コロナ禍の登山
山小屋は「完全予約制」?!
昨年はコロナ禍で山仲間たちとの夏登山は中止しました。
そして今年はいったいどうなるのか先行き不透明の中、様子見してきました。
先月あたりから各自治体においてワクチン接種が少しづつですが進んできています。
こうした中で今年こそは ”北アルプスに行こう” ということで決まりました。
この時期の山岳雑誌は、「夏のアルプス」を特集する記事が増えてきます。
夏の登山は例年4~5日の日程で実施しています。
この日数は、せっかく行くのだから短期間(1泊2日程度)ではなく十分満喫できる期間ということで決めています。
又、北アルプスという奥深き山岳地帯に入り込んで行くため、短期間の行程には無理があることからです。
数日間を要する登山プランは、山小屋を何ケ所か宿泊することになります。
昔の山小屋というのは、団体以外であれば特に予約することもなく泊まることができました。
ここ数年、登山ブームの影響からか「出来るだけ予約を入れてください」という小屋側からの依頼に変わってきています。しかし、それは絶対的なものではありませんでした。
そして今年、コロナ禍での山小屋運営に当たって、「北アルプス山小屋友交会」のHPにこのようなことが書かれていました。
「本年は、各施設とも定員を減らした完全予約制での宿泊営業となります」
なるほど、コロナ感染対策の一環としての対応がこうしたかたちで進めるということなんですね。このような事態の中ではやはり何らかの規制や対応を図らなければならないと思います。
一般的に山小屋というのは、来るもの拒まず的な対応で運営されてきました。これは宿泊拒否(満員等で)しないことで遭難を防ぐためのものです。
そういうことから当たり前のことですが、避難小屋も常時開錠されています。
ただ、ハイシーズンともなれば登山客が殺到して快適に過ごすことができなくなります。
例えば、一つの布団に2~3人とか、廊下や土間で寝ることもあったりします。以前、ある小屋では収容人数を超えたため、屋外に専用テントを張ってそこで寝てもらうというのも見てきました。
小屋側にとっては登山客が来てもらえば経営上嬉しいと思いますが、やはり許容範囲というものを考えなければいけないし、更にコロナ禍ということでは「完全予約制」というのも理解できます。
そうなると今度は登山する側として、プランを早めに立案することが要求されてきます。
数日間のプランでは山小屋を利用しながらの登山(縦走)になるため、一つでも宿泊したい山小屋の予約が取れないということになれば、プランを再考しなければなりません。
平地にある宿は複数ありますが、山の場合、数キロのエリアにたった一軒しかない小屋は当たり前です。
山小屋の予約は、小屋によってやり方が異なります。
グループとして経営する山小屋の場合は複数個所の小屋運営のため、その代表先に連絡すれば一回で複数の小屋予約ができます。
しかし、これは少数派で一般的には泊まりたい小屋に連絡するのが普通です。
電話のみの受付、ネットだけの受付、電話とネット両方可能な受付など様々です。更に予約開始日が異なっています。
ハイシーズンの場合、この山小屋に泊まりたいといってもそう簡単に出来ないというのが実情ではないかと思います。
そんなことから早めのプランというのが必要なんですね。
この時期の登山には、単独やグループで登る以外に「登山ツアー」もあります。
先日、会員になっているモンベルからダイレクトメールが郵送されてきました。
会員になっている方はご存知だと思いますが、登山アイテムのカタログとツアー案内のメールです。
このツアー案内を見ていたところ、今回我々登山倶楽部の仲間たちと行く場所と日程がほぼ重なるツアーを発見しました。
「ああ~、やっぱり皆さん同じ時期に同じようなルートを選ぶんだな~」と思いましたね(笑)
そのツアータイトルは、
「北アルプスの秘境 憧れの雲ノ平と高天原温泉 5days」
「北アルプス最奥の百名山 裏銀座縦走登山 鷲羽岳・水晶岳 4days」
時期は7月下旬から8月上旬にかけて梅雨明けの好天に恵まれる可能性が最も高い時です。
このツアー企画以外にも同じ北アルプスの名峰と縦走ツアーがいくつも組まれていました。
このツアー案内を見て「ああ~そういうことなんだ」ということが一つ発見しました。
というのは、先ほどから山小屋予約のことを話してきましたが、こうしたツアー企画会社が宿泊人数をすでに抑えているんですね。
こうしたことは一般の旅行ツアーでも事前に宿泊施設を早い時期から抑えていると同じなんです。
そんなことから、各山小屋サイトの宿泊状況カレンダーは、7月下旬~8月お盆の時期までほとんどが△・✕の記号が付いてました。
モンベルの夏号イベントスケジュールの各種ツアー企画
今年の登山計画は、北アルプス最深部の ”雲ノ平” に行くことが大きな目的です。
そして、その過程で ”裏銀座パノラマコース” を歩き、更に、日本百名山の ”水晶岳と鷲羽岳” に登頂するプランです。
やっぱり山を志す岳人にとっては、一度は必ず行ってみたい秘境の地であり、360度見渡す限りの北アルプスの景観を満喫しながら闊歩してみたいルートです。
先日、山仲間たちと尾瀬トレッキングに行った先の山小屋で北アルプス登山の話題で盛り上がりました。
コロナ禍でなかなか出かけることができなかった気持ちからか、やはり大きな期待を持っていました。
これは登山に限らず一般的な観光旅行についても同じではないでしょうか。
観光地の宿泊施設もお客さんが大勢来てほしいけれど、一方ではコロナ感染の不安があると思います。
山小屋もまったく同じで一定の規制を設けなければならないことも理解できます。
コロナ感染・・・早く収束に向かってほしいと願うばかりです。