南九州の山旅 (5) 霧島山

日本百名山99座目!

ミヤマキリシマ咲く韓国岳

 

深田久弥氏が選定した日本百名山の山は大きく分けて3つに分類されると思います。
①誰もが見てわかる単独峰 ②広大な山脈の中に一際突出した山塊 ③山群として総称する山。

単独峰は、富士山、大山、白山、鳥海山、燧ケ岳、岩木山、後方羊蹄山、利尻岳など。
②は北・南・中央アルプス、北海道の日高山脈などの中にある名峰。
③「山群」として丹沢、九重、赤城、天城、阿寒など、そして「霧島山」があります。

この霧島山は、最高峰の韓国岳1700m(からくにだけ)をはじめ、高千穂峰、新燃岳、獅子戸岳、大幡山などからなる活火山群の総称です。
地理的には鹿児島県と宮崎県の県境に位置します。最近では新燃岳(しんもえだけ)の噴火により一部登山道が閉鎖されたことでも話題になりました。

こうした山群の場合、日本百名山を目指す登山者にとってどの山?・峰?を登頂することで達成したかは定かではありません。本来であれば全山縦走することで登頂記念とすべきでしょうが、実際は難しいです。
一般的に登山者の間では、その山群の最高峰に登頂することで達成したとされています。
そういう意味で今回の霧島山の場合は、「韓国岳」を目指すことになりますが、深田久弥氏の著書「日本百名山・霧島山」では、そのほとんどが「高千穂峰」(1574m)について記述されていました。

その雲にそびゆる高千穂の高嶺は、霧島山の代表である。建国の記念日の歌に高千穂を持ってきたわけは、わが国の創始を説く「古事記」に、天孫ニニギノミコトがこの峰に降臨されたと記してあるからである・・・。
天孫降臨は神話的伝説であろうが、その伝説にふさわしい秀麗な山容を、高千穂峰は持っている。

そんなことから、韓国岳にこだわらず高千穂峰まで縦走する登山を計画していました。
しかし、韓国岳と高千穂峰の中間にある新燃岳の噴火により縦走できなくなりました。そこで考えたのが、一度韓国岳に登り下山後に高千穂峰の登山口まで約7km車移動するプランでした。

 

連泊している鹿児島市内のホテルから韓国岳登山口のある「えびの高原」まで約70km。早朝5時過ぎレンタカーで九州自動車道を走らせ向かいました。

 

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登山口の「えびの高原」

観光地としても有名な所のようで広大な駐車場を備え、各種ショップやレストランなどの建物がありました。
韓国岳を目指す登山者だけでなく、高原散策の遊歩道、大浪池トレッキング、温泉めぐりなどの観光客、ハイカーが多く訪れるようです。

早朝7時、韓国岳登山者だけが駐車され、一般の観光客やハイカーの姿はまだありませんでした。しかし、下山後は駐車場が満車状態で、駐車待ちする車が列をなしていました。

 

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四合目あたりから眼下に望む硫黄山の活発な噴気活動。
最初飛行機の騒音と思われるゴーゴーという音が連続して聞こえてました。これが噴気する音と聞いてちょと不安な気持ちで登りました。

登山中、千葉県野田市から来られた同年代のご夫妻と一緒に頂上を目指しました。
このご夫妻は日本百名山踏破のくるま旅をしている方でした。四国の2山を登り、九州の九重山、阿蘇山、祖母山を経て、昨日開聞岳に登ってきたと話していました。
「えっ、昨日開聞岳に登られたんですか?、私も行ったんですよ! もしかしてすれ違っていたかも」。そんな山の話題で盛り上がり親しくなりました。
ご夫婦は霧島山が97座目だそうです。残りは木曽駒ケ岳と空木岳、そして100座目は奥穂高岳に決めていると語っていました。

屋久島の宮之浦岳でお会いした同年代の3人パーティの登山者は同じ埼玉県在住の方々でした。
2年続けてのコロナ禍で九州方面の百名山に来れなかった登山者が、ようやく来れたと同じように話していました。やっぱり皆さん考えることは似ているんですね。

 

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霧島山「韓国岳」99座目登頂!

この韓国岳は火口縁に頂上がありました。このような頂上は意外とあります。例えば、富士山、岩手山、後方羊蹄山、雌阿寒岳、焼岳などです。

 

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韓国岳から望む霧島山群の山並み

手前中央は、現在噴火活動のある新燃岳、後方が高千穂峰。ここから見るとやはり高千穂峰の雄姿が一際目立ちます。
前述したように、ここから高千穂峰までの縦走路がありますが、残念ながら新燃岳の火山活動により現在は立ち入り禁止区域になっていました。

 

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眼下に見えるのが「大浪池」
この後、大浪池に下山して行きました。登山道は木道が整備されミヤマキリシマが咲き誇っていました。

 

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ミヤマキリシマは5月下旬から6月にかけて咲くため、この時期多くのハイカーが訪れていました。

下山後、今度は高千穂峰に向け、えびのスカイラインを利用して高千穂河原ビジターセンター(登山口)を目指しました。
しかし、途中の道路脇にはビッシリと車が駐車されていて、何かおかしいな? そんな思いを抱きつつ進むと完全な渋滞にはまってしまいました。
つまり、高千穂峰に向かう登山者が殺到していて、ビジターセンターにある駐車場は満車状態。駐車場に入れない車が渋滞の列をなしていたんです。脇道の隙間に駐車しようと考えましたが、そこは皆さん考えることは同じで、そんな空きスペースは全くありませんでした。

今回は一応最高峰の韓国岳を登頂したこともあり、残念ながら高千穂峰は諦めることにしました。
初めて霧島山に来て、その姿はどんな山群になっているのか?、どこか離れた展望台から見渡すことができる場所はないか?など探す時間的余裕というものはありませんでした。
仮に近場に住んでいるのであれば、そうした場所はわかりますが、知らない地域を車で移動しているのですから難しいです。
そんなことで、霧島山の山群は韓国岳頂上から見ただけで終わってしまいました。もちろん天気が良かったため展望できた点では満足するものでした。

実は、霧島山群の全体を見れるチャンスが意外にも帰る日に訪れました!
それは、鹿児島空港から飛行機に搭乗した時とその上空からすべて見渡す機会があったことです。

 

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鹿児島空港の滑走路から遥か遠くに見える山並みが。まさに霧島山でした!
ちょうど座席が左後方に位置したことからその山容よく見えました。なんとラッキーなことか。
離陸後、今度はその上空を横切る航路になりました。

右側が高千穂峰、そして左側が今回登った韓国岳でした。

 

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中央の新燃岳も良く見えました。
韓国岳の頂上は大きな火口となっているため、遠くからみると全体として丸く見えます。一方、高千穂峰は深田氏が言うようにキリリとした「秀麗な山容」です。

霧島山が、「よく見て帰りなさい」と語っているようにみえました。
もう二度と来ることはないと思います。旅の最終日に99座目の雄姿が見れたことは思い出に深く残りました。

南九州の山旅の最後は、やはり「山」でした!

 

「南九州の山旅」 今度は観光とグルメが続きます。

2 thoughts on “南九州の山旅 (5) 霧島山

  1. すーさん 様

    お天気に恵まれましたね~!!
    山頂からの絶景や高山植物の写真を拝見して楽しませて貰っています。

    1. 後輩さん

      宮之浦岳と開聞岳、霧島山の三座は、天気に恵まれ本当にラッキーでした。
      屋久島から鹿児島に戻ってから丸4日間の日程を準備していました。この4日間の間に天気の様子をみながら開聞岳、霧島山を登る予定でした。
      現地で天気を確認したところ、1日目と2日目が晴マークだったため屋久島から戻った早々2日連続の登山になりました。
      残り2日間は雨でしたので、鹿児島観光とグルメに集中しました。ただ、やはり登山と旅の疲れが出たようで半日ほどホテルで休養してました。
      宿泊したホテルは天文館という繁華街に近かったこともあり、地元の名物を食べまくりました(笑)
      この時の様子については、またブログでアップしていきますので、引き続きお立ち寄りください。

      コメントありがとうございました。

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