食べ歩きシリーズ
醤油ベースの澄んだスープに納得の一杯!
ラーメン食べ歩きを始めて約30年ほど経ちます。
食べ歩きと言っても、評判のお店をガツガツと訪れて制覇するような食べ方ではありません。
当時はインターネットもなく、ほんのわずかな情報をもとに地図片手に出かけてみたりしていました。
今ほどのラーメンブームではなかったため、いわゆる伝統的な昔ながらの味を守っているお店ばかりでした。
そんなことから、主に東京を中心とするお店では、永福町系大勝軒、東池袋大勝軒、恵比寿ラーメン、荻窪ラーメンなどが主流といったところでした。
こうしたお店の特徴は、味こそ違え共通している点は、”醤油ベースのシンプルなスープ” に特化していることでした。
出汁の取り方はそれぞれ異なりますが、”一番旨い出汁に仕上げるコツ” を見出していたのではないかと思います。
今流行りのラーメン店は、動物・魚介系のダブルスープ、トリプルスープやかつお節を大量に入れて出汁を取ることから、どうしても ”過剰な出汁 になりがちです。このため、食べ進めていくとしつこさが強すぎて飽きがきてしまいます。
つまり、スープの出汁に自信がないためこれでもかといろいろな材料を使っていることが、却って出汁をダメにしまっているのではないかと思います。
このような感想はあくまでも私個人の思いですが。
退職後、くるま旅をはじめて全国のラーメン店を訪れることができるようになりました。
こうした中、これは旨い!というラーメンに出会う機会が増え、地方のラーメンを食べる楽しみが増えました。
数あるラーメン店を訪れた中で、美味しかったお店ベスト10を挙げてみました。
■北海道:利尻ラーメン「味楽」、旭川ラーメン「蜂屋」「青葉」「みづの」、札幌ラーメン「彩未」(味噌)
■東 北:佐野ラーメン「日向屋」「くにや」、喜多方ラーメン「源来軒」、白河ラーメン「とら食堂」
■関 東:永福町系ラーメン「高萩大勝軒」(廃業)、「ぜんや」(塩)
利尻ラーメン「味楽」 札幌味噌ラーメン「彩未」
旭川ラーメン「青葉」 旭川しょうがラーメン「みづの」
喜多方ラーメン「源来軒」 佐野ラーメン「日向屋」
佐野ラーメン「くにや」 永福町系「武蔵高萩 大勝軒」(2017/6廃業)
永福町系の「武蔵高萩 大勝軒」は、私たち夫婦が25年通いつめたNO1のラーメン店でした。
残念ながら昨年6月、ご主人の体調不良により暖簾が下ろされました。
最もラーメン店が集中する東京においてベスト10入りするお店がないのも不思議です。
一番多く食べているにもかかわらずベスト10入りがない?、もちろん美味しかったけど自分が納得する水準以上ではなかったことなんでしょうか。
今年九州くるま旅に出かけ多くのラーメン店を訪れましたが、やはり豚骨スープがネックのため残念ながらランクインするお店はありませんでした。
こうした嗜好は個人によって違うものですからしょうがないですね(笑)
上記のベスト10ラーメン店の共通点は、冒頭で述べたような、”シンプルな味” ”飽きがなくまた食べたくなる味” なんです。
流行りの味ではないため、何十年も親しまれて長続きする味だと思います。
白河系ラーメン「麺壱 吉兆」
先日、TVニュース番組で行列ができる路地裏グルメ店の放映がありました。
何気なく観ていたところ、東京のラーメン店の紹介でしかも白河系ということで思わず身を乗り出して観てしまいました。
ほ~、大井町にこんなお店があるんだと、3年前に行った「とら食堂」を思い出しました。
2015年6月、東北くるま旅の帰りに立ち寄った白河市にある「とら食堂」(白河ラーメンの元祖)
そんな「とら食堂」の白河ラーメンを東京で食べられるのであれば、これは行ってみなくてはということで大井町まで出かけてみました。
このお店は、「麺壱 吉兆」と言います。
話に聞くと「とら食堂」で修業されたお弟子さんが東京で出店し、そのお店で修業されて大井町に店を構えたということのようです。
麺は白河ラーメンの特徴である青竹平打ち麺のようです。
大井町駅から商店街通りを3分ほど歩き、「平和小路」という路地を入っていきます。
何か昭和の路地裏を彷彿させる小路ですね~。こんな雰囲気が期待を増幅させていきます。
お店に11時10分着。開店11時30分からですが、すでに長い行列ができていました。
1人、2人、3人・・・なんと16人も並んでいます!
このお店はカウンターのみで7席しかありません。
11時30分に開店して7人が席につきました。この時点で私の後ろに並んでいる人数をかぞえたら16人!
つまり私は真ん中の位置でなんと33人が並んでいたということです。
中華そば670円+大盛150円を注文しました。さすがに麺が山盛りですね(笑)
まずはスープ。比内地鶏から丁寧にとられたスープは黄金色に輝いていました。
一口すすってみると、「とら食堂」で食べた時の感動が蘇ってきました。さっぱりしている中にコクのあるこの味、旨い!
麺は平打ちちぢれ麺です。モチモチとした食感でスープがしっかりからんでいます。
麺がちょっと柔らかいのが気になりましたが。
麺とスープ以外にこの店の売りはチャーシューじゃないかと思うほどの味でした。
今時のしつこいだけの分厚いチャーシューと違って、何か燻製の味を感じる独特なものです。
チャーシュー一つとってもしっかり仕事しているなと感じました。
これを目当てに来るお客さんもいるんじゃないかと思います。
麺大盛、完食しました!
ごちそうさまでした。
ということで、今回も都内に出かけて食べ歩きしてきました。
こういったお店を見つけてまた出かけてみたいと思います。