ウクライナ危機と私たち

”対岸の火事” ではない!

核共有?九条改憲?、そして・・・

 

ロシアによるウクライナ侵攻が大きな問題として世界を揺るがしています。
どんな理由であれ武力をもって他国への侵略戦争は絶対に許されるものではありません。
これらに関する内容は、日々世界中のメディアによって報道されているので、ここではその詳細とコメントについては省きます。

このブログでは、今回のウクライナ危機を通し ”私たち自身の問題としてどのように捉えていくか” という点に焦点を当てて考えていきたいと思います。

「今すぐ戦争やめて!」という思いは、全世界の人々の願いではないでしょうか。
又、大多数のロシア国民は今回の侵攻を本当に望んでいるのか?と問えば、それは「ノー」と言うのではないでしょうか。
ではなぜこのような武力による侵略が起きたのか?

人類は過去に第一次、第二次世界大戦をはじめ、各地域での紛争を起こしてきました。
これらの戦争や紛争に共通することは、”権力を掌握したごく一部の人々の専行” によって国家全体を巻き込むものでした。
それは、独裁者であったり軍部であったりです。
日本のアジア・太平洋戦争の開始となった「満州事変」もまさにそうでした。軍部による専行と言論・報道統制で真実が覆い隠され歪められました。
よく「歴史は繰り返される」と言われます。たいへん残念な事ですが、今回のウクライナ問題も国民不在のところで専行したものだと思います。

こうした他国で起きている戦禍は「対岸の火事ではない」と思います。
戦後日本は「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」という平和憲法の下、戦禍にまみえることなく、又、他国を侵略することのない国として続いてきました。そして、これからも永久に続くことを願うものです。

しかし、今回のウクライナ危機に端を発して自民党の政治家から「核共有」論「九条改憲」論の声が大きくなってきていることに危惧します。
これらのことはすでに国会内でも「敵基地攻撃能力」保有の問題が取り上げられ議論されていました。

 

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安倍元首相の「核共有」論に関しての新聞記事(東京新聞、朝日新聞)

米国の核兵器を日本国内に配備し日米で共同運用する「核共有」について・・・。自民党の安倍晋三元首相が27日のフジテレビ番組で議論を始めるよう促した・・。
安倍氏は番組内で、ソ連崩壊後に核兵器を手放したウクライナに軍事侵攻されたことを踏まえて「世界の安全がどのように守られているかという現実の議論をタブー視してはならない」と訴えた。
3/1日付 東京新聞

このような動きは、安倍氏他自民党の一部政治家が主張していますが、更に日本維新の会が政党として「核共有」を提言していることも見逃すことはできません。

日本維新の会は3日、米国の核兵器を日本に配備して共同運用する「核共有」(ニュークリア・シェアリング)の「議論を開始する」ことなどを求めた「緊急提言」を外務省に提出しました。

 

ご存知の通り日本は非核三原則が国是です。
これらの発言や提言は恐ろしい方向に向かおうとしています。
日本は世界で唯一の被爆国です。その日本が核兵器禁止条約に批准していないことも問題ですが、国内に核を持ち込む、そして使おうとする行為は絶対に許すことはできません。
「日本も核共有する」という議論は、核による脅威に核で対抗しようというもので、プーチン政権と同じ考え・立場に身を置くことにほかなりません。

又、「九条改憲」論も見過ごすことはできません。
憲法に自衛隊を明記し、集団的自衛権の行使によって他国への派兵と攻撃を支援するものです。当然このことは戦争に加担することになり自国への反撃を受け、国内が戦禍にまみえることにつながります。

今回のロシアによるウクライナ侵攻は、プーチン大統領の演説にもあるように、「今回の軍事行動はウクライナ東部地域の『要請』を受けたもので、『集団的自衛』だ」としています。
これは自身の一方的な解釈で「集団的自衛」を盾にしたまったく根拠のない暴論ですが、こうしたかたちで「集団的自衛」を正義?大義?として使われる手段になりかねません。
これがまさに ”戦争への道” であるといえるのではないでしょうか。

”対岸の火事” の火の粉は、私たちの身の周りにも及びつつあると感じます。

 

言論と報道統制

 

日本のアジア・太平洋戦争にもありましたが、軍部による徹底した戦時統制が行われました。
現在のロシア国内における統制がどのようなことになっているのか気になっていました。
そんな中、日本のメディアによる報道がありました。

ロシア当局は地元メディアや教育、経済面などの統制強化を急ぐ。戦闘の実態を伝えてきた独立系メディアの規制、学校教育への介入、食料品の価格操作・・・。戦時統制で国民への締め付けを強めている。

ふつうは自由に利用できるインターネットも規制され、ツイッターなど一部の会員制交流サイト(SNS)は接続できなくなった。戦況の詳細を伝えるウクライナ側の情報を当局がブロックしているようだ。
3/3 東京新聞

 

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やはり、という思いがあります。
軍部によるこのような軍事統制は、戦時においての常套手段ともいえます。
ロシア国民にとって今回のウクライナ侵攻の実態がどのように伝わっているかわかりませんが、多分事実が歪曲されプーチン大統領をはじめとするロシア軍の正当性だけが報道されているのでしょう。
これらのことは、世界のメディアが報じているように、ロシア国民のウクライナ侵攻への抗議活動参加者を拘束する様子を見ても明らかなことです。

例えば、「集団的自衛」によって他国への派兵の情報が隠され統制されることも十分ありえます。
これがまさに戦争というものなのでしょう。

ウクライナ侵攻に乗じて、「核共有」や「九条改憲」論が大きく浮き上がってきています。
先の総選挙で自民党や日本維新の会を支持された人は多いです。そうした方々の多くが戦争への道を広げることに賛成しているとは思えません。
戦争への道というのは、前述したように歴史をたどれば一部の政治家やその周辺の人たちの専行によるものがほとんどです。

今私たちにとって大事なことは、これらの火種をしっかり消すことではないでしょうか。

2 thoughts on “ウクライナ危機と私たち

  1.  私は、61歳になり今後の指標として興味深く参考にさせて頂いており、感謝している次第であ
    ります。
     人は、いろんな意見があり、時代とともに情勢により今までと同じようにいかない事が起こっ
    てきます。国連でも、安保理の理事国が戦争を始め制御不能であります。現実的に、以前アメリ
    カから悪の帝国と言われた国々(リビアやイラクや北朝鮮)のうちリビアのカダフィ大佐やイラ
    クのフセイン大統領も核が無かった事で戦争になり滅んでしまいました。北朝鮮は、核があるせ
    いか今でも現存しています。ウクライナも核を放棄した事により戦争になってしまったと言われ
    ることもあります。
     国内ではなく、相手国の事情で何がおこるかわからない状況です。核をもった信用ならない国
    にかこまれている日本にとって、シベリア抑留も中国残留孤児等の悲劇も終戦後におこった事ば
    かりです。こうであると決めつけて思考停止する事ではなく、東京新聞ばかりでなく読売新聞で
    は、また違った意見があります。やはり、右から左まで議論をする事が大事だと思われます。

    1. 匿名さん

      はじめまして。
      ご意見ありがとうございます。

      「核保有」の考え方、対応のしかたなど様々な意見があることは承知しています。
      現在、世界で核保有している国は主に大国です。そこには ”強い力で” という意識と行動が見え隠れしています。
      実際に核が使われた場合、地球と人類がどうなってしまうかと思うとある程度想像できます。
      武力や核で相手国を押さえつけるのではなく、何事も話し合いで解決できたらと思います。
      それは現実性がない、理想論と言われるかもしれませんが、そうあってほしいという願いを込めて発信しています。

      今まで朝日新聞を購読していて、現在は東京新聞です。
      週に2度ほど図書館に行って読売新聞や毎日新聞にも目を通しています。すべて読むことはできませんが、主に政治や社会面、社説など読んでいます。
      確かに考え方や主張の内容の違いはありますね。いろいろな角度から物事をとらえていきたいと思います。

      貴重なコメントありがとうございました。

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