幌尻岳登山~その2
日高山脈の最高峰とお花畑
山小屋の朝は早いです。
午前3時、まだ日が昇る前の薄暗い山荘の中ではゴソゴソと起きだす登山者の物音が聞こえてきます。
午前4時にはほぼ全員が起きて、外では朝食の準備やザックの荷造りが行われています。
この日は幌尻岳頂上往復なので、簡易の軽ザックに食料、水、雨具など必要な物だけ入れて、その他の荷物は山荘にデポして出かけました。
午前5時出発。
山荘から尾根にとりつくまでの急登をひたすら登って行きます。尾根までの標高差600m!
ダケカンバの林の中を抜けると視界が広がりました。今日は天気が期待できそうです!
樹林帯の間から前方に小高い山が見えますが、これは頂上ではありませ~ん。その先の先なんです。
しばらく登っていくと森林限界を超えて一気に展望が広がりました。
ハイマツの中の登山道を進むとお花畑が広がってきました。
目の前には北カールが大きく口を開けて、幌尻岳がドッシリかまえていました。
幌尻岳は日高山脈の最高峰である。
十勝と日高の国境を仕切って長々と延びたこの山脈から、もし一つの山を選ぶとしたらどれだろう・・・。
日高で唯一の二千メートル峰であるのみならず、その山容からいっても、貫禄からいっても、日高の代表として十分の資格を持っている。
アイヌ語でポロは「大きい」、シリは「山」の意。その名もまた快いではないか。
深田久弥著「日本百名山 幌尻岳」より
登山道沿いと北カールに広がるお花畑。チングルマの群生。
ミヤマダイコンソウ
ミヤマリンドウ エゾフウロ
エゾウサギギク ミヤマアズマギク
イワギキョウ ハクサンイチゲ
北カールと戸蔦別岳(とったべつだけ)
幌尻岳直下から振り返ってみる尾根道。 もうすぐそこが頂上。
幌尻岳頂上2052m(日本百名山)
日高山脈の峰々
幌尻岳山頂からは、日高山脈最高峰ならではの展望が開け、日高山脈の主な山々をすべて望むことができる。
この山が、山脈の主稜線から外れていることが、展望のよさの一因となっている。
朝日新聞出版「週刊日本百名山」より
頂上でコーヒータイム。
風のないさわやかな山頂でなんと1時間半のんびりくつろぎました。
こんな天気の良い日に登ってきたのだから下りたくない気持ちもなります(笑)
登ってきたお花畑の登山道をゆっくり下山。
午後1時、幌尻山荘に到着。この日も山荘に宿泊しました。
早めの登山と頂上での時間を短縮すれば、その日のうちに下山できましたが、あえて山で過ごす時間をつくりました。
午後は山荘前の広場で登山者同士の山談義で話が尽きませんでした。
一期一会ですが、こうした同じ趣味を持つ者同士ですから誰でもがすぐに打ち解けられます。
これもまた登山の楽しみのひとつなんですね。
幌尻岳は、他の百名山とは違うもうひとつの特徴を今回の登山で見つけました。
それは登山者全員が、”日本百名山を目指す登山者だけ” ということです。
例えば、北アルプスの穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、白馬岳など一度は登ってみたい名峰ということで、特に百名山を意識しない登山者も多く登ります。
しかし、わざわざ北海道まで行き、渡渉を繰り返すようなリスクを負う登山を誰でもするか?と云うと・・・。
私は、ハッキリと目標を持った登山者しか登らないのではないかと思うんです。
その証拠に山荘で出会った登山者は、全て百名山を目指す方々ばかりだったからです。
今回の幌尻岳登山で北海道にある百名山を全て踏破しました。
ではこれで北海道の山は終わりか?といえばそうではありません。
今度は季節を変え、ルートを変え、更には百名山以外の山にも登ってみたいと思っています。
「2018北海道ロングステイ」 つづく
すーさん、今晩は。とても言葉では言い表すことのできないようなところにいらっしゃるのです
ね。いつも感動する写真をありがとうございます。
2000メートル以上の山なんですね。それに見るだけならとてもきれいな清流を渡っての
登山、かわいい花、コーヒーの隣の写真、岩場に咲く「リンドウ」でしょうか。
救援ヘリ、私も一度だけ「尾瀬」でみました。
無理をしない、最悪の時を想定する、どんなときにも謙虚で・・・ついつい忘れてしまいがちな
ことですね。
山から大きな火星が見えましたか。
写真のアップ、毎回楽しみにしています。
Roseさん
コメントありがとうございます。
>見るだけならとてもきれいな清流・・・
写真だけでしたらそうですね。確かにとても澄んでいてきれいな清流でした。
がまんしても1分間は水の中に足を入れていられないくらい冷たかったです。
写真では分かりませんが、冷たさと激しい流れでした。
頂上でコーヒーと一緒に撮った花はイワギキョウだと思います。ちょっと見、リンドウに似てますね。
今回北海道で登った山の中では、幌尻岳のお花畑が一番見ごたえがありました。
そういうことでは、少しでも皆さんにお花の写真をお届けできて嬉しいです。
火星のことは知っていましたが、残念ながら見ませんでした。
北海道の登山のブログはこれで終わりますが、引き続き観光やグルメ編をアップしていきますので見てください。
山歩きの好きな姉と昨日話しましたが、「幌尻岳」はとても姉には無理な山だそうです。
すーさんのこのブログをきっと見ていると思います。
可愛いお花畑に感動していると思います。
姉も100名山を目指していたそうですが、リスクのある山には自分の体力もあるので
写真で我慢しているそうです。
Roseさん
コメントありがとうございます。
お姉さんも百名山を目指している方ですか。
全国から多くの登山者がこの幌尻岳を目指してやってきていました。
そうした登山者の会話の中では、やはりこの山が一番難しいと話していました。
北海道という遠い地、予約、渡渉などはっきり日程を決めて登るわけですから、特に渡渉においては「運」も味方してくれないと難しいのではないかと思います。
再チャレンジ、3度目にようやくといった登山者がいました。
羅臼岳に登った時、幌尻岳に行ってきた登山者と話をする機会がありました。
その方は、もう一つのコース「新冠陽希コース」(ブログ19で紹介)で行ったそうです。
ガイド付きの6人パーティーで途中まで登った時、一人の女性登山者(シニア)が疲労のため歩けなくなり、ガイドの判断で登山を中止し下山したそうです。
どちらのコースも大変な山なんですね。
お姉さんも私のブログを見ていらっしゃるとのこと。
登山のブログでは、できるだけお花の写真をたくさん掲載していきたいと思います。
私も大好きですので登山に行ったら撮ってこようと思います。
来週は仲間たちと白馬三山縦走を計画しています。
お花がきれいに咲いていればと思っています。