空木岳 前編

中央アルプスの主脈縦走

標高2700mの空中散歩!?

 

空木岳(うつぎだけ)、ようやくこの名峰に登ることができました。

日本百名山94座目の山です。
北・南・中央アルプスにそびえ立つ日本百名山の最後の山になりました。

今回の空木岳登山は、1泊2日の行程で途中「木曽殿山荘」に宿泊しました。
この時、同宿したシニア夫妻のご主人が空木岳で百座目達成ということを聞いて、宿泊した登山者全員で祝福しました。
又、この山荘には空木岳を百座目にした百名山達成者の記念写真が十数枚飾られていました。こうした個人的な登山者の写真が掲載されている山荘は珍しく、今まで泊まった山小屋では初めてのことでした。

今回の登山で百座目を迎えるご主人(神奈川県在住:72歳)に、この空木岳を百座目にした理由を聞いてみました。
「たまたまですよ。ただ最後に残っただけですよ(笑)」と一言。

「そうは言っても神奈川から近いですよね。来ようとすれば来れますよね」と話しましたが、百名山登頂を志す登山者にとっては現実はそうでないかもしれません。
そう言う私も埼玉なのに、比較的近いこの周辺の百名山の中で最後になったんですから(笑)

この方は北海道の大雪山を4度目にして登頂できたと話していました。
「天候の悪化、その時の体調などから何度行っても登れない時は登れないんですよ。だからたまたまそうなっちゃんですよ」と。

この方を含め十数人の登山者が、この空木岳がたまたま百座目になったのかもしれません。
そして私もこの近辺の百名山の中で最後になったということもあり、”何かがある山” なのかもしれませんね。

 

信州ご当地グルメ!

 

木曽の御嶽登山を終えて、車で駒ヶ根に向かいました。
この駒ヶ根からロープウェイを使って空木岳に登るためです。
木曽駒ケ岳や空木岳登山、千畳敷カールの観光など自然保護のために一般車両の入山は規制されています。このため麓にある菅の台がベース基地になります。
こうした車両規制は、北アルプスの上高地に入る沢渡、南アルプス入山口の芦安、尾瀬鳩待峠に入る尾瀬戸倉などと同じです。

ということで、明日の空木岳登山に向けて腹ごしらえです。
せっかく地方に来たのだからやっぱりご当地グルメが楽しみにひとつです。

 

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駒ヶ根と言えば、名物「ソースかつ丼」です!
数年前にカミサンと木曽駒ケ岳に登った帰りにこの名物を食したことがありました。
久しぶりのソースかつ丼ですから、ここはやっぱりこれで決まりですね。

この土地のB級グルメということから、沿道にはたくさんののぼり旗がはためいていました。
その中から老舗の「明治亭」にお邪魔しました。

 

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地元産の特性ソースが売りのようですね。

 

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ご飯少な目にしてもらいましたが、なんとボリュームのあるかつ丼でしょうか!
かつが大きいので小皿に取って食べるようです。
お肉は柔らかく、キャベツはサクサク、そして旨味と甘味のあるソースを更にかけて・・・。
う~ん、旨い!
お肉がボリューミーなのでご飯少な目でも満腹でした(笑)

 

 

千畳敷カールから稜線へ

 

関東方面から空木岳に登る登山口は主に2つあります。
一つは駒ヶ根ロープウェイを利用して中央アルプスの主稜線をたどるコース。もう一つは駒ヶ根高原から尾根を登るコースがあります。
私は前者の稜線縦走路を選び、途中「木曽殿山荘」泊で空木岳を目指しました。

 

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早朝6時、菅の台の広い駐車場はすでに8割ほど埋まっていました。
夏山シーズンを迎えて多くの登山者や観光客が早朝から殺到していました。
始発のバスとロープウェイに乗るためキップ売場(セット券)は長蛇の列です。
私は車中泊していたのでなんとか始発のバスに乗ることができました。

 

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駒ヶ根ロープウェイを降りると目の前に千畳敷カールが!
ここは登山者に限らず多くの観光客が訪れます。そんなことから服装もまちまちで、スカートや短パン、ハイヒールやサンダル姿の観光客もいれば、リュックを担いだ登山者まで様々です。
北アルプスの上高地の光景に似ています。

 

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雲海に浮かぶ南アルプスの山並み

 

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ロープウェイに降り立った観光客や登山者の約9割は、千畳敷カールと木曽駒ケ岳方面を目指して右側の散策路・登山道へ進んで行きました。
一方、私は空木岳方面なので左手の登山道から稜線目指して登って行きました。

 

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カールに咲く夏の花々
ミヤマアキノキリンソウとミヤマキンバイ

 

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チングルマ                 ヨツバシオガマ

 

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稜線の極楽平まで登り、いよいよ中央アルプスの主稜線です。
縦走路が果てしなく南に延びていました。

ロープウェイから降りた約1割の登山者、ハイカーは、この極楽平でほとんどが宝剣岳(木曽駒ケ岳方面)に向かいました。
空木岳方面に向かう登山者は私を含めて2人でした。静かな山歩きができそうです。

 

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360度の展望。見渡す限り空と雲海、そして重なる山並みがどこまでも続いています。
北アルプスの表銀座を彷彿させるような光景です。

 

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登山道の岩場に張り付くように咲くヒメウスユキソウとミヤマダイコンソウ

 

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タカネツメクサ

 

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右手には昨日登った御嶽。
登った時には見えなかった御嶽の全容が!
「このボリュームのある山は、それだけで一王国を形成している」(深田氏)ことがよく分かる景色ですね。

 

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私の大好きなチシマギキョウの群生

 

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登山道はアップダウンを繰り返し、ハイマツと花崗岩の岩場が続いていました。

 

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「ここでちょっと休憩していってくれ」という場所ですね(笑)
ということで、一休み。前も後ろも誰もいません。至極のひとときでした。

 

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標高2700mの稜線が続いています。

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ほんの少し空木岳の頭が見えてきました。

 

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高山のハイマツが生える場所によく咲いているキバナシャクナゲ

 

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途中の濁沢大峰のピークと三沢岳(2846m)。岩稜帯を進んで行きます。

 

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ゴゼンタチバナ               ハクサンフウロ

 

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ハクサンイチゲ               ナデシコ

 
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おおっと!お猿さんですね~。
この周辺には猿が多いと聞いていましたが、登山道沿いに数匹の群れが現れました。
お菓子などの食料は隠してそっと歩いていけば大丈夫です。

 

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主稜線途中の檜尾岳(2728m)と檜尾避難小屋

 

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檜尾岳から望む空木岳
ようやく空木岳の全貌が見渡せる所まで来ました!

今日泊まる木曽殿山荘まであと3時間半の行程です。
まだまだ遠いですね。

 

「空木岳 後編」につづく

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