「遊ぶ山」を気ままにハイキング 7月9日
日本百名山の深田久弥氏は、 「妙な言い方だが、山には登る山と遊ぶ山とがある。前者は、息を切らし汗を流し、ようやくその頂上に辿り着いて快哉を叫ぶという風であり、後者は、歌でもうたいながら気ままに歩く・・・ ただ一つの目標に固執しない」(日本百名山「霧ヶ峰」) 「広かつな山上の草原が、果てしもないように続いている。さあ、どこでも勝手にお歩きなさい、といった風に続いている。」(日本百名山「美ヶ原」)
セブ島旅行から帰って来た翌日、大型台風が九州に上陸。以前から計画していた信州の美ヶ原と霧ヶ峰ハイキングは、このセブ島旅行が入ったためなおざりになっていました。カミサンからどうする?という問いかけでしたが、台風も来ていることだし天気も悪いんじゃないかと思いました。とりあえず天気予報を調べてみたら明日の9日は晴れマーク! エ~台風が来てるのに晴れなの? じゃあ~行っちゃおうか! カミサンは私の身体を心配して「セブから帰ってきたばかりで大丈夫?」と声をかけてくれましたが、「梅雨の時期でそれも台風がきているのに晴れなんだ!こんなチャンスはめったにない。大丈夫!」ということで、急いで荷物や着替えを車に積み込みレッツゴー。現地の登山口に前泊予定でお昼の12時に中央自動車道を走り、信州の諏訪を目指して出かけちゃいました。
美ヶ原
中央自動車道の諏訪ICからビーナスラインに入り、霧ヶ峰高原のドライブインで休憩した後、ビーナスライン最終地点の道の駅・美ヶ原高原美術館に夕方到着しました。 この高原美術館は、全国道の駅の中で最も標高の高い所(2000m)に位置しているそうです。800台収容の広い駐車場には車が1台だけ停まっていました。いつものようにトイレ近くに駐車した後、車中泊らしい60代半ばと思われるご夫妻にごあいさつ。お話を聞くと岡山を出発して北海道一周のくるま旅を40日間楽しんできた方でした。この美ヶ原には、北海道に行く途中立ち寄ったそうですが、天気が悪かったため再度帰路に訪れたということでした。やはり定年退職後の夫婦くるま旅だそうです。
翌朝5時、車中泊した高原美術館周辺は、視界十数メートルの濃い霧に覆われていました。登山口のある近くの山本小屋まで移動して、霧の中、柵で仕切られた牧場を歩きだします。今までの経験でこの霧は、気温が上昇してくればほぼ間違いなく晴れてくると予想しました。牧場の途中に美ヶ原を象徴するモニュメントの「美しの塔」が現れてきました。今回はカミサンの足の具合を考慮して、美ヶ原牧場の中を歩き頂上を往復するコースにしました。
美ヶ原最高峰の王ケ頭(2034m)。頂上からは松本方面が望めます。晴れてはいましたが雲があり、北アルプスの遠望はできませんでした。前方には、ほぼ同じ標高で約20分位で行ける王ケ鼻が見えます。
この後、道の駅・美ヶ原美術館駐車場に戻り、北アルプスのパノラマを楽しみました。 梅雨明けは、いよいよ北アルプス最深部の雲ノ平(11日間)にチャレンジ。 待ってろよ!
霧ヶ峰
午前9時過ぎ、美ヶ原を後にしてビーナスラインで霧ヶ峰に向かいます。
美ヶ原からビーナスラインを車で約1時間、車山の肩に着きます。ヒュッテの駐車場に停めて、最高峰の車山までゆっくり歩いて1時間位です。まさに高原のイメージで遮るものは一切なく、歌をうたいながら気持ちの良いハイキングが楽しめます。
車山の肩から20分位登れば大展望が広がり、南アルプス・八ヶ岳・富士山が眺望できます。草原にはレンゲツツジが咲いていました。
車山の肩から50分位で頂上にある気象レーダーが見えてきます。観測所のすぐ隣に車山頂上標識(1925m)があります。頂上からは正面に蓼科山(百名山)と眼下に白樺湖が見えます。車山高原スキー場のリフトを使えば頂上まで来れます。スニーカーやサンダルはいて楽に来れちゃうんですね。赤ちゃん連れのご家族も目にしました。
頂上から車山湿原に行く登山道が閉鎖されていたため来た道を戻りました。往復約2時間のコースです。下山後、車山の肩付近にはニッコウキスゲが咲いていました。いよいよこれからがシーズンですね。 次回、また来る時は八島ケ原湿原を散策したいと思います。
梅雨の合間のすがすがしい高原ハイキングとくるま旅でした。