社交ダンス自体ほとんど皆無に近かったと思います。
今まで仕事をしてきた中で常に団塊世代という先輩の背中を見てきました。
退職以降、現在趣味にしている登山、くるま旅においても常にこの先輩方の背中が目の前にありました。 そして今回、社交ダンスにおいてもしかりでした。
このエネルギッシュな世代の後を今でも追いかけているように思えます。
60歳(60代)は、まさにこの世代の方々が持っていた気力・体力・好奇心を受け継ぎ、今まで躊躇して出来なかったものにチャレンジしていくことなのかなと、改めて感じるものがありました。。